ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

米ニューヨーク州をはじめ世界のリースリングが集合!

2013-01-11 18:00:00 | ワイン&酒
昨夜は「Riesling Ring」の新年会があり、RR法人会員の方や関係者が集まり、そして当然、
リースリングワイン が集まりました。



リースリングワイン は、ブドウの母国ドイツをはじめ、世界各地でつくられていますが、昨夜の一番の注目を浴びていたのは、アメリカは ニューヨーク州 のリースリングでした

え?NY州でワインなんかつくっているの?と意外に思うかもしれませんが、NY州のワイン生産量は、カリフォルニア州、ワシントン州に次いで全米第3位。
日本であまり目にしないのは、東海岸であるため、船便での輸送が非常に困難(空輸するとコスト高!)だからでしょう。

NY州におけるブドウ栽培の歴史は17世紀中頃まで遡ります。
その頃、ニューヨークのマンハッタン島に、オランダ人によって初めてNY州にブドウが植えられました。アメリカ建国が1776年ですから、それよりも前なんですね。

はじまりはマンハッタン島でしたが、ワインづくりのルーツ&最も重要な地域は、州中央部の AVAフィンガー・レイクス です。
フィンガー・レイクスは、細長い指のように見える11の湖が集まっている地域で、NY州のワインの約85%がここで生産されています。

AVAフィンガー・レイクスで生産される主なワインは、スパークリング、リースリング、ピノ・ノワール、アイスワイン。冷涼な土地というのがわかります。

昨夜出会った2本のNYリースリングも、AVAフィンガー・レイクスのものでした。


Magdalena Vineyard Riesling Dry 2011 Hermann J. Wiemer
(米、NY州、AVA Seneca Lake)

Hermann J. Wiemer は、1960年代にドイツのベルンカステル(リースリングワインで有名なモーゼル地方の地区)からの移民です。つまり、彼は生粋のドイツ人。
その際に入った土地が、ニューヨーク州の中央部のフィンガー・レイクスでした。
ワイナリーの創立は1979年。

ミネラル感があり、果実味も豊かな辛口リースリングで、アルコールは12.8%。
これはおいしい!こんなにしっかりしたリースリングがNY州でつくられているんですね。
AVAセネカ・レイクはAVAフィンガー・レイクスに含まれますが、独立してAVA名を名乗れます。



Finger Lakes Dry Riesling 2011 Anthony Road (米、NY州、AVA Finger Lakes)

もう1本のリースリングは、NY州、ニュージャージー州出身の夫婦が1973年からYates Countyでブドウ栽培を開始し、 1990年にワイナリーを設立。
オーナー夫妻はアメリカ人ですが、ワインメーカーのJohannes Reinhardtがドイツ(フランケン地方)出身のドイツ人。なるほどね!
なお、栽培責任者は、オーナー夫妻の息子であるPeter Martiniが勤めています。


International Riesling Foundation による味わいのスケールが付いていました
残糖0.8% キリリとドライなリースリングです。

【参照】 International Riesling Foundation's Riesling Taste Profile
     http://drinkriesling.com/tastescale



その他の産地のリースリングをいくつか紹介しましょう


スペイン にもこんな素晴らしいリースリングが登場していました!
左の「EKAM」は骨格のしっかりした酸が素晴らしい~



左は セルビア 産、右は スロヴェニア
セルビアはハンガリーの南、ルーマニアの西に位置しますので、ワインがつくられているのは納得ですし、イタリアの東に位置するスロヴェニアはワインの消費量が世界のTOP10に入るほどワインをよく飲む国です。


そのほか、全部で40本以上のリースリングが集合しましたが、全部の写真を撮り切れなかったのが残念!



15年以上熟成したものや、スパークリング、甘口まで、多彩なリースリングが集まりました。

参加者の皆さん、ありがとうございました


コメント
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