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評価 (3点/5点満点)
著者の宮原伸生さんは、ケロッグの日本法人の社長を7年、イギリスのGSK(グラスソ・スミスクライン)コンシューマヘルスケアの日本と韓国の社長を8年務め、2018年半ばに退任されました。
この本では、ビジネスパーソンとしてこれからの時代を生き抜いていくために、これからのハピネスのためには「アカウンタブル」を意識して働くことが大切だと言います。
~アカウンタブルに働く力の「2つのコア・マインドセット」と「4つの重要スキル」~
ミッションとバリューへの思い/自己成長・変革欲求
構想する力/透明感を出す/心と体の最適化/伝える力・巻き込む力
~アカウンタブルに働く力を実現させる「6つのアプローチ」~
自分に向き合って考える時間を作る/ラーニングカルチャーのある場を選ぶ/あえて世界に目を向ける/他の人の力を借りる/デフォルトを壊す/幸福感を高めることが最優先
グローバル企業は人や組織について、様々な研究や試行を繰り返しています。だからこそ、グローバル企業で仕事をする日本の人たちには、人間、そして自分とは何かを考えられる機会を面白がってほしい。
一方で、日本は若い人も含めて、昭和の感覚のままなのではないか。
仕事を通じて自分自身を知り、学びながら変革し、貢献できていることを自ら評価できることであり、そこに充足感が得られること。これこそがまさに「人間にとって大事なこと」なのです。
グローバル企業における人やリーダーシップに関する研究や知見も紹介していますが、必ずしも外資で働く人だけに向けた話ではありません。本書は、今後〝外資化する〟ことが予想される日本企業で働く方にも参考になると思います。
また、次代を担う若いビジネスパーソンを意識した内容ですが、40代、50代の人にも読んでほしいです。今世界で起きていることへの敏感なセンサー、激しいアラーム、そして変革するエネルギーさえあれば、人はいつでも変化に対応できるからです。
【my pick-up】
◎自分を動かすOSをアップデートする
最近のグローバル企業では、言葉遣いにも微妙な変化が見られます。Mission(使命)の代わりにPurpose(目的)という言葉をよく見かけるようになりました。また、Code of Conduct(行動規範)をExpectation(期待していること)という言葉に置き換えている会社もあります。微妙なニュアンスの違いなのですが、ミレニアル世代を意識して、会社が押し付けるのではなく、よりエンゲージする(巻き込む)言葉へと進化しているのだと思います。これが何を意味しているのかというと、実は組織のみならず個人も、自分を動かすOSをちゃんとアップデートしていかなければいけないということです。
◎オペレーションと「仕事」は違う
今もオペレーションが仕事だと考えている人が少なくありません。パソコンを使って分析レポートを書き、やってきたメールに対応する、これは単なるオペレーションです。多くの人の場合、これが仕事時間の80%以上を占めるのではないでしょうか。やるべきことは、考えることです。起きていることをどう捉え、そこから何を、どう考えていくか。それこそが構想するということです。考えることを仕事だと捉えなければいけません。可能性が少しでもあるのであれば、いろいろなオプションを示すべきです。まさにそれこそが、考えることの意味です。現状を分析して「これくらいならできます」と言うのであれば、誰にでもできます。