拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

終わったらかまぼこ

2012-12-31 11:16:15 | インポート
例年の大晦日は、いいワイン買って、普段は絶対買わないような刺身とウニと肉を買って、で、紅白を見る……だったのですが、今回は、ベートーヴェンの交響曲9曲を全曲聴きに行きます。指揮は炎のコ○○ン(別に伏せなくてもいいのに)。1時に始まって11時に終わるって、間にご飯タイムが入るのかな。通しだと6時間くらいだから。ご飯タイムなんかもらったって私は食べません(食べたら、飲む。飲んで聴くと100%寝る。)。終わった頃には食べ物屋さんもスーパーも閉まってるだろうから、かまぼこを食べます。では、みなさん、良いお年を!

ベートーヴェンが結婚してたら……

2012-12-31 00:04:37 | インポート
前にテレビにベートーヴェンの弟の子孫のご婦人(Frau Beethoven)が登場し、「わが祖先(の兄)のベートーヴェンは、女性にもてた」と証言。身内の身びいきかと思いましたが、先日のBSの特集でも「もてた」と。ふーむ。もてる、ということであって、ハンサムということではない……か。前にドイツのボンのベートーヴェンの生家に行って(自分のドイツ語がどのくらい通用するかの武者修行旅だった。各都市のInformationではしっかり通じ、特にケルンのInformationでは、Japanerはみんな英語を話すのにあなたは上手なドイツ語を話す、と言われ、相当自信がついて、で、ボンのInformationで紹介された民宿に行って(宿は、町に着いてから探すのがドイツ旅の醍醐味)、で、宿の主人(Wirtin)と話したらこれがさーっぱりこんこん。「Verstehen Sie mich?」(あなた、私の言ってること分かる?)という屈辱の台詞を浴びて。おまけに、町に遊びに行って夜遅くなったらこのカギで自分で開けて入ってね、って、そのカギの使い方がちんぷんかんぷん。実はケルンやボンといったライン地方はかなり方言がきつい。得意になった後、かなりへこみました。閑話休題、ベートーヴェン・ハウスの話に戻る。)、外からだとちっさいプレートが貼ってある扉が重そうにしまってる。入れないのかと思ったら、横から、入れますよって言ってドイツ人が入っていって、私もついて入ったら、中庭が広がっていて、そこは夢にまで見たベートーヴェンの世界。生家にはデスマスクがあって、やっぱりヨーロッパ人だから顔は小さい、そして、やーーーっぱり怖そう。で、冒頭の話に戻る。もてはしたけど、ハンサムではなく、結婚はしなかった。それで良かったんじゃないですか?ベートーヴェン先生、毎日入れるコーヒーの豆粒は1個1個数えて、お買い物メモも、甘口ワイン何本、辛口ワイン何本とこまかい。興がのると大声でわめいて、水をかぶって大家さんに叱られる。で、惚れた相手は貴族のお嬢様だって言うんだから、結婚生活、ぜーーーーったいうまくいくわけない(なーんて、人のこと言えるかって……)。

ファフナー殺しの裁判は紛糾

2012-12-30 10:53:39 | インポート
ジークフリートによるファフナー殺しについて、するどいコメントをいただきました。ファフナーは、巨人が大蛇に化けていたのですが、もし、ジークフリートが相手を大蛇だと信じていたら強盗殺人罪が成立するか?というご質問。大蛇だと信じていたら、「人間を殺す」の「人間」の認識がないし、「人の占有を奪う」ことの認識もないので、強盗殺人罪は成立しません。そこで、事実の見直し(歌詞のチェック)をしてみたら、ジークフリートは、ファフナーに対して「Bist du ein Tier,das zum Sprechen taugt?」(お前は話ができる獣か?)と聞いてます。すると、人間とは思ってなかったかもしれない。検察側とすれば、相手が話ができると分かった時点で人間であるとの認識を持った、少なくても、「人間かも知れない」との認識はあった、「でもいいや」でやったんだから未必の故意が認められる、と主張するでしょう。この点がクリアーされても、もう一つ問題浮上。ジークフリートがファフナーを人間であると認識していても、お宝(指輪を含む)の存在は、ファフナーを殺した後に森の小鳥から教えられて(ソー、ドミレー)気づいたっぽい(森の小鳥の証言)。で、あれば、強盗殺人の故意は認められませんので、殺人罪と窃盗罪の併合罪ということになります(死者の占有があるかという論点がからみますが、死後すぐ奪ってますので、これは問題ないでしょう)。争点が絞られました。争点1:ジークフリートはファフナーを人間であると認識していたか?争点2:ジークフリートは、お宝の存在をいつ認識したか?裁判所の認定によっては「強盗殺人罪」「殺人罪+窃盗罪」「無罪」のいずれもあり得ます。殺人罪が成立する場合でも、ファフナーが食ってやるぞー、と迫ってきたので正当防衛の可能性がある(そもそもジークフリートが挑発してますが、自招侵害に対しても正当防衛の可能性はある。)。殺人罪が無理の場合でも、注意をこらせば人と認識できたって言うんなら、過失致死罪の可能性もある。

神々の長からしてこれだから

2012-12-29 23:39:04 | インポート
姦通罪のことを言うんだったら、ジークフリートの両親(ジークムントとジークリンデ)は姦通罪ど真ん中。ジークリンデは人妻(夫はフンディング)ですから。怒ったフンディング(Hund(犬)をもじった名前。ヴァーグナーは、犬は嫌いか?)は結婚の神様のフリッカに直訴。で、あれやこれやで(中途省略)ジークムントは死ぬはめになる。けど、そもそも物語の中で、一番姦通罪に問われるべきなのは、フリッカの夫の神々の長ヴォータン(神々の長だから、指揮権発動で罪には問われない)。他所に作った子供の数は、物語の中だけでもヴァルキューレ9人と、ジークムントとジークリンデの11人。あらためて、すさまじいオペラだ。殺人、強盗、不倫のオンパレード。こういう物語に感動してていいんでしょうか(なーんて今更いってもしょうがない。毒が全身に回ってんだから)。昔、マディソン郡の橋って映画がはやったとき、某超有名芸能人のお兄さんが、「だって、これ不倫の話でしょ。そんなの好きじゃない」ってばっさり切って捨ててた。そういうご立派な方もいらっしゃるんですねー。

ジークフリートにもう一つ犯罪成立

2012-12-29 22:46:27 | インポート
指輪では他にも殺人事件があった。こびと族でアルベリヒの弟のミーメは、赤ん坊の時から育てたジークフリートの殺害計画を立て、眠り薬を作ってジークフリートに飲ませて殺そうとしますが、内心をべらべらしゃべちゃって(映画「ロード・オブ・ザ・リング」にそっくりなシーンがあります。)、企みがばれ、逆にジークフリートに殺されます(育ての親子間での殺人劇。おぞましや)。この場合に成立する犯罪についての検討。まず、ミーメ。眠り薬を作る行為は殺人予備罪にあたる。ただし、殺人の着手はないので、殺人未遂罪は成立しません。もし、ミーメが作ったのが毒薬だったら、これをジークフリートに飲まそうとした時点で着手ありとの評価も可能かも知れません。対して、ジークフリート。ジークフリートの弁護人は正当防衛を主張したいところです。正当防衛が成立するためには、「急迫不正の侵害」が必要。しかし、ミーメが眠り薬を飲まそうとした行為が急迫不正の侵害にあたるとは思えない。だって、単に飲まなきゃいいだけですから。したがって、ジークフリートには、ミーメ殺しの殺人罪が成立します。既にファフナーに対する強盗殺人罪が成立してる(この点、後日疑義が生じました。30日の記事参照)。これらは併合罪です。

ジークフリートに姦通罪(あったとして)が成立するか

2012-12-29 16:19:57 | インポート
ブリュンヒルデが可哀想だ、というコメントをいただきました。そもそもブリュンヒルデがハーゲンにジークフリートの弱点を漏らしたのは、夫であるジークフリートが浮気をしたと思ってかっとなったから。では、かりに姦通罪があったとして(韓国にはあるそうな)、ジークフリートに姦通罪が成立するか?構成要件は、「配偶者がある者が配偶者以外の者と姦淫を行う」であり、「配偶者」とは婚姻届出をした者であるとしましょう。成立しません。理由1:ブリュンヒルデとジークフリートは事実婚であり、婚姻届を出してない(岩山でいきなり同棲を始めた。ちなみに、ジークフリートは、岩山の火を超えるとそこにブリュンヒルデが眠っていると小鳥に教えられ(ソー、ドミレー。ドードードードーラレド。)起こしにいきます。にもかかわらず岩山で寝ているブリュンヒルデの鎧をはいだら女性が出てきて「Kein Mann!」(男じゃない)とびっくりするのは変。分かってたんじゃないの?冗談音楽のホフヌング音楽祭では、ここ「Kein Weib」(女じゃない)と歌って爆笑を誘います。長い括弧終わり。)。また、事実婚に類推適用をすることもできません。被告人に不利益に刑法の条文を類推適用することは、罪刑法定主義から許されません。理由2:姦通罪は故意犯であるところ、ジークフリートはグートルーネの薬ですっかり昔のことを忘れてしまってて、自分が既婚者であることを覚えていません。すると、構成要件中「配偶者のある者」の認識に欠けますから、故意を認定することはできません。

指輪の登場人物に成立する犯罪(強盗殺人罪目白押し)

2012-12-29 14:11:01 | インポート
今年、バイロイトのFM放送に指輪は入ってないけど、WOWOWではメトの、NHKBSではスカラ座のジークフリートを放送してくれて。スカラ座の方に出てたライアンは期待のヘルデン・テナー(皆さんは、ジークフリートの第1幕、「ノートゥング、ノートゥング」とゆっくり歌う部分と、「ホホー、ホホー、ホハイー」と歌う部分とどっちがお好きですか?ルネ・コロは、日本でやったソロ・リサイタルのアンコールで後者を歌って観衆のどぎもを抜きました。)。それにしても、指輪は悪人ばっかり。最初、ラインの乙女(男をからかう相当な性悪)から黄金を奪ったアルベリヒは窃盗罪。アルベリヒが黄金を加工して作った指輪を強奪したヴォータンは強盗罪。ヴォータンから指輪を受け取ったファゾルトとファフナー……これは取引だから犯罪は不成立か(指輪をよこさなければフライアを返さないと脅したので恐喝罪の可能性はあり)。仲間割れを起こしてファゾルトを殺して指輪を独り占めにしたファフナーに強盗殺人罪が成立するか。共同占有の侵害が奪取罪でいうところの占有侵害にあたるかが論点。答:あたる。だから強盗殺人罪成立。ファフナーを殺して指輪を手中にしたジークフリートは、これは明らかな強盗殺人罪(この点、後日疑義が生じました。30日の記事参照)。指輪を奪うためジークフリートを殺したハーゲンはどうか?ブリュンヒルデが現れて指輪の奪取には失敗したけど殺人は既遂なんで、強盗殺人罪の既遂犯が成立。そのブリュンヒルデ、ハーゲンにジークフリートの弱点を教えたので殺人罪の幇助罪の成否が問題となる。私は、幇助の意思はなかったようなので不成立と考えます(かっとなって言っちゃったって感じ)。もし幇助の意思があった場合でも強盗幇助の認識はなかったから、殺人罪の幇助罪どまりでハーゲンの強盗殺人罪の幇助にはなりません。

ヒエッ、ヒエッ

2012-12-29 11:04:47 | インポート
昨日は(本物の)第九鑑賞。オケと合唱、とっても良かった。ソリストはでこぼこ。バリトン独唱は立派(体格がそのまま声になったよう)。テナーは、美声なんだけど声量が……と思ったら案の定、行進曲のところで合唱がかぶったら指輪の最後のハーゲン状態(昨日のブログ参照)。それに比べてソプラノはよく通る声で合唱を突き抜けて聞こえてきましたが最後の四重唱のHから降りたFisが低くて残念(ここが決まらないと現代音楽になる、と以前書きました。)。合唱の中には知人がいて、最前列で目立ってました。彼(テナー)が日頃、「バスの連中は、高音をテナーにまかせときゃーいいものを、下手に出すからFで声がひっくり返る」と言っていて、ほんとに、あちらこちらでヒエッ、ヒエッってひっくり返ってて、面白かった。いろいろ書きましたが、熱演。拍手するとき、べとっ、べとっ(手にびっしょり汗をかいてました。自分が歌ったわけじゃないのに)。拍手の中、指揮者がオケを向いて、ソリストも定位置に戻って、おろっ、第九のアンコール?あとにも先にも私が学生のときだけ、と書いたばかりなのに、と思ったら、蛍の光。会場真っ暗になってペンライトが光って、紅白歌合戦のようでした。

豪遊ではなく剛勇の士ハーゲン

2012-12-28 10:34:23 | インポート
ハーゲン(ちゃんと「ン」を言わないとやばいです。昔、Peter Hageというドイツ人テナーがいました。)と言えば、「剛勇の士」。以下は、ヴァーグナーのニーベルングの指輪の話。ハーゲンは、ジークフリートの指輪を横取りしようとたくらみ、ジークフリートの弱点である背中を槍で突いて殺す。剛勇の士なのにずるい。それを見ていた仲間達、「Hagen,was tust du?」(ハーゲン、何をするんだ?)。数秒遅れでハーゲンの異母兄弟のグンターが、「Hagen,was tatest du?」(ハーゲン、何をしたんだ?)。数秒違っただけでもう過去形になるんだ、と変な感心の仕方。そこへブリュンヒルデが現れジークフリートの妻はあたしよっと高らかに宣言(あのー、そもそも逆上してジークフリートの弱点をハーゲンに教えたのは、あなたじゃござんせんでした?その反省は……(おだまりっ)へへー、すんませんでしたー)。上演に4日かかる指輪の最後にブリュンヒルデが長大なアリア(ブリュンヒルデの自己犠牲)を歌って締める……ではないんですねー。最後の最後に歌うのは剛勇の士ハーゲン。「Zurueck vom Ring!」(指輪からどけっ)。CDでは聴けますが、生の舞台では、ここんとこオケが大音量で鳴ってるからまず聞こえません。歴代のハーゲン、みんなむきになって吠えますが、なんか言った?って具合。もっとひどいと、いたの?

お里が知れるでしょ!

2012-12-27 10:29:50 | インポート
5日たったおにぎりで胃腸が不調になったので、6日たったやつを食べる勇気はなく、廃棄。落ちた物は拾って食えと育てられた私、食べ物を捨てるなんて断腸の思い(食べたら別の意味で断腸の思い)。それにしても、ひどい教育だった。うちの猫にはそんな野蛮な教育はしないぞ。ドライフードが容器からこぼれて床に散らかったらすぐ撤去。と、ところが、お嬢様たち、素早い。ころがる一粒に脱兎(脱猫?)のごとく突進して食す。だめだよー、お嬢様なんだからー(お里が知れるでしょっ)。でも、少々ばっちい方が免疫ができていいという話も(医学者が書いてた)。5日たったおにぎりで不調ですんだのは野蛮な教育のおかげか。昨日はニャンコ会。主役は働き盛りの若き司法書士の先生達。結婚話も出たりして、いいなー、青い春は。春ははるか昔に過ぎ去った私は、すみっこでひたすら飲食。会の名前がかろうじて私を思い出させる。ワンコ会なんて名前にはさせないぞ!

貧乏の証し

2012-12-26 11:21:43 | インポート
私がプライベートでいかにも貧乏そうな格好をしているのは貧乏だからです。だから、当分CDは買うまいと心に決めていたのに、あーそれなのに、ヴァーグナーのオペラの全集(又は準全集)を3セットも買ってしまった。だって、安いんだもん。全集(又は準全集)だから40枚前後入ってて、5,6千円。私が子供の頃、ヴァーグナーのオペラのレコードってったら少なくても3枚組で、多いやつは5枚組。1枚2000円だから、高いやつは1万円。もっぱらカタログで、ジャケットの写真を見るのみ。音経験はもっぱらFMでバイロイトのライブを聴くのみ(おーっ、忘れてたー。今もやってるFMのバイロイト、年末の放送だったー。間に合うか?ほっ。今日からだった。ブログは書いてみるもんだ。)。それが、全集で昔の1曲分以下だってんだから。破格値にとびつくのも貧乏人の特性。弁当や総菜も半額になってるやつ見ると買い占めざるを得ない。昨日は5日たったおにぎりを食べて胃腸は不調(韻を踏んでるわけではない)。ヴァーグナーのCDの話に戻って。既にもってるやつと重なるのも多い。じゃ、なぜ買ったか?まず1セット目。すべての歌詞のダウンロードサービスが付いてたから。2セット目。コロ(こないだカラと書いたのはコロのこと)とベーレンスのコンビの指輪が入ってたから。3セット目。ヤノフスキの指輪(ルチア・ポップがヴォークリンデ。LPがあるけど針飛びがある。)が入ってたから。ふー。こんな特集が組まれるのも来年ヴァーグナー生誕200年だから。もう勘弁してね。おろっと。ヴェルディも生誕200年だった。やばっ。

Die Aehnlichkeit zwischen "die 9te." und "Hollaender"

2012-12-25 11:12:29 | インポート
Der Beginn der Ouvertuere von Wagners "Der Fliegende Hollaender" ist aehnlich dem Beginn von Beethovens 9.Simphonie.Die Beiden beginnen mit dem Akkord ohne dem dritten Ton.Das erste Spiel ,das man in meinem Facebook hoeren kann,ist "Hollaender",und das naechste ist "9te".Den Anlass,diesen Versuch zu machen,gab mir Frau Kyoko Kai.Ich danke ihnen dafuer.Wagner hiess selbst "Der Nachfolger von Beethoven".Deshalb ist die Aehnlichkeit nicht ein Zufall,glaube ich.

第九と、さまよえるオランダ人の類似性

2012-12-25 10:56:36 | インポート
発表(この間のクイズの答)!ヴァーグナーのさまよえるオランダ人の序曲の冒頭は、ベートーヴェンの第九の冒頭とそっくり。最大の類似点は、弦楽器が、第3音を除いた和音をきざんで開始している点。音で比較してみるとこのことは明らかです(fbでの実演は、最初がオランダ人、後のが第九です。実験しようと思ったきっかけ。ラララクラシックの第九の実験についての私の記事に、甲斐京子さんが、オランダ人を連想した、とコメントを下さったこと)。スコア上は、第九は4分の2拍子でラとミを6連符できざむ。オランダ人は、4分の6拍子でレとラを8分音符できざむ。が、後者の3拍を1拍と数えれば同じです。楽器編成は、第九は第二ヴァイオリンとチェロできざむ。オランダ人は、ヴァイオリンとヴィオラできざむ。ともに、弦の一部がきざんで、それに管楽器がかぶさります。ともに、3小節目のアウフタクトからパッセージが入ります。違うのは、調。音量(第九はピアニッシモ、オランダ人はフォルテ)。かぶさる管楽器の数(第九はホルンだけ。オランダ人はたくさん)。ヴァーグナーは、ベートーヴェンの崇拝者で、それまで理解不能な曲とされていた第九を、初めて聴衆が受け入れられる形で演奏をした人。だから、両曲の類似は、偶然ではない、と考える次第です。



第九のソプラノのソロ

2012-12-24 10:19:38 | インポート
浅田真央選手、黒鳥のグラン・パ・ドゥ・ドゥーを使ってたんですねー(昨日の時点で知りませんでした)。でも、一人で滑ってるからパ・ドゥ・アン?第九はソロも合唱も音が高くて(アルトだけ低くてへこんでる感じ)。そんなかでも、大変なのは、ソリストが最後に歌う四重唱でしょうか。ソプラノは「♯ドー♯ファー♯ソー♯ラー、シーシ♯ファー、ファー」。シは2点シ。このシー(fluegelのflue)を、シーーとテヌートしてほしい。次のシ♯ファー(fluegelのgel)のシもたっぷり伸ばしてほしい(ボエームの冷たい手は、ハイCの後のBをいかにしっかり出すかで決まる(もちろんハイCをしっかり出すことが前提ですが))。最後の♯ファも大変です。ロ長調の第5音が一瞬にしてニ長調の第3音になります。きっちり音程を取らないと(他のパートももちろんですが)、現代音楽になっちゃいます。よく、現代音楽になったのを聴きます。最近CSで聴いたクラッシミラ・ストヤノヴァは、透明な声できちーっとした音程で素晴らしかった。私、「ヴァ」がつく女性歌手(東欧の人。この人はブルガリア)は、うまくて美声で好きです。大体、細い声の人が上手く歌いますが、ギネス・ジョーンズあたりの大歌手になると、あのでっかい声で、ここ、ちゃんと歌います(ビブラートはすごいけど。ところで、かのビルギット・ニルソンって第九を歌ったことあるんでしょうか?誰か教えて!)。第九の初演時のソプラノのヘンリエッテ・ゾンタークは当時18歳。ベートーヴェンは、相当鼻の下を伸ばしたらしい。初演時、ベートーヴェンが耳が聞こえないのをいいことにさぼって歌った歌手がいたって話ですが、ゾンターク嬢はどうだったのか?その後、有名な歌手になったそうですが。