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(4点/5点満点)
この本は、PBRとは何か、PBRを向上させるには何をすればよいか、企業のケースを見ながら解説しています。
PBRは企業の純資産に対して株式時価総額が何倍あるかを表わし、PBR1倍未満は市場から「価値を創出できていない」と評価されていることを示しています。
2023年12月時点の東証プライム市場の44.4%(736社)の企業がPBR1倍割れとのこと。
本書ではPBRをROEとPERに分解して課題を探る手法を基本にしていますが、これとは異なる視点を使った分析手法もあると思います。
また、ESGは実践・開示の有無から、企業価値という結果を重視する段階に入ってきており、非財務の取組みをPBRにつなげていくという意識が必要だと理解しました。
企業価値を上げるために経営者が知っておくべきPBR。
これまで会計や財務に無縁だった方でも、PBRのポイントが分かり、PBR向上に役立てられる1冊です。
【my pick-up】
◎サステナ・ESGの向上は株主資本コストを下げる
株主資本コストは、サステナビリティの強化によって抑制する。コンコルディアFG(横浜銀行等を傘下に持つ金融グループ)の澤田氏は「ESG評価の向上は、株主資本コストを引き下げる効果がある」と話し、ESG格付けの向上に力を入れる。
◎ROE8%でPBRは急上昇
ROEが8%を下回っているときは、PBRは1~1.5倍程度でほぼ一定である。一方、ROEが8%を超えると、PBRは右肩上がりになる。ROE8%がPBR向上の分岐点となるのはなぜか。それは、投資家が「ROEが8%を超えれば株式投資をしてもよい」と考えるからである。株主資本コストは企業によって異なるが、日本の主要企業は8%程度である。ROEが8%を超えた企業は、投資家が求めるリターン以上の利益を稼ぎ出しているとして、投資対象となる。「企業にとってROE8%がハードルレート(最低限必要な収益率)と言える。企業がPBRを1倍超に上げていくためには、まずはROEを8%に高めるべき」(ニッセイアセットマネジメントの吉野氏)。ROEは収益向上や自社株買いなど、企業自身の努力によって高めることができる。投資家が低ROEの企業を見ると、「経営者は株主に利益を還元する意思がないのか」などと思う。