評価
(3点/5点満点)
どんな部下も信頼して、仕事を任せることこそ、リーダーの要諦である。
この本は、人をどのように使い、どのように任せて、どのように組み合わせていけば、強いチームが出来上がるのか-ライフネット生命会長の出口治明さんが答えます。
・上司の管理能力はせいぜい部下2~3人分である
・社内にプレーイング・マネージャーは置くべきではない
・人間や社会の本質を知るにはたくさん人に会い、たくさん本を読み、たくさん旅をすること
・部下の短所は放っておく
・部下に的確な指示を出すためには期限・優先順位・目的背景・レベルを示すこと
などなど、出口さんのこれまでの経験から明らかになった、リーダー論、マネジメントの原理原則が具体例とともに述べられています。
本書を読んで久しぶりに、たくさん線を引きました。吸収すべき個所が多かったです。
【my pick-up】
◎会社に「サボる社員」が必要な事情
なぜ、必ず「2割の下位グループ」が存在するのでしょうか。その理由は、「緊急時や、不測の事態に対応するため」「余力を残しておくため」とする説があります。「下位2割」が存在していてこそ、むしろ正常な集団と言えるのではないでしょうか。「下位2割」の「仕事を任されたくないグループ」を何が何でも排除しようとする上司は、社会のしくみや構造がまったくわかっていません。
◎「アホな上司」ほど精神論を振りかざす
「必死に仕事に打ち込む」ことは、原則として、自発的であるべきです。「オレが鍛えてやる」とか「オレの背中を見て育て」と口にする上司は、ただのアホです。「背中に何が書いてあんねん。何も見えへんやないか」と言いたくなります(笑)。
◎残業時間が自然と減る-「部下の生産性が上がる」評価基準とは?
日本は長時間働いているのに、どうして生産性が低いのでしょう?その理由として、「残業による疲労の蓄積」が考えられます。疲労が蓄積した結果として、生産性が下がってしまったのです。では、どうすれば「残業」を減らす(なくす)ことができるのでしょうか?「評価基準を変える」ことです。「何よりも大事なのは、労働生産性の向上であって、残業時間は評価の対象にならない」ことを明確にすべきでしょう。
◎統率力とは「丁寧なコミュニケーション」のこと
「統率力」は、「丁寧なコミュニケーション力」と言い換えることができます。弱っているメンバーがいれば、「大丈夫か?」とか、「○○くん、2~3日休むか」と気遣う。周囲の環境変化や各メンバーの置かれている状況を観察したうえで、メンバーに声をかける力が真の統率力なのです。