ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ローカル品種の個性派スパークリングワイン

2013-01-24 18:26:51 | ワイン&酒
過日、ブルガリアのスパークリングワイン を見つけ、面白そう&お手軽プライス(1000円以下)だったので、買ってみました。


Mont Royal Aerated Sparkling Wine Brut NV Vinprom Yambol
(ブルガリア、ヤンボル)

ブルガリアの南東部、ヤンボル地方の Vinprom Yambol 社 がつくった発泡ワインです。ボトルの中央部がコロンとふくらんだ形が目を引きました。アルコール度数は12%。

ごく淡~い色で、透明感があります。泡は元気ですが、やや粗め。
控えめながら、ブドウそのままのチャーミングな香りがありますが、口にするとサラリとして非常に軽やかです。かなりサッパリとしたライトボディの辛口でした。もう少し果実の厚みと、しっかりした酸味があるとバランスが良くなると思いますが。暑い季節なら、また印象も違ってくるのかもしれませんが、少々物足りなさを感じました。



トラキア・ヴァレー産Dimiat、Rikat、Misket という、ローカルブドウ品種でつくられています。

Dimiat (ディミアット)は、ブルガリアの南部や東部で栽培されている固有品種で、品質、香りともに上質のワインを生み出します。

Rikat (リカット)は、Rkatsiteli(ルカツィテリ)と同一品種のようで、グルジア、モルドヴァ、ウクライナ、ブルガリアなどで栽培されています。高い糖度と酸度を特徴としています。

Misket (ミスケット)は、ブルガリアの固有品種。名前がマスカット、ミュスカと似ていますが、全く関係がなく、ディミアットとリースリングの交配品種で、ブドウそのままの香りが特徴です。

構成比はわかりませんが、リカットの特徴がもう少しよく出ると良かったでしょうか。



栓がコルクではなくプラスティック! 

スティルワインの栓に再利用できるかもしれません



1924年創業の「Vinprom Yambol 社」は、ブルガリアで最も古いワイナリーのひとつで、生産量も多く、海外にも多く輸出しています。
また、ワインの他、“ラキア”というブドウのブランデーの生産も有名です。

現在のブルガリアの地は、古い時代には“古代トラキア王国”と呼ばれ、ワインづくりの歴史もこの周辺一帯から始まったといわれています。

また、ブルガリアには ユニークな固有品種も多いので、他にはない個性的なワインを飲みたい人は、探してみると面白いのではないでしょうか。

【参考】ブルガリアの新世代ワイン → コチラ


コメント
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