先週のイタリアワインウィークは、“ソアーヴェ・ウィーク”でもありました(11/20~26)
期間中は、ヴェネト州の白ワイン ソアーヴェ(SOAVE) の魅力を伝えるさまざまなプロモーション(セミナー、テイスティング、試飲販売など)が、都内数箇所で開催されました。
ソアーヴェ というと、イタリアのライトな白ワイン、というイメージを持っている人が多いかと思いますし、私もワインを飲み始めた頃はそう思っていました。
ところが、十数年前にいくつかのソアーヴェ生産者との出会いで、ソアーヴェの印象が大きく変わりました。
ソアーヴェ、実は奥が深いんじゃない?
ソアーヴェには7000haのブドウ畑、約3000の生産者があり、ソアーヴェワイン生産量の80%以上に該当する5000万本以上が世界70カ国に輸出され、最も輸出量の多いイタリアの白ワインといわれています。これだけの量があると、玉石混交であることは否めません。
では、高品質でしっかりした味わいのソアーヴェを選ぶ秘訣は何でしょうか?
ちょうどソアーヴェ・ウィークのプロモーションで来日していたソアーヴェ生産者協会のアルトゥーロ・ストッケッティ会長に話を聞くことができましたので、紹介したいと思います。
Dr. Arturo Stocchetti Presidente del Consorzio Tutela Vini Soave
ストッケッティ会長いわく
「ソアーヴェの国内消費比率は16%。スーパーマーケットに並ぶソアーヴェは安くて手軽に買えるけれど、味わいもカジュアル。DOCソアーヴェがこのあたり。キリッと冷やして気軽に楽しむにはこのレベルでいいでしょう。しかし、しっかりとしたガストロノミーとともに楽しむソアーヴェなら、エノテカなどのワイン専門店に並ぶ中から探してください。リストランテなどでオンリストされているのもこのクラス。いいワインは、やはりある程度の価格のものになってきます」
ソアーヴェには、DOCソアーヴェ(/コッリ・スカリージェリ)、DOCソアーヴェ・クラッシコ、DOCGソアーヴェ・スペリーレ、DOCGレチョート・ディ・ソアーヴェ、という4つの格付があります(辛口は前3つ)。
2010年度の生産量を見ると、ソアーヴェが4250万本、クラッシコが1350万本、スペリーレが12万本と、かなり差があります。
DOCGスペリオーレは、収量、潜在アルコール度数、搾汁率、総酸度や、熟成年数などにおいて厳しい制限がありますので、このクラスになると、やはり品質の高いソアーヴェが期待できます。
なお、ここ近年の情報としては、
ソアーヴェでは、2008年に45の指定地域(マクロゾーン)と56のクリュが制定 されました。
(現在の指定地域は46になっています)
ソーアヴェでのブドウ栽培地域の区画分けプロジェクトは1995年に始まりました。
気候、土壌、勾配、方位、日照量などのほか、歴史的背景や景観といった要素も研究、分析の対象になり、長い年月をかけて56のクリュ制定となりました。
Soave Classico CARNIGA 2008 Cantina del Castello
ストッケッティ会長もワイン生産者で、「カンティーナ・デル・カステッロ」の当主。
自身のソアーヴェの中のトップキュヴェを紹介してくれました。
“CARNIGA”(カルニガ)がクリュ名で、単一畑となります。
土壌は石灰質で、畑は西に向いた斜面のため、正午から夕方まで陽射しがよく当たり、ブドウがよく成熟するとのこと。
口に含むと果実と酸の厚みがあり、骨格がしっかして飲みごたえがあります。
ソアーヴェには軽い前菜や魚介料理が合うといわれますが、鶏レバーのヴェネツィア風煮込みが非常によく合い、ここまでのレベルのソアーヴェになると肉料理もイケるのだと再発見しました。
樽を使ったようなボリューム感があるので尋ねてみると、
「かつて樽で熟成させていた時代があったが、今はステンレスタンクのみ。1年間シュル・リーを行い、瓶詰め後も1年間瓶熟させてから出荷しているので、他の生産者のワインよりヴィンテージが古く、熟成による複雑味が出ていると思う。ソアーヴェは若いうちに飲むワインといわれるが、私のこのワインは6~8年は熟成できる」とストッケッティ氏。
日本でのプライスを後日、調べてみると、輸入元希望小売価格は3,300円となっていました。
これは大いに納得。(輸入元:大榮産業株式会社)
スッキリ軽やかなソアーヴェもカジュアルに楽しめていいですが(冬なら鍋にも)、
しっかりした味わいのソーアヴェを見つけるなら、
■ DOCソアーヴェ・クラッシコ以上のもの
■ クリュ名表記があるもの
■ ある程度の価格帯のもの (3000円前後か?)
などが、ポイントになってくるでしょうか。
特に、2008年に制定された56クリュのワイン は個性を探るのに面白そうですし、要注目ですね。
【後編】に続きます
期間中は、ヴェネト州の白ワイン ソアーヴェ(SOAVE) の魅力を伝えるさまざまなプロモーション(セミナー、テイスティング、試飲販売など)が、都内数箇所で開催されました。
ソアーヴェ というと、イタリアのライトな白ワイン、というイメージを持っている人が多いかと思いますし、私もワインを飲み始めた頃はそう思っていました。
ところが、十数年前にいくつかのソアーヴェ生産者との出会いで、ソアーヴェの印象が大きく変わりました。
ソアーヴェ、実は奥が深いんじゃない?
ソアーヴェには7000haのブドウ畑、約3000の生産者があり、ソアーヴェワイン生産量の80%以上に該当する5000万本以上が世界70カ国に輸出され、最も輸出量の多いイタリアの白ワインといわれています。これだけの量があると、玉石混交であることは否めません。
では、高品質でしっかりした味わいのソアーヴェを選ぶ秘訣は何でしょうか?
ちょうどソアーヴェ・ウィークのプロモーションで来日していたソアーヴェ生産者協会のアルトゥーロ・ストッケッティ会長に話を聞くことができましたので、紹介したいと思います。
Dr. Arturo Stocchetti Presidente del Consorzio Tutela Vini Soave
ストッケッティ会長いわく
「ソアーヴェの国内消費比率は16%。スーパーマーケットに並ぶソアーヴェは安くて手軽に買えるけれど、味わいもカジュアル。DOCソアーヴェがこのあたり。キリッと冷やして気軽に楽しむにはこのレベルでいいでしょう。しかし、しっかりとしたガストロノミーとともに楽しむソアーヴェなら、エノテカなどのワイン専門店に並ぶ中から探してください。リストランテなどでオンリストされているのもこのクラス。いいワインは、やはりある程度の価格のものになってきます」
ソアーヴェには、DOCソアーヴェ(/コッリ・スカリージェリ)、DOCソアーヴェ・クラッシコ、DOCGソアーヴェ・スペリーレ、DOCGレチョート・ディ・ソアーヴェ、という4つの格付があります(辛口は前3つ)。
2010年度の生産量を見ると、ソアーヴェが4250万本、クラッシコが1350万本、スペリーレが12万本と、かなり差があります。
DOCGスペリオーレは、収量、潜在アルコール度数、搾汁率、総酸度や、熟成年数などにおいて厳しい制限がありますので、このクラスになると、やはり品質の高いソアーヴェが期待できます。
なお、ここ近年の情報としては、
ソアーヴェでは、2008年に45の指定地域(マクロゾーン)と56のクリュが制定 されました。
(現在の指定地域は46になっています)
ソーアヴェでのブドウ栽培地域の区画分けプロジェクトは1995年に始まりました。
気候、土壌、勾配、方位、日照量などのほか、歴史的背景や景観といった要素も研究、分析の対象になり、長い年月をかけて56のクリュ制定となりました。
Soave Classico CARNIGA 2008 Cantina del Castello
ストッケッティ会長もワイン生産者で、「カンティーナ・デル・カステッロ」の当主。
自身のソアーヴェの中のトップキュヴェを紹介してくれました。
“CARNIGA”(カルニガ)がクリュ名で、単一畑となります。
土壌は石灰質で、畑は西に向いた斜面のため、正午から夕方まで陽射しがよく当たり、ブドウがよく成熟するとのこと。
口に含むと果実と酸の厚みがあり、骨格がしっかして飲みごたえがあります。
ソアーヴェには軽い前菜や魚介料理が合うといわれますが、鶏レバーのヴェネツィア風煮込みが非常によく合い、ここまでのレベルのソアーヴェになると肉料理もイケるのだと再発見しました。
樽を使ったようなボリューム感があるので尋ねてみると、
「かつて樽で熟成させていた時代があったが、今はステンレスタンクのみ。1年間シュル・リーを行い、瓶詰め後も1年間瓶熟させてから出荷しているので、他の生産者のワインよりヴィンテージが古く、熟成による複雑味が出ていると思う。ソアーヴェは若いうちに飲むワインといわれるが、私のこのワインは6~8年は熟成できる」とストッケッティ氏。
日本でのプライスを後日、調べてみると、輸入元希望小売価格は3,300円となっていました。
これは大いに納得。(輸入元:大榮産業株式会社)
スッキリ軽やかなソアーヴェもカジュアルに楽しめていいですが(冬なら鍋にも)、
しっかりした味わいのソーアヴェを見つけるなら、
■ DOCソアーヴェ・クラッシコ以上のもの
■ クリュ名表記があるもの
■ ある程度の価格帯のもの (3000円前後か?)
などが、ポイントになってくるでしょうか。
特に、2008年に制定された56クリュのワイン は個性を探るのに面白そうですし、要注目ですね。
【後編】に続きます