ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

極上ブルゴーニュ「ルロワ」【余話】

2013-01-31 15:43:20 | ワイン&酒
極上ブルゴーニュ「ルロワ」40年を垂直&水平【前編】 (1972/1982)、 【後編】 (1992/2002)と紹介してきましたが、2002年あたりならまだしも、1971年代、1980年代のワインなんてなかなか買えないでしょう?と思った方、そう簡単に諦めてはいけません

1972年から40年にわたってルロワのワインを扱う 高島屋 では、オールドヴィンテージのワインを購入することができるのですから

私の手元にあるルロワのワインリストを見ると、メゾン・ルロワでは、1951年のラ・ロマネ(630,000円!)をはじめ、1957年、1961年、1967年、1969年、1970年代、1980年代、1990年代…と、いろいろあります。
※ドメーヌ・ルロワのワインは1988年からになります


Chambertin Grand Cru 1972 Maison Leroy
これは素晴らしかった!お値段も素晴らしいですが  (262,500円)

オールド・ヴィンテージワインは高価なものが多いですが、そこそこ手頃な価格帯のものもありますので、誕生年や記念日の年などを探してみるのもいいでしょう。
オールド・ヴィンテージワインの在庫には限りがありますので、お早めにどうぞ。



今回のテイスティングでは Pommard がとてもいい熟成をしていました。
価格と品質のバランスがよく、お買い得のアペラシオンのひとつだと思います。



ちなみに、ルロワで古いワインをリコルクする際の目安は“60年以上”で、その際には、同じ年のワインを6本開け、減った分を補てんして5本にまとめるようです。



そうそう、せっかく1972、1982、1992、2002とテイスティングしてきたので、40年の推移を並べて見てみましょう。


Pommard 1972と1982は1級EPENOTS、1992と2002はヴィラージュワイン


Chambertin Grand Cru 1972 1982 1992 2002 -やはり若いほど色調が濃厚になります

単純にポマールとシャンベルタンの色調を見ると、シャンベルタンの方が薄いですが、グラスの角度、グラスに残っているワインの量によっても色調や濃度の見え方が違ってきますので、注意が必要ですね。

ただ、色が薄いから味も薄い?というのは、あてはまりません。
年月を経て色褪せても、若い時代の色が濃厚でなくても、きちんとつくられたワインの味は決して薄いものではなく、ただ色が濃いだけのものより、フィネス、複雑さ、奥深さ、エレガンスなどの点で勝るものもありますからね。



今回の「ルロワ日本登場40周年記念テイスティング」(2012年秋)では、来日できなかったマダム・ルロワの代わりに、マダムの右腕の フレデリック・ロメール氏が、マダムの考えるルロワの世界を語ってくれました。



マダムの頭の中には、庭の中に花畑が色々あり、その中でワインを飲むように、ルロワのワインをさまざまなアペラシオンで彩り豊かに構成したい、という願いがあったそうです。

もちろん、多彩さだけではなく、その土地の個性をワインに表現することが重要、とマダムは考えています。

1988年、ルロワ社は、シャルル・ノエラの畑(17.5ha)を購入しました。
その他に、ルイ・レミーの畑も購入し(6ha)、ブルゴーニュの 26のアペラシオン のワインをつくることになりました。グラン・クリュ畑は9つあります。

それらの畑を ビオディナミ栽培 に転換し、妥協を許さないワインづくりを行ってきたドメーヌ・ルロワのワインは、今やマダムの花園で見事に咲き誇り、花々は、この先も長きにわたって咲き続けることでしょう。

「我々は、今すぐ飲むワインでなく、50年、60年と、辛抱強く待てるワインをつくっている。長熟の理由のひとつに、収量を抑えている ことがあると思う」と、ロメール氏は言います。

今回テイスティングした中で最も若い2002年がこれから40年後に1972年のようになっているかどうか?という問いに、
ロメール氏は「当然、違ってくる。2002年は今後30年、40年後にいいものになっていてほしいと願いながらベストをつくしてつくったし、今後はもっとうまくつくれると思っているから。じゃあ、また40年後にテイスティング会をしましょうか?(笑)」

40年後の比較テイスティング!それは興味深いですね
私も、そこまで長生きしていたら、またぜひとも参加したいものです


コメント
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