評価 (3点/5点満点)
地方女子学生の進学意識の傾向や、周囲の環境がどのように影響しているかを考察します。
地方女子学生を取り巻く進学に関する問題点として以下が挙げられています。
1.資格重視思考
地元の学力上位層に「とりあえず医学部」の風潮がある。
医学部を目指す女子学生には「資格があると安心だから」の理由を語る学生が多い。
難関大学に進学する実力のある女子学生が盲目的に医学部に進学することで、結果的に難関大学の女子比率が下がるという現象が起きている。
2.低い自己評価
思春期の女子学生は男子学生に比べて自分の能力に対する自己評価が低い。
大学受験においても男子学生の方が実力を過大に、女子学生の方が実力を過小に評価する傾向があり、それが志望校設定にも表れている。
3.安全志向
模試でD判定が出た時、地方の女子学生は「今から努力をしても合格できる可能性は低い」=「自分は無理だ」と判断してしまうのが早い。
大学進学を選ぶ場合の価値観や意識に、性別や地域といった生まれながらに決定される属性によって大きな差が出ているのであれば、それは個人の選択や志向が属性によって狭められたり歪められたりしているということです。
首都圏の難関大学に地方女子学生が非常に少ないその陰に、どのような構造的課題があるのかを考えます。
【my pick-up】
◎東大女子は結婚できない?
実は「東大女子は結婚できない」は全くの誤りで、むしろ東大卒女性の既婚率は一般に比べて高い傾向にあります。1976年から1995年生まれの日本女性の既婚率が6割近くなのに比べて、ほぼ同じ年代の東大卒女性は8割近くが既婚です。
◎女性が戻りたいと思える地域を作ることによって解決すべき
在住者が感じる地域の寛容性は、地方出身者のUターン意向と強い相関関係があります。「女子だから」勉強はしなくていいのよ、結婚が大事よと言われる社会に、自立を志す女性が帰ってきたいはずがありません。女性の多様な生き方が許されない非寛容な社会が改善されない限り、地方はこの先も女性に選ばれない「地方」であり続けると、私たちは考えます。
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