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2016年23冊目『「分かりやすい表現」の技術』

2016-01-08 21:34:11 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

もう15年以上前に刊行された講談社ブルーバックスですが、『外資系コンサルタントの仕事術』(本ブログ2016年19冊目で掲載)の中で紹介されていたので読むことにしました。

この本は、表現の品質管理基準、あるいは「分かりやすい表現」の法則、ルールブックと言えます。

業界別に存在する「分かりやすい表現」の技術にも、そのジャンルを超えた普遍的共通項があります。そうした共通項から「分かりやすい表現」の結晶を抽出し、表現の品質管理の重要なガイドラインとしてまとめた1冊です。

<分かりにくい表現の犯人⇒分かりやすい表現のルール>

1.親切心の欠如⇒おもてなしの心を持て

2.受け手のプロフィールの未定義⇒受け手のプロフィールを設定せよ

3.受け手の熱意の読み違い⇒受け手の熱意を見極めよ

4.大前提の説明もれ⇒大前提の説明を忘れるな

5.ガイドの欠如⇒まず全体地図を与え、その後適宜現在地を確認させよ

6.複数解釈ができてしまう⇒複数解釈を許すな

7.情報のサイズ違反⇒情報のサイズ制限を守れ

8.欲張り⇒欲張るな。場合によっては詳細を捨てよ

9.具体性に欠ける⇒具体的な情報を示せ

10.重みづけの欠如⇒情報に優先順位をつけよ

11.共通項でくくらない⇒情報を共通項でくくれ

12.相互関係を明示しない⇒項目の相互関係を明示せよ

13.視覚特性の無視⇒視覚特性(見やすさ)を重視せよ

14.自然な発想に逆らう⇒自然発想に逆らうな

15.受信順序を明示しない⇒情報の受信順序を明示せよ

16.直訳⇒翻訳はことばではなく意味を訳せ

読むと日常生活がいかに分かりにくい表現に囲まれているかに気づきます。分かりやすい表現のルール・技術が網羅的かつ類型的にうまく整理されていると思います。

【my pick-up】

◎「分かりやすい」とはどういうことか

分かりやすい表現とは、「受け手の脳内整理棚にしまいやすいように情報を送ること」に、つきます。逆に「分かりにくい表現」は、情報が混沌としていて、ひとめ見ただけではその構造が見極めにくいので、整理棚に収めにくいのです。「分かりやすい、とは、すでに持っている情報構造と照合しやすいこと」と覚えてもよいでしょう。この整理とは、たいてい「分ける」ことから始まります。つまり「分ける」は「分かりやすい」の原点なのです。

 

 

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