評価 (3点/5点満点)
・なぜ「いい人でいなければいけない」と思い込んでしまうのか?
・どうして、まわりの言いなりになってしまうのか?
・どうすればもっと自分らしく、自由に生きることができるのか?
ビジネス書の年間部数で国内著者1位を2年連続(2020年・2021年)獲得している永松茂久さんの最新刊は、これらの問いについて考えます。
毎日をただ流れるように過ごすのと、一つひとつのことに対して、自分なりの気づきを持ちながら生きるのとでは、先がまったく違ったものになります。
まわりがどう言おうと、自分らしく生きることがいちばん穏便な生き方であり、自由や選択肢を増やす生き方がこれからの時代に適合すると思います。
【my pick-up】
◎その行動の中にある軸が人を惹きつける
どんな人とでもトラブルなくやっていける人は、たしかに人畜無害で誰にも嫌な思いはさせないかもしれない。しかし、逆を見ると、そういうタイプの人には個性がない。誰にでも合わせることができる、ということは、言い換えれば「自分の意見を持っていない」とも言える。
これとは対照的に、自分が納得のいかないことにはテコでも動かない、「それは違うんじゃないか?」と、あえてまわりの空気を読まずに発言する人は、意見が逆の立場の人から見ると、ある意味、厄介な存在に映るかもしれない。しかし、こういう人には強烈な個性がある。まわりに埋没しない。違うものは違うと言い切る。そのために、たとえその場がまとまらなくなったとしても、自分の意見ははっきりと言う。この一本筋の通った生き方に、不思議と人は引き寄せられる。
◎たまには不快感を顔に出してみよう
すべきこと、それは命令されたときに、言いなりで「はい」と言う前に、一旦すごく嫌な顔をしてみることだ。
人は「とんがり君」に弱い。よくも悪くも、噛みつく怖れのある人はなめられない。たまには露骨に嫌な顔をすることで、マウンティングしがちになってしまう上司へのいい牽制となる。いい意見を述べる、というテクニック的なことだけではなく、メンタル的な意味でもいい気づきを与えることができる部下になってほしいと願う。
◎やる気を誰かに頼るな
多くの人たちにとって、どこかで「やる気やモチベーションを上げるのは会社の仕事」と、当然のように思い込んでいる空気がある。そして往々にして、この空気に染まってしまうのは、幼い頃から、何でもまわりが与えすぎて思考停止になってしまっている人たちだ。社会に出ると、やる気をくれた親や先生は、もういない。それは、自分の中で発見するものだ。