ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

京菓子司 俵屋吉富の「雲龍」と「白雲龍」

2013-01-27 16:18:43 | 甘いもん
コンビニスウィーツ庶民派おやつ の後は、京都の老舗和菓子店の銘菓をお届けします


白雲龍 / 雲龍   京菓子司 俵屋吉富 (京都・室町)

和菓子ファンならよくご存じの“雲龍”(うんりゅう)は、宝暦五年(1755年)創業の老舗
「俵屋吉富」(たわらやよしとみ)の代表銘菓です。
今回は、自分へのご褒美&来客用のお茶菓子として用意しました。



“雲龍”は京都の相国寺にある 狩野洞春の“雲龍図” からインスピレーションを得た棹菓子で、丹波大納言小豆の小倉あん と、雲に見立てた蒸しそぼろ仕立ての村雨あん(餡と米粉を混ぜて蒸したもの)を絶妙なバランスで組み合わせています。


雲龍  1棹 425g 1365円 (半棹735円)

ぐるりと外側を包んでいるのが、村雨あんです。



大納言あずきの粒のひとつひとつの歯触りが感じられる小倉あんと、外側のしっとりとした村雨あんが一体感となって巻かれ、口の中でやさしく解れていきます。
甘さの加減も絶妙で、あんこ好き、和菓子好きにはたまらない極上菓子です。





“雲龍”のホワイトバージョンが “白雲龍”(しろうんりゅう) になります


白雲龍  1棹 425g 1575円 (半棹840円)

稀少な国内産の 白小豆(しろしょうず)を使った白小豆あんと蒸しそぼろ仕立ての白村雨あん を手巻きした棹菓子で、白龍が天空をかけめぐる姿を表しています。



口の中に入れたとたんに、すーっとなめらかに解けます。やさしく、まろやかで、繊細でエレガントな味わいで、力強さのある小倉あんの黒の雲龍に比べると、白の雲龍はフェミニンでたおやかに感じます。


端には 手亡豆(てぼまめ、白いんげん)が埋め込まれていました

黒と白、どちらも美味しい!
黒が有名ですが、白のおいしさを知ってしまうと、白も外せません。
ここは、やはり、黒白の2本セットにしたいですね (2本詰め合わせ3150円)

辰年は昨年でしたが、干支の縁起物や、辰年生まれの方への贈り物とすると喜ばれると思いますし、私のような和菓子好きの人には、いつ、どんな時でも喜ばれること間違いなしです



“雲龍”の生みの親は、7代目石原留次郎さんです。
実は、『俵屋吉富』の屋号を掲げたのが、1924年、この留次郎さんで、それまでは前身となる名前(澤屋播磨御菓子司、澤屋播磨一房など)で営業していたようです。

“雲龍”の誕生年を調べてみたのですが、大正7年(1918年)という年が出てくるも、1924年より前というのに疑問を感じました。
戦後初めて1951年に京都大丸で開催された京菓子展示会に出品した際、市長賞を受賞したという記録があったこと、その展示会には新作和菓子として出品したらしいことから、雲龍は1950年頃に生まれたのではないかと推測します。

京都の烏丸に、俵屋吉富が運営する「京菓子資料館」がありますので、真相を究明したい方、和菓子に興味のある方は、足を運んでみてはいかがでしょうか?

 ◆ 京菓子資料館 → http://www.kyogashi.co.jp/shiryokan/d-1-1.html



コメント (2)
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