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評価 


(4点/5点満点)
知的生産性というのは「思考の技術」そのものよりも、情報をどう集めるかとか集めた情報をどう処理するかといった「行動の技術」、いわゆる「心得」によってこそ大きく左右されます。
どんなにピカピカの学歴を持った頭脳優秀な人材でも、動き方を知らないとまったく知的成果を生み出すことができないのです。
その「知的生産のための心得」について書かれたのが本書です。コアなターゲットとして想定しているのは、知的生産性を高め、自分が所属する組織や社会により良い変化をもたらそうとしている30代のビジネスパーソンです。
インプット⇒プロセッシング(集めた情報を分けたり組み合わせたりして示唆や洞察を引きだす)⇒アウトプットの一連の流れの中で使える99の心得・行動の技術には、参考となるものが多かったです。
このような知的生産のプロセスのどこに自分の強みと弱みがあるのか、明確になることでしょう。
【my pick-up】
◎管理職の大事な役割は、「ここまでやれば及第点」というラインを提示すること
知的生産活動に従事する管理職の大事な役割は、「ここまでやれば及第点」というラインを提示することです。プロフェッショナルというのは80%の力でクライアントを継続的に満足させられる人のことです。常に100%の力を出そうとするのはむしろアマチュアです。プロというのは常に、求められている水準をギリギリ最低限の労力でクリアする人たちなのです。
◎質問を明確に語尾まで言い切る
わたしたちは普段の仕事や生活の中で、語尾をあいまいにすることなく明確に質問として言い切る、ということを実はほとんどやっていないのです。質問を明確に語尾まで言い切ることが求められます。
◎「現地現物」を「現地見物」にしない
現地見物とはつまり「ただ単に行って見てきました」ということです。現地見物を避けるためのポイントは2つあります。1つはあらかじめ「問い」を持って現場に臨む、ということです。2つ目の方法論は「仮説」を持つことです。仮説を持つというのは、つまり「問い」に対する現時点での答えを持って臨む、ということです。
◎答えは探さず、来させる
「よい答え」というのは、ニュアンスとしては、力ずくに探し出すものではなく、ごく自然に目の前に立ち現れるものなのです。思考スキルをさまざまに駆使しながらウンウン唸らないと答えがひねり出せないなどという状況は、そもそもプロセッシング以前の「問いの立て方」か「情報のインプットの仕方」に問題があると考えた方がいいのです。
◎ベクトルではなく、到達点を伝える
「推進」「加速」「強化」「向上」といった言葉は、全て「向き」=ベクトルに関してしか言及しておらず、座標上の任意の点を示していません。これでは、指示を受けた関係者や取引先は、何をどの程度までやればいいのか分からず、組織としての足並みが揃いません。アウトプットが「ベクトル」から「到達点」に変わることで、関係者にとって、何をいつまでにどれくらいまで進めればいいのか、ということが明確になります。到達目標が明確化されることで関係者の目線も揃い、活動の足並みも揃うことになります。
◎アウトプットが出ないときは、インプットを見直す
アウトプットが出ないときは、基本的にインプットが足りない。アウトプットが出ないときこそ、インプットに再度目を向けて、「聞くべき人に話を聞いているか」「読むべき資料にちゃんと目を通しているか」という点をチェックしてみましょう。
◎欠損があっても構わない
チームで働くことが前提となるビジネスの世界において、全方位に知的ストックを形成することの費用対効果はそれほど大きくないのではないでしょうか。むしろ、全方位に中途半端な知的ストックを作るくらいであれば、一部に特化していて偏った知的ストックを持つ多様なメンバーを集めて、チーム全体として高いレベルの知的ストックが形成できた方がよいのではないかということです。