拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ジークフリートに姦通罪(あったとして)が成立するか

2012-12-29 16:19:57 | インポート
ブリュンヒルデが可哀想だ、というコメントをいただきました。そもそもブリュンヒルデがハーゲンにジークフリートの弱点を漏らしたのは、夫であるジークフリートが浮気をしたと思ってかっとなったから。では、かりに姦通罪があったとして(韓国にはあるそうな)、ジークフリートに姦通罪が成立するか?構成要件は、「配偶者がある者が配偶者以外の者と姦淫を行う」であり、「配偶者」とは婚姻届出をした者であるとしましょう。成立しません。理由1:ブリュンヒルデとジークフリートは事実婚であり、婚姻届を出してない(岩山でいきなり同棲を始めた。ちなみに、ジークフリートは、岩山の火を超えるとそこにブリュンヒルデが眠っていると小鳥に教えられ(ソー、ドミレー。ドードードードーラレド。)起こしにいきます。にもかかわらず岩山で寝ているブリュンヒルデの鎧をはいだら女性が出てきて「Kein Mann!」(男じゃない)とびっくりするのは変。分かってたんじゃないの?冗談音楽のホフヌング音楽祭では、ここ「Kein Weib」(女じゃない)と歌って爆笑を誘います。長い括弧終わり。)。また、事実婚に類推適用をすることもできません。被告人に不利益に刑法の条文を類推適用することは、罪刑法定主義から許されません。理由2:姦通罪は故意犯であるところ、ジークフリートはグートルーネの薬ですっかり昔のことを忘れてしまってて、自分が既婚者であることを覚えていません。すると、構成要件中「配偶者のある者」の認識に欠けますから、故意を認定することはできません。

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