とにかくすぐに「稼げて・動けて・考えられる」社員のつくり方 (アスカビジネス) 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2011-09-14 |
評価 (3点/5点満点)
経営コンサルタント(組織づくり・人材育成)で30代向けの著書も多い小倉広さんが、自分の意思で動けて・考えられる社員、つまり稼げる社員とそうでない社員の分岐点を考察し、そんな稼げる社員を会社の中で量産できる組織の作り方を紹介します。
小倉さんはリクルート勤務時代等を振り返ってみて、人材育成においてたくさんの間違いを繰り返してきたと言います。
・分身を十分に育てることもないままに事業部を任せてしまい、組織がめちゃくちゃになったこともあった。
・業績の急成長に伴い、早すぎるタイミングで必要以上の人数を採用し、組織が水ぶくれを起こしたこともあった。
・プロとしての厳しさが組織に根付く前に、楽しさや優しさばかりを組織に導入し、甘ちゃんばかりの、ずぶずぶな組織にしてしまったこともあった。
このような経験を踏まえ、人と組織に関する本音ベースの厳しい主張が並んでいます。
部下の育成を本気で考え、本書のような視点で取り組めば、稼げる社員を継続してつくるのは決して不可能ではないと思います。
【my pick-up】
◎全員を育ててはいけない
組織文化をつくるのは先輩社員たちである。では、いったい、その先輩社員をどうつくるのか?
その答えは「広く薄く」ではなく「狭く濃く」。つまり全員を育てるのではなく、一部の可能性ある社員をセレクトし、上司が「狭く濃く」関わるのです。僕はこれを「えこひいき」と呼んでいます。
ここで言う「えこひいき」とは、決して甘やかすことではなく、他メンバーの10倍厳しく求めること。そして厳しさに対する見返りは「期待」と「愛情」です。つまり「厳しさ」も「優しさ」も10倍にする。まさに「狭く濃く」関わることでリーダーの「分身」を育て上げるのです。
◎部下の質問に答えない
「この件、どうしましょうか?」そうたずねられた時に、僕たちリーダーはどう答えればいいのでしょうか?
そんな時、僕は質問には答えません。部下からの質問に、こちらも質問で返すのです。「君はどうしたいの?」「どうしたらいいと思う?」このようにおうむ返しで部下に考えさせるのです。
部下が指示待ちなのは、上司が答えを教えるから。部下だけが悪いのではありません。僕たち上司が答えを教えずにじっとガマンする。そして彼らが自分の頭と自分の意思でものごとを考え進むように支援する。それが大切なのです。
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