日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

カラスのこと

2008-06-24 07:38:48 | 日本語の授業
 この学校は、東西線の行徳駅が最寄り駅なのですが、日本橋まで20分、東京駅まで30分と、非常に交通の便がいい上に、東京都から一川越えたところにありますから、物価も安いのです。

 ここに住む人の中には、近くにある野鳥の森に、惹かれる人もいれば、ディズニーランドが近い所がいいという人もいます。埋め立て地なので、坂も少なく、自転車で行き来が楽にできます。ただ自転車道に乗り上げている車が目立つところが困りものですが、そこはみんなスーイスーイと避けて走っています。

 こう聞くと、「ふんふん。なかなかいいところのようだな」とお思いでしょう。確かにいいところなのですが、実は4月5月とカラスに悩まされていました。

 朝学校に着くと、一番先に耳にするのは「カアー」でなければ、「ギャア」というカラスの声。若い先生の話によると、何でも近くにボス鴉がいるとのことで、公園の一番高い木のところで睨みを効かせている(?)らしいのです。

 そういえば、一度近くの小学校の桜の木の枝に、鴉と猫がにらみ合っているのを見かけたことがありました。「オー」とそのまま自転車で通り過ぎてしまったのですが、桜の花が咲く前でしたから、一匹と一羽の表情までよく見えました。どうも猫の方が分が悪そうでした。

 ところが、5月の終わり頃から、ウグイスやらその他の小鳥たちの囀りが聞こえるようになったのです。今では「カラスさん、あなたはどこへ行ったの」の世界です。姿もほとんど見かけませんし、「ギャア」も「カア」もカラスを連想させるものは全くありません。何でも、カラスを多く見かけたのは、彼らが子育てをしていたからなのだそうです。

 どちらにしても、「日本人はカラスが好きなのですか」という学生からの問いかけがなくなっただけ楽になります。カラスに対する気持ちというのは、「いわくいいがたい」ものがあります。「カラスの勘三郎さん」という言い方もありますし、「カラスの頭の良さを物語るもの」を日本人はよく耳にも目にもしています。悪声を憎む気持ちもありますし、あの姿を美しいと思う人もいないでしょうが、だからといって、不吉な鳥だと一言で片付けることもできません。

 しかし、最近は、美しい小鳥の声を耳にし、時々はかわいらしい小鳥が飛び回っているのを目にすることもあります。

 こうなると小鳥談義に花が咲きます。よく啼き声を聞かせてくれるウグイスはとても若い雄らしく、「ホーホケキョ、ケキョケキョケキョ…」が、まともに聞こえたためしがありません。それでも、少しずつそれらしくはなっているのですが、まだまだですね。

 こう言いながら学生の顔を見ると、ヒヤリングが少々劣っている学生は、「何を言っているのか」或いは「何を言いたいのであろう」とまじめな顔をしているのですが、ヒヤリングがいい学生は…、もうこんなのはだめですね。こういうときは、目を合わせない方がいいと処世術を心得ているので、話はそこで打ち切りです。

 今日は暑くなるそうですが、朝晩は涼しく、今も「涼しい」を通り越して、「肌寒い」くらいの風がカーテンを揺らしています。

 今日は、女性陣が「川村学園女子大学」へお邪魔します。日本語教師のタマゴさん達とディスカッションをするためです。残された初級の学生達と上級の男子学生は私の授業を受けることになります。「女子大だから、男子学生はだめなのだ」と言うと、「差別だ」と訳の分からないことを言っていましたが、もし行くことになったらどうするんでしょうね。教室に入っても、何も話せないでしょうね。座っているだけで役に立たないでしょうね、多分。だから、「君は行っても行かなくても同じ」とは、さすがの私も言えませんでしたが。
    日々是好日