評価 (3点/5点満点)
稼ぐ人の「相手が絶対「NO」とは言わない法」が、この本のメインテーマです。
たとえば、稼ぐ人は上司に対して「A案とB案」でなく「A案とAダッシュ案」を見せます。「Aダッシュ案」とは、「A案」の修正バージョンのこと。
×(部下→上司)「資料は電子データで作成しますか?紙でも作成しますか?」
○(部下→上司)「資料はエクセルで作成しますか?ワードで作成しますか?」
上司に「B案(紙でも作成)」を見せるのは、まさに眠れる獅子を起こすのに等しい行為なのです。そこであえて「B案」はスルー。上司が「二択」(エクセルかワードか)のどちらも選んでも成功するというわけです。
また、「二者択一で聞く」場合は、「二者択一で話す」場合とは違って、「A案とAダッシュ案」ではなく、「A案とB案」で聞くことになります。
×(上司→部下)「今月は成績が悪いですね。なぜですか?」
○(上司→部下)「今月は成績が悪いですね。営業する時間が少なかった?お得意様に何か問題があった?」
「二者択一で聞く」と、相手が話しやすくなるだけでなく、考えやすくなるのです。
誰もが真剣に聞くようになる「稼ぐ話術」には、人を動かし、仕事を動かし、組織を動かし、そしてお金を動かすコツがあるんですね。
【my pick-up】
◎「明日の15時」「疑問点が2つ」・・・数字なら「正しく・強く」伝わる
「ところで金川君、A社の件はどこまで進んでいる?」
「ほぼできています」ではなく、「8割方できています」「明後日の15時にはご覧いただけます」
「もう少しでご覧頂けそうです」ではなく、「3日後には仕上げます」「2つほど疑問点があり、先方に問合せ中です。明日の午前10時までには回答をもらえることになっています」
◎ビジネスで「残りの3W」がムダな理由
「Who(人)」「When(時間)」「Where(場所)」もたしかに重要な情報です。ただし、ビジネスとしては優先度の低い二次的な情報なのです。というのも、ビジネスでは「Who」は「私」、「When」は「今」、「Where」は「ここ」-であることが大半だからです。これは情報の基本。稼げない人は、情報のこの基本がわかっていないのです。
◎できる上司は「部下のデメリット」を「メリット」で話す
部下に「会議の議事録をまとめる」仕事を振るとき。「会議の議事録をまとめる」のは、けっこう面倒。しかも、「会議の議事録をまとめる」のは、どんなに仕上がり良くまとめても、高く評価されるような仕事ではありません。議事録をまとめると「誰よりも会議の内容を把握できる」「会社全体を俯瞰して見られるようになる」「それをもとに次の会議のアジェンダを用意できる」「以降、会議の主導権を握ることもできる」といったメリットを話すのです。
◎会議は6人以上になると「話し手」と「聞き手」に分かれる
「稼ぐ会議」のコツは、「会議は少人数で行う」ということ。「少人数」とは、ズバリ「5人以下」。6人以上になると、どうしても当事者意識が薄れてくるからです。「話し手」と「聞き手」が何となく分かれるようになり、会議は名ばかりの「報告会」もしくは「演説会」になるわけです。
◎稼ぐ組織に「定例会議が少ない」理由
定例会議は「週1」「月1」で開くことが前提となっていますから、議題がハッキリしていないことが多いのです。これといった議題がないのに「週1」「月1」だからといった理由で開かれる定例会議がいかに多いことか。結局、話題があちこちに飛んで、ムダな会議になることが多いのです。
◎「金持ちが喜ぶネタはないか」という視点で本を読む
僕は、月に20冊以上は本を読んでいます。月に20冊以上は本を読んでいると言うと、「読書家ですね」と感心されますが、僕自身はとくに本が好きなわけではありません。読む本といえば、ビジネス書や自己啓発書ばかりで、小説やエッセイはほとんど読みませんから。「人に話して喜ばれるネタはないか」という視点で、本を読むのです。