厳選!ビジネス書 今年の200冊

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今年189冊目『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』

2011-10-24 20:13:30 | おすすめビジネス書
なぜ、「これ」は健康にいいのか? なぜ、「これ」は健康にいいのか?
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2011-04-21

評価  (3点/5点満点)

順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんが、「自律神経のコントロール法」を一般向けに易しく書いたものです。2011年4月の刊行から9刷(約10万部)を数えます。

自律神経とは、私たちの生命活動を24時間365日休むことなく、縁の下で支えてくれている大切なシステムです。この自律神経の働きが、私たちの健康に大きな影響を及ぼしていることが、近年、明らかになってきました。

自律神経には交感神経と副交感神経の2つがありますが、交感神経活動レベルが異常に高く、副交感神経活動レベルがきわめて低いときに、病気になりやすいのです。交感神経と副交感神経がともに高いレベルでバランスしているのが、心身のパワーを最大限に発揮できる状態ですが、本書では現代人に特に多い副交感神経の低さに着目し、それを高めることに重点を置いています。

「ゆっくり」を意識し、ゆっくり呼吸し、ゆっくり動き、ゆっくり生きる。そうすると、下がり気味の副交感神経の活動レベルが上がり、自律神経のバランスが整いはじめます。

健康の3大王道である、十分な睡眠、控え目な食事、運動の習慣の大切さがこの本からも確認できます。

【my pick-up】

◎睡眠不足は自律神経の大敵である

自律神経の研究をしていると、睡眠の大切さを痛感させられます。睡眠不足は副交感神経のレベルを低下させ、自律神経のバランスを悪くさせます。自律神経のバランスが崩れると、血流が悪くなるので身体機能が低下します。ですから鍼治療に限らず、どんな医学的治療を受けるときでも、睡眠不足だとその効果は半減してしまう、ということです。

健康な人でも、睡眠不足は持てる能力を発揮する際に、大きな足かせとなります。長時間寝ないで勉強や仕事をしていると能率が悪くなるのは、みなさんも経験上、ご存じだと思いますが、あれはたんに疲労するからではなく、血流の低下によって脳の機能が低下するからなのです。

運動能力も、頭脳も、体の治癒能力も、私たちの心身に関わる能力すべてにおいて本来の実力を出しきるためには、まず最低限の条件として充分な睡眠をとっておくことが必要だということです。

◎食事を抜いてもダイエットに成功しない理由

自律神経の活性を落とさずに、でも、できるだけ早く結果を出したいという人に私が勧めているのが、昼の食事を中心にし、朝と夜の摂取カロリーを大幅にカットするダイエット法です。

これは、極端な言い方をすれば、朝と夜は水分やヨーグルトだけで、昼食をしっかり食べるという方法です。朝と夜は摂取カロリーを控えるために食事はとらない。でも、腸を刺激して副交感神経は高めておくことが必要なので、胃結腸反射を誘発させるために充分な水分をとり、また、ヨーグルトで腸内環境を整えるということです。この方法であれば、昼食は満足するまで食べても太る心配はありません。

実際にやってみるとわかりますが、このダイエット法を実践すると驚くほどスピーディーに痩せることができます。しかも自律神経のバランスを崩すことがないので、ダイエットにありがちなイライラや疲労感も少なくてすむ、理想的なダイエット法なのです。

◎夕食後の「最低30分の散歩」が理想的な運動

デスクワークの人が退社時に感じている肉体疲労はうっ血によるものなので、夜にウォーキング程度の軽い運動をすると、血流がよくなるのでかえって疲れがとれるのです。

夜運動したのとしないのでは、したほうが眠りの質がよくなるという結果が出ています。さらに夜運動すると、首の痛みや肩凝り、腰痛なども大きく軽減されることもわかりました。これらは、全身の末梢血管の血流がよくなることによる副産物でした。とくに肩凝りには劇的といってもいいほどの効果があります。

このように夜の運動にはいろいろなメリットがありますが、なかでも夜運動する最大のメリットは、習慣化しやすいということです。

◎怒りの80%はただの自己満足にすぎない

「おまえのためを思って怒っているんだ」という人がいますが、本当に心から相手のためを思って怒ることができているのは親が子どもを叱るときぐらいです。そうしたときの怒り方は、決して人を傷つけることはありません。実際、優れた教育者は人を導くときに決して怒鳴りつけるようなことはしません。厳しい言葉を使っていても、それは叱責というより優しく諭すような口調で語られます。相手に、自分の何が悪かったのかを理解させることが目的だからです。

特別な場合の怒りは別ですが、私たちが日常生活のなかで感じる「怒り」に関していえば、人前で怒鳴りつけるような怒り方をするのは、怒るほうの「自己満足」にすぎないのです。

人前で怒らなければならない理由などどこにもありません。もし本当に相手のためを思うなら、ほかの人のいない別室に呼んで怒ればいいのです。人前で怒るというのは、怒っている自分を、あるいは怒られている相手を周囲の人たちに見せつけているだけです。そんなことをしてもいいことは何もありません。

相手が素直に反省できないのはもちろんですが、怒った自分自身もスッキリするどころか、不快な気分になるだけです。

コメント
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