厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2020年44冊目『稼ぐ話術「すぐできる」コツ』

2019-12-22 16:32:20 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

稼ぐ人の「相手が絶対「NO」とは言わない法」が、この本のメインテーマです。

たとえば、稼ぐ人は上司に対して「A案とB案」でなく「A案とAダッシュ案」を見せます。「Aダッシュ案」とは、「A案」の修正バージョンのこと。

×(部下→上司)「資料は電子データで作成しますか?紙でも作成しますか?」

○(部下→上司)「資料はエクセルで作成しますか?ワードで作成しますか?」

上司に「B案(紙でも作成)」を見せるのは、まさに眠れる獅子を起こすのに等しい行為なのです。そこであえて「B案」はスルー。上司が「二択」(エクセルかワードか)のどちらも選んでも成功するというわけです。

また、「二者択一で聞く」場合は、「二者択一で話す」場合とは違って、「A案とAダッシュ案」ではなく、「A案とB案」で聞くことになります。

×(上司→部下)「今月は成績が悪いですね。なぜですか?」

○(上司→部下)「今月は成績が悪いですね。営業する時間が少なかった?お得意様に何か問題があった?」

「二者択一で聞く」と、相手が話しやすくなるだけでなく、考えやすくなるのです。

誰もが真剣に聞くようになる「稼ぐ話術」には、人を動かし、仕事を動かし、組織を動かし、そしてお金を動かすコツがあるんですね。

【my pick-up】

◎「明日の15時」「疑問点が2つ」・・・数字なら「正しく・強く」伝わる

「ところで金川君、A社の件はどこまで進んでいる?」

「ほぼできています」ではなく、「8割方できています」「明後日の15時にはご覧いただけます」

「もう少しでご覧頂けそうです」ではなく、「3日後には仕上げます」「2つほど疑問点があり、先方に問合せ中です。明日の午前10時までには回答をもらえることになっています」

◎ビジネスで「残りの3W」がムダな理由

「Who(人)」「When(時間)」「Where(場所)」もたしかに重要な情報です。ただし、ビジネスとしては優先度の低い二次的な情報なのです。というのも、ビジネスでは「Who」は「私」、「When」は「今」、「Where」は「ここ」-であることが大半だからです。これは情報の基本。稼げない人は、情報のこの基本がわかっていないのです。

◎できる上司は「部下のデメリット」を「メリット」で話す

部下に「会議の議事録をまとめる」仕事を振るとき。「会議の議事録をまとめる」のは、けっこう面倒。しかも、「会議の議事録をまとめる」のは、どんなに仕上がり良くまとめても、高く評価されるような仕事ではありません。議事録をまとめると「誰よりも会議の内容を把握できる」「会社全体を俯瞰して見られるようになる」「それをもとに次の会議のアジェンダを用意できる」「以降、会議の主導権を握ることもできる」といったメリットを話すのです。

◎会議は6人以上になると「話し手」と「聞き手」に分かれる

「稼ぐ会議」のコツは、「会議は少人数で行う」ということ。「少人数」とは、ズバリ「5人以下」。6人以上になると、どうしても当事者意識が薄れてくるからです。「話し手」と「聞き手」が何となく分かれるようになり、会議は名ばかりの「報告会」もしくは「演説会」になるわけです。

◎稼ぐ組織に「定例会議が少ない」理由

定例会議は「週1」「月1」で開くことが前提となっていますから、議題がハッキリしていないことが多いのです。これといった議題がないのに「週1」「月1」だからといった理由で開かれる定例会議がいかに多いことか。結局、話題があちこちに飛んで、ムダな会議になることが多いのです。

◎「金持ちが喜ぶネタはないか」という視点で本を読む

僕は、月に20冊以上は本を読んでいます。月に20冊以上は本を読んでいると言うと、「読書家ですね」と感心されますが、僕自身はとくに本が好きなわけではありません。読む本といえば、ビジネス書や自己啓発書ばかりで、小説やエッセイはほとんど読みませんから。「人に話して喜ばれるネタはないか」という視点で、本を読むのです。

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2020年43冊目『OPENNESS 職場の「空気」が結果を決める』

2019-12-22 16:17:59 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本は、「オープネス」にまつわる次の2つの事実を明らかにしています。

・日本の職場に必要な要素のうち、最も足りないのは「オープネス」と呼ばれる、開放性である。そして、これは業績との相関がデータで認められている。

・組織には「重力」が存在し、何もしなければ下へ下へと自然落下する。そして、組織の崩壊は事業の足を引っ張るが、それを防ぐには、オープネスを利用し、「戦略を変えるべき3つのタイミング」(事業が組織に影響を与える、組織のオープネスが最初に悪化する、組織もまた事業に影響を与える)を見逃さないことが必要になる。

「オープネス」とは情報の透明性であり、戦略のクリアさであり、リーダーの自己開示性です。つまり、経営開放性、情報開放性、自己開示性の3つの要素です。

本書は「なぜオープネスが大事なのか」を、オリジナルの理論とデータを用いながら確認していきますが、今回利用しているデータは、320万人、840万件以上の社員のクチコミに基づき、企業の年収、待遇から職場環境までを評価したサイト「OpenWork」(旧Vorkers)を運営するオープンワーク株式会社から提供を受けています。

本質的にオープネスという概念は、

・閉鎖的で自分の意見も言えないが、怒られることもなく、機械のように働く職場

から

・開放的で自分の意見を自由に主張できるが、ときとして意見の衝突もあり、厳しさもある職場

へ移行するためのコンセプトだと理解しました。

このコンセプトこそが、日本が立ちいかなくなっている状態を打破するための、重要な要素だと思います。

【my pick-up】

◎「給与は低いが満足度が高い企業」の共通点

データからは、十分な給与を準備できない際に、経営者がより大切にすべきなのは、「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代の成長環境」の3つの要素だと言える。

◎「働きがいのある会社」をつくる3つの視点

誰がやっても同じ業務を、いかにして気持ちよくやってもらうか?

再現性の高い、プロセス業務を改善し続けるための習慣が設計されているか?

最も付加価値の高い「つくる仕事をやる人物」に適切な報酬と裁量を与えているか?

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