柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

平成

2019-04-30 09:31:40 | Weblog
平成大晦日。こういう表記(コピー)を見ました、なるほどね。今朝の読売のコボちゃん、爺さんがポチ袋用意してるギャグで落としてましたが、そういう気分ですね確かに。大晦日ですわ。どの新聞も当然ながら「ゆく年くる年」調です、今上天皇を称える記事に溢れます。もちろんここでも触れてきましたが、天皇による時の支配だと元号自体にケチつけたり、相変わらず天皇制反対を強調したり(そもそも民主主義とはそぐわぬことだとか、世襲に由来する権威と切り捨てたり、譲位に関しては天皇の人権と言い立てたりとあれこれです)するのは多いのです。朝日毎日は社説でコラムで囲み記事でチクチクやってました。そんな時は産経新聞が清涼剤です、ストレートに書きます。これだけお祭り気分で、それこそ新しい年を迎えるときのように国民皆が(皆じゃない!と言いたいのでしょうが)祝うている現実です。平成の改元の時と比べて、この好対照です。御代替わりを寿ぐ。この気分はいいですね。一代限りの譲位と法律上は定められているそうですが、最近の秋篠宮の放言(敢えてこう言いましょう)が左巻きたちの好餌となってます。曰く大嘗祭は税金の無駄だと、曰く兄貴(浩宮)が80になったら自分は75だ、そこで天皇は受けられぬとか。娘の結婚問題がこじれているのも遠因なのかと巷の雀たちに勘繰られてつまらぬことでしょうに、皇嗣(皇位継承第一位)に格上げされる前の不満の吐き出しとはいえ、聊か過ぎることで。当の浩宮は緊張してましょうねぇさすがに。今日までが親父の舞台、明日からはその全てが自分に回ってくるんですから。そしてマスコミの興味の対象は自分ではなく我が妻だと知ってましょうし。そう、皇太子妃に皇后の務めが果たせるのか?の一点です。もっと直截には美智子様の代わりができるのか?です。このハードルは、浩宮の数十倍高いはずです。適応障害のチョーチンのと言うてはおれないですからねぇ。
 平成を顧みて、賢兄賢姉にはいかが御感想ですか。私の世代は昭和で30年、平成で30年生きたことになりますが、人生の前後半という線引きでもあって、そう思うと御代替わりが人生の節目にちょうど当たる有難さです。令和は逝く時です(もちろん浩宮(次代天皇陛下)より先に死ぬという前提ですが。彼は私より2.3歳年下です)。平成に替わった時にはすでに三人の子がおりました、勤務医でした、32歳になってすぐでした。TVはどのチャンネルにしても同じトーンです、声を潜めてました。歌舞音曲という単語をこの時知りました。日本中が一斉に自粛モードに変わりました、あれこれのイベントが中止されてました。あの時長々と続いた国を挙げての強制的な自粛(という名の活動停滞)を厭われての今上天皇の玉音放送だったのでした。ご英断でしたね今考えてもそう思います。やれ法律違反だの、禁じられている政治行為だのという批判を撥いてそれを受けた安倍さんの英断でもあったわけですか。御代替わり。この単語にこそ日本の国柄(敢えて國體とは言いませんが)が表れているよう思います。今上天皇皇后両陛下を戴いたことを感謝し、有難く、かたじけなく思うことです。
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田舎

2019-04-29 07:53:36 | Weblog
静かに連休が始まりました。女房が誘ってくれて年に一度行くか行かぬかの広島へ出ました。下関は言うに及ばず、宇部や小郡、徳山からも今時は買い物には博多へ行く行動動線だそうです。もちろん新幹線のお蔭ですが、山大に行ってた奴は言うてましたからね、小倉で飲んで帰るって。県東部の者にはやはり広島です。広島なのですが、遠い。在来線乗ると90分です。この時間で広島から新大阪まで行けます。ですから皆知恵つけて、柳井から上へ向かうときは徳山に停まる「のぞみ」を使います、一旦下ってですから運賃は少し高いのですが、徳山までなら在来線で30分足らずですから。すみません、えらくローカルな話でした。広島まで車で行ってもやはり一時間はかかります。高速が通じてますが、高速に乗るまでが(最寄りのICまでが)40分かかるのです。こう改めて書くとどんな田舎なんだ?ですわ。で、広島。ここに来るとやはりまず人の多さです。どの市電も満員で走ってますし、行き交う人の多い事よと。田舎もん話にもう少しお付き合いください。そごう、福屋と広島を代表する老舗デパートへ行くわけです。あちこちの個々の店を知るのでもなく、調べるのでもなくです。これだけ楽器好きのくせに、広島の楽器屋を知りませんからね。ただの無精オヤジです。女房に引っ張られていくわけです。彼女は広島が行動範囲内ですから運転も市内に入ると交代です(私は高速担当)。デパートには行きつけの店があるのですが、これも他を見つけようという意欲がないだけです。年に一度行くか行かぬかですが、行ったら毎度同じ行動パターンです。ま、女房も年に一度なら付き合ってもくれるというわけで。こう改めて書いてみると、本当に面白くない爺ぃですなぁ。我ながら呆れることです。
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連休

2019-04-28 10:07:10 | Weblog
長の連休が始まりました。憂鬱です。そもそもどうしてこんなに休む要があるんだ?と思う者なのです。元々インドア派で休みだからといってあちこちに遊びに行く嗜好がなく(ですから3人の子たちは頻りに我が子を連れて外出している写真を送ってきます、反面教師ぶりを実感します)、だからやることがなくて仕事しようと選択肢そのものがないのです。かといって、仕事が好きで好きでというわけでもないです、この辺りが勝手なことですが。こんな話題でグダグダ書いてること自体が面白くない男であることを自白していることですから、いい歳した爺がどうしようもないのです。と、どう書き並べてもこのブルーな気分は変わりませぬ。トホホ。
 昨夕、たまたまBSで野球観てましたソフトバンク・日本ハム戦。千賀が投げるのを久しぶりに見ましたが全然違いますね素人目にも。日ハムはやっと中田の一発で零封免れるが精一杯の観でしたが、8・9回にハンカチ王子が敗戦処理で出てきたのでした。千賀よりももっと久しぶりにリアルに投球観ました。解説の大野が言うてました、肩を痛めた投手の投げ方ですね、高校時代のものとは違いますと。いやいや、それこそ素人目にも明らかでしたよ。グルンと大きく肩を回すように投げるんです。うまく表現できませんが、腕をしならせるのではなくて腕を伸ばしたまま体のねじりを使って投げる態。ああ、これじゃぁ。新潮か文春かがよく記事にしてるのです、いつ馘首になるか、どうしてクビにしない?との内容で。その都度、栗山さんの恩情だけだとなって、話は栗山さんの不可解という方に向くのですが、こりゃその通りだわ。よく使うなぁ(だから敗戦処理ですが)と思います。もっと若いのを使ってやればいいのに。もう客寄せパンダの効果も薄れてましょうにね。今更、何十億も稼いでいる田中マー君と比べる人もいません。人生いろいろ、という物語には格好の事例です、斎藤は高校三年生の夏が運気のピークだった、かたやの田中はもともとあった才能が後で開花したと。才能差の物語にもなりますね。俺、持ってるな。新庄とこの人のセリフとして有名になりましたが、言霊物語にもなるのです。大和は言霊の幸わう国だとの物語。堕ちた人、過去の栄光に縋る人を見る楽しみです、人が誰も持つ残酷性です。人の不幸は蜜の味なのです。もっとも彼が堕ちた過去の人とみずからを思っているかどうかはわからぬことですし、他人の人生をとやかく言挙げするは悪趣味ではありますが。
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連衡

2019-04-27 08:26:57 | Weblog
自由党を解党して小沢さんが国民民主党に入るんだそうです。自由党って何?なんですが他に誰がいた?デニーさんが沖縄県知事に転出した後にその議席は先日守ったことでしたが、国民民主党に入ったんでしたね。自由党って小沢さんだけで、しかしこのビッグネームです、国民民主党と立憲民主党との野党第一党争いの数合わせで社民党が立憲側に吸い込まれたらこっちも負けてられないと残りに手を出すしかない、話題にもなる。玉木さんの英断だったわけですが、さぞやの反対だったに違いないところ押し切った形。玉木さんあたりに御せる相手じゃないでしょうに、庇を貸して母屋を取られるを地で行くんじゃないでしょうかねぇ。それとももうそこまでのパワーはないか御大。新聞は壊し屋とプロレスのヒールのように囃しますが、確かにかつては剛腕の名を欲しいままにした人ですが、民主党を壊した後は相手にされてなかったことでした。どうなりましょうねぇ。選挙で野党が一つになって安倍さんと戦う、小選挙区制であれば一対一でやらねば票が割れて勝てませんから、その理屈は素人にもわかりますが、それができない。だから安倍さんが勝つ。勝手にやってろ合従連衡。でしょう。
 白鵬が年寄りになるために日本に帰化しようとしていることに対して天声人語がの噛みついてました。今時そんな時代遅れを‥という色です。指導力を国籍とは何の関係もない、と中学生でも言いそうな大正論を恥ずかしげもなく載せてます。そりゃそうだけど、こういう決まりなのよ。それで終わりでしょうにね。元号と言いこっちと言い、文句つけねば気が済まぬのでしょうな。ずっと言うてろ。
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性善

2019-04-26 08:23:45 | Weblog
コンビニ24時間争議(争議ほどじゃないですが)、本部側が折れて折れての解決方向です。単純に営業時間設定を個々に任せればいいことじゃないかと思うのですが、そうでもないようで。本部としても「上がり」を減らすは望まぬところ、何とかなだめすかして仕事させねばが基本でしょうし、オーナー側も本部の流通システム有らばこその品揃えですから拗ねてばかりもいられない。で、セルフレジという工夫を見ました。そこまでして深夜営業せねばならぬのですかね。閉めれば収入はゼロです、開ければ何某かは入ります、その理屈はわかりますが、それが人件費や自らの体力に見合わぬからこういう事態なのでしょう、だからセルフレジだとするは、ちと安直じゃないですかと思うのです。セルフレジなんて横文字にするからいいもののように思いますが(それが目的ですが)当地でもよくある青空市場ですわね、ミカンや野菜を置いておいて買った(取った)分だけの代金をそばに置いた籠(箱)の中に入れてもらう、あれ。性善説に全面的に依拠する、日本人の道徳観・民度あればこその仕儀です、田舎でこそ成り立つことじゃないんですかねぇ。もちろん煌々と明かりのある中で多くの人の目があるところではレジでのズルはできぬかもしれませんが、レジ通さない万引きはし放題じゃないんでしょうかね。そして文化文明、民度、規範意識の全然違う移民(旅行客でない)が増えて来るんですよ。そこの被害をも想定計算しての策なのでしょうか。そんなことまでして開ける?

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発展

2019-04-25 08:23:48 | Weblog
ドローンが大型化して空飛ぶ車に。なるほどこうか。ドローンと聞くとリモコンで飛ばす小型のヘリコプターというイメージなのです、ラジコン愛好家の遊び道具。それにカメラ載せれば、それこそ本物のヘリや飛行機使うしかなかっただろう鳥瞰図(写真)が簡単に且つとんでもなく安価に撮れる利点ぐらいしかオヤジの頭では考えられなかったのでしたが、そうか大型化してバイクのような乗り物になるのか。TVでプロトタイプを紹介してましたが、ホバークラフトの感じですわ。あれが空を飛ぶ。なるほどなぁ。鉄腕アトムの世界になってきますねぇ。
 尼崎のJR大脱線死亡事故から14年だそうです。あれも大報道でしたね。例によって運転手の過失よりも時間厳守の縛りがきついの、シフトがどうの、過密ダイヤがどうのとJRが大叩きされてました。カーブを曲がり切れずに角のマンションだかに飛び込んで。あちこちから言いたい放題の批判が噴出してたこと覚えてますが、こんな場所にマンション(住処)建てるか?というあらぬ方向からの説を覚えてます。そもそも昔は線路際に住んでるのは普通じゃなかったなんて論でした。思い出しました。もう14年とは。
 有森さんQちゃんで有名な小出監督の死亡記事です。豪快且つ繊細というのが共通した評価のようです。中央になびかない実力者というイメージでしたがどうだったのでしょうか。指導者としての実績には皆が頭を下げることでしょう。合掌。
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宗教

2019-04-24 08:23:25 | Weblog
セブンイレブンの24時間営業騒動、オーナーに助っ人です。公取委が、本部が24時間営業の見直しを拒否したら独禁法に抵触するぞと脅しかけました。こりゃ強いですねぇ。今時の企業はコンプライアンス持ち出されたらヘナヘナですから。見直しを拒否した場合という表現が微妙なのですが、つまり見直せと言うことですからね。こうなると議員たちも右へ倣えです、ポリティカルコレクトネスに逆らう奴などいません。四面楚歌状態。「コンビニの生命線」が断たれますか。
 スリランカの復活祭を狙ったテロ、ISが犯行声明を出して、先のニュージーランドのムスリム爆破への報復行動だと。この辺り日本人には理解し難い宗教対立です。同じ一神教同士の不寛容がなせる事態だとよく解説されますが、こういう環境がないですから日本では。そう言うと、宗教がらみの事件が日本でなかったわけではない、一向一揆や信長の延暦寺焼き討ち、キリシタン弾圧を挙げるのですが、いやいや違いますよね。そもそも宗教対立じゃないですから。でも怖いですよね。で、今次の移民法の改正ですわ。キリスト教は日本では広まらなかったのですが、今にムスリムがわんさかやってきますよ。こっちが怖いでしょう、連中がコミュニティー作って対立し始めたら・・。対岸の火事じゃないですよ今後。
 
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深謀

2019-04-23 08:25:21 | Weblog
衆院補選に二つとも負けて、7月の参院選に合わせての解散総選挙に安倍さん打って出るかという流れです。併せて萩生田さんのあのアドバルーンは消費増税の再々度の延期に向けての布石だろうとか。安倍さんの改憲への情熱が冷めてなければ、衆参のねじれはおろか衆院での圧倒差は譲れぬところでしょう。そして、今増税したらダメだろうとは国民全員の思いでしょう。増税して社会保障や公共事業に投資して景気を持ち上げるなんて理屈が大ウソだってことは今までの増税の経験で皆知ってます。5%から8%に上げる前の駆け込み需要と上がった後の強烈な買い控えは景気を一気に冷やしてそのまま上がらなかったですからね。今回もそうなるに違いない事です。それに耐えるほど今の景気が良くないし、なんちゃらポイントとか軽減税率とか影響を小さくしようとあれこれ対策見せてますが、そんなにするならそもそも上げなけりゃいいじゃないかと共産党小池さんならずとも思うことで。だから引っ張るだけ引っ張っておいて、今回も法律を破って増税しません、これでいいでしょうか?と信を問う、のシナリオ。二つの補選は日本でも他に類のない特殊な地域の選挙です、負けてもそんな痛手にならぬでしょうし。でも、負けたから危機感を募らせてというポーズは作れます、その理由にはなります。増税再々延期をかけての解散選挙。まだ安倍さんの国際的地位の高い今が機でしょう。ダブル選挙、あるんじゃないですか。あれこれ準備してその上法律違反で申し訳ないけれど、状況鑑みて増税はしません、と頭を下げればいいんです。許してもらえますか?って。野党は反対できませんからねぇ。いわば自作自演。そんなに単純じゃないんでしょうかそれとも。
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公約

2019-04-22 08:26:32 | Weblog
当県周南市長選、女性候補の勝ちでした。宇部市に続いて二人目の女市長の誕生です。女市長なんて呼び方自体が長年続いてきた男女差別を示しているという謂いなのでしょうが、確かに男市長なんては言わない、男性候補なんてもわざわざに言わないです。クオータ制など女性の社会進出を促す風潮です、今次も行政組織の幹部(役付き)や議員に女性よ出でよ!の流れの中のことでした。もちろんそれだけで勝てるほど甘くはないことで、当人の資質が大事なのは言うまでもないこと、新市長は県議を長くトップ当選してきた実績を引っ提げての堂々の勝利でした、現職に一万票差をつけての圧勝でした。外野が無責任に評論するに、新市長の一つの明快な公約が効いたのでしょう。現職が、街おこしの意味でしょう、周南市を周にゃん市と読み替えてキャラバン組んで宣伝してたんです。猫のにゃんです。猫のイラストをちりばめて。え?周南市(徳山)って猫の街だったかい?唐突の感でしたよ、余所者が聴いても。全国あちこちでゆるキャラの名前や着ぐるみを大真面目に募集して作ってのトレンドです、それに棹差しての政策だったのでしょうが、反発も大きかったというわけです。新市長はすぐに廃止するときっぱり公約してました。それ以外の政策はきっと似たり寄ったりに違いないですからね(しっかり読んだのではないです)。これが第一の勝因だったんでしょう、何より分かり易いですよ。と、素人解説ですが、選挙の風っつうのはこんなことじゃないのでしょうか。
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国母

2019-04-21 10:10:01 | Weblog
マスコミの好きな「カウントダウン煽り」です。平成もあと十日だと。今上天皇と皇后さまの写真記事が頻りに新聞に載ります。学者の一面、昭和天皇との違い、云々かんぬん。30年の月日は長いです、特にお二人には老いゆく30年ですから映像上の変化が残酷です。沖縄訪問時の爆弾騒ぎ、ハンセン氏病施設への訪問、そして島原雲仙岳の大土石流に始まっての大災害の数々、そこここでお示しになったお二人のお姿は昭和天皇のそれとは大きく異なり、それはそれで非難の対象にもなったことでしたがしかし民草にはお心が十分に伝わり、陛下が事あるごとに言われる象徴天皇としての務めの具現を我々は見てきたわけです。そして皇后さまの存在の大きさです。史上初めて民間から皇室に入られて、当初はさぞやいじめに遭われたでありましょう。宮内庁は単純に役所でありましょうから家柄出自は問われないにしても、天皇様の日常はそれこそ奈良平安時代からの習わしでガチガチに固められておりましょう、大奥こそ存在せずともお付きの女官は遠く藤原の血筋をひく由緒正しき家柄の者(五摂家九精華の門閥です)が居並ぶのでしょう。どこの馬の骨?粉屋の娘風情が何を偉そうに。日常些事に亘るこまごましたしきたりをいちいち咎められ、知らぬを蔑まれ、排斥の圧力が常にかかる。いえ、見てきたような私の勝手な推測ですが、皇太子妃が適応障害になって公務に出られなくなってしまっているのはこの環境因が理由に違いないことでしょう。だから余計に皇后さまの「強さ」が際立ちます。昭和天皇は旧来の帝王学をそのままに体現されて、戦後の劇的な地位の変化にも習い性となるままに振舞われ、あの独特の喋り口は幼少時の私の耳にも異様ではありました。が、今上陛下はアメリカが作った憲法にある象徴天皇のモデルを作るべく常に意識されてこられたわけで、皇后さまも昭和の皇后様とは違う行動をなさってきた、それを咎めて週刊誌や女性誌が大バッシングを展開し言葉が出なくなるほどの心痛を負われたこともありました。皇太子妃がそれとは逆の、あまりに公務を放棄することに対して非難を受けているのは周知のとおりですが、「前職」との比較という点では同じ観点です。益荒男ぶりと手弱女ぶり。男と女の評価の一つですが、上品で知的で且つ嫋やかさを備えられた皇后様こそ国母という名にふさわしい「名君」であられたと思うことです。
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