柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

牛刀

2007-03-20 08:41:25 | Weblog
思い込みというのはひどいもので、このブログ連続して書き始めたのが去年の3月20日だったとばかり思っていて、ああやっと一年だと前を見返してみると、あらら3月10日だったわ、というお粗末。とまれ、一年書き続けられましたは、私のこの嫌らしいほどのしつこさが為せる業ではあるのですが、多くの方々に読んでいただける幸せが原動力でした。このような思想的に偏った、とんがったことしか言えぬ私ですが、今後もよろしくお付き合い下さいませ。
 船越英二、死亡の記事です。この人といえば「時間ですよ」でしょうねぇ、私達の世代から言えば。TVでは熱血先生の校長役のシーンを流していますが、おお水谷豊の若いことよ、この番組が教員ものの走りですよね(水谷豊が何通りかやって後に金八でしょう?)、こちらよりも時間ですよのイメージ強いですよね。声をひっくり返して「かあさん!」なんて目を剥いているシーン。かあさんが森光子で、堺正章の浅田美代子の天地真理の悠木千帆の、でしたね。懐かしいこと、そして人は死んでいくわけです。
 救急病院が減っているという記事です。医師不足はここまで深刻だ、という話になってます。救急病院という定義は、公に救急病院、救急診療所の届け出することなんです、救急車を受け容れますよという申し出です。救急専門の医者云々ではなく、医者が確保できなくなっているんでしょう。夜間の当直医を確保できないんでしょう。夜間に外科医の、心臓医の、脳外科医のを確保できないんです。私が一線の救急病院にいた頃には結構乱暴なことでしたが、交通事故でめちゃくちゃな患者さんも脳外科医がまず一人で対応する、そして応援を依頼する(応援といっても脳外科医です)、あるいは転送する。一応はできていましたが、最近はそこのハードルが高くなりすぎたんでしょうか。例えば少なくとも脳外科、整形外科、外科、心臓専門医、さらには小児科医が揃わなければ救急医療に応じてはならぬといった風潮。これは患者側の要求の膨張なのですが、こんな要求には町の夜間応急(救急)病院はとても応じられません。そんなに医者を揃えられません。医者が足りぬのではなく、人件費でパンクです。医学医療の進歩は、高額先端機器のあるなし、使える医者のいるいないでランクをつけていきます。もともと需要の少ないところで、少ない人手でなんとか地域の夜を守ってきた地方の基幹病院に、そんなとんでもない基準を被せようとします。鶏を割くには鶏用の刀、牛を割くには牛刀です。地方の救急病院が看板を下ろすには十分な条件が揃っています。まさに風前の灯火です。地方の医療が危ないです。
コメント
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