日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

グラミン銀行のこと

2008-06-13 07:16:26 | 日本語の授業
 今日はいい天気ですね。「五月晴れとはこのことか」です。旧暦に則っての生活を取り戻そうという動きもあるそうで、こういうお天気を見ると、それも宜なるかなと思ってしまいます。

 ところで、この日曜日はもう留学生試験ですね。留学生試験の「記述」の指導をするたびに思い出すことがあります。

 これも、南からの学生の言葉です。

 教室で、輸出入に関して説明しているとき、話がODAのことに及びました。すると、彼が「あげたい人がいて、もらいたい人がいる。それだけの話じゃないか。あげたいだけだろ」と言ったのです。

 南の自立とか、「施しはいけない。対等なチャンスをつくることを考えるべきだ」とか日本では言われているのですが、当のその国の人達の頭にはそんなことなんてあまり浮かんでいないようなのです。日本に来てすでに一年ほど経とうとしているものですらそうなのですから。

 それも、一つのきっかけだったと思います。第三世界といわれる国から来た学生には、「口を開けて待っている」だけの状態で日本語を学ぼうとする学生には、最初、自覚を持たせるために、とことん追い詰めるようになったのは。

 何年か前に、グラミン銀行の特集をNHKで見たことがありました。学校のシリーズでしたから、ごらんになった方も多いでしょう。アミンさんが「外国の人が会ったこともない私たちのために働いて、こんなに援助をしてくれている。私たちが、がんばらないのはおかしいでしょう」と高校生に自覚させるシーンがありました。

 おかしな話ですが、前の学生のあんな言葉があったものですから、本当に感動してしましました。

 日本語学校では、日本語を教えるだけではいけない(不十分だと思います)し、かといって日本人の考え方の押しつけでもいけない。しかも、相手がどう考えているか予測付かないこともある。そのときは付け焼き刃的な対処で終わってしまうこともある。
 
 けれども、そういうことがあったと覚えていて、どういうやり方をとったらいいのかを常に頭の片隅にでもおいておく。そうすれば、思いもよらないときに、それぞれの教師にあったやり方が見つけ出せるものです。

 学生は変わりますからね。教師ができることは、引き出しを増やしておくことだけです。それから無理をしないということ。難しいことですが、教師の型ができると、学生の方であわせてくれるようになります。勿論、型といっても融通の利かないものは問題ですが。

 これは授業や、あるいは授業という形はとらないけれども、教室内でどうしたらいいかということです。あえて、指導をいう言葉は用いませんが。

 留学生試験に参加する皆さん、

 がんばって下さいね。特に、来日後まだ一年も経っていない皆さん、練習です。本番は11月だから、それほどできなくても、気を落とさないで下さい。

 とにかく、今ある力を出し切ることを考えて。応援していますからね。

 それから、何かあったら、近くにいる先生方に聞いて下さい。誰もいないようだったら、学校に連絡するように。
 
 とはいうものの、いい結果を楽しみにしています。
                     日々是好日


 
コメント
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