評価 (3点/5点満点)
マイクロソフト日本法人の元社長・成毛眞さん著『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』(2013年)の新書版です。
この本で提案するのは、〝全力で〟脱力系の生き方を追い求めるための方法論です。
頑張りが報われない時代に、これ以上会社に尽くさなくてもいい。日本の40代以上のビジネスパーソンの9割は、仕事に全力を注ぐ必要はないと主張します。いま、40代以上のビジネスパーソンが考えるべきは、いかに会社で息を潜め、〝外の世界を切り拓くか〟です。ストレスがかからない仕事を選び、健康な身体を保ちながら、趣味やサイドビジネスに全力を注ぐことを目指します。
本書の最終章では、一見不利に見えるミドルエイジならではの「7つの武器」が紹介されています。
1.未来がない
少年よりもミドルエイジのほうが満足するまで好みの分野にエネルギーを注げる。ミドルエイジは先がないからこそ気軽に何でもトライできる。ミドルエイジは先がないからこそ怖いもの知らずになれるのだ。
2.ハングリーではない
精神的に余裕があれば間違った選択をする確率が下がる。何事も余裕があるほど冷静に賢明な選択がしやすい。
3.冒険心がない
脱サラして起業などという大冒険をするのではなく手堅く稼ぐサイドビジネスはちょうどいいのだ。ミドルエイジには冒険心はなくてもいままで培ってきた経験やスキルがある。ミドルエイジもいままでの経験やスキルをもとに自分を売り込めば自分商店は繁盛するだろう。
4.体力がない
ミドルエイジになって体力が衰えてきても、決して悲観することはない。テクニックや戦略など体力以外の力で勝負できるようになったのだ。
5.記憶力が弱い
嫌なことは3秒で忘れてしまえばいい。
6.感性が鈍い
鈍感力を獲得したミドルエイジのほうが若者よりも大胆に対抗できる素地がある。グローバル化の世界では、ミドルエイジの鈍感力にこそ期待できるのだ。
7.ずるい
ミドルエイジは耐性ができている。理不尽なことがあっても、「世の中そんなもんだ」と割り切って考えられるだろう。