拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ご安心めされよ

2012-12-15 21:55:44 | インポート
その音だくさんの後宮(モーツァルトの後宮からの誘拐)の中でもとりわけ音があふれてるのがコンスタンツェの拷問のアリア。コロラトゥーラ好きの私としてはたまりません。あらゆる拷問に耐えてみせると歌うので拷問の歌なのですが、歌手にとっては難しいから拷問かも。映画「アマデウス」で、モーツァルトの愛人となるソプラノ歌手がサリエリからレッスンを受けてるシーンが劇場でこの歌を歌ってるシーンに切り替わる場面がある。秀逸。ドレミファソラシド……とか音階を歌ってるうちに、「シードレミファソラシ、シ、シ、シドー……」、おー、これこそ拷問のアリア!この後、3点Cを延々と伸ばします。最近、ディアナ・ダムラウがこのアリアを歌ってるビデオを観た。さすが、神様(グルベローヴァ)を除いては、現代最高のコロラトゥーラと目されるダムラウ。素晴らしい出来でしたが、3点C以上の声の透明さでは神様にかないません(なにせ、相手は神様ですから)。20年以上も前、当時入ってた合唱団の新年会がFさん宅で開かれた時、私、神様がこのアリアを歌ってるビデオを持って行って、みんなに聴かせた。びっくりするだろー、と思って。ところが、肝心の3点Cを伸ばす場面まで10分くらいかかる。そのうち、みんながおしゃべりを始めて。だ、だめだよー。で、私、Fさんに頼んでもう一回リピートしてもらって。結果は同じ。だって、何回リピートしたってそこにたどりつくまで10分かかるんだから。押し売りはだめ。くそー、すねてやる。ちなみに、コンスタンツェが、現代日本で「どんな拷問にも耐えてみせる」と息巻いても、わが国では憲法36条で拷問は禁止されてるからご安心めされよ、って言われちゃいます。

ネトレプコが借りてきた猫のよう

2012-12-15 09:58:50 | インポート
CSで、ペルゴレージの三つのオペラとスタバトマーテルを放送して。ペルゴレージの音楽はバランスがよくとってもきれい。これを聴いたあと、モーツァルトの後宮とかを聴くと、ヨーゼフ二世じゃありませんが、音が多いなー、と感じちゃいます。そのスタバトマーテルのソプラノはネトレプコ。第一曲のアルトとの二重唱、おろー?いまいち声がこない。勝手が違うって感じだぞ。借りてきた猫みたいになってる。第二曲のアリアで俄然張り切って。やっぱりオペラの人ですねー。ネトレプコ・ファンは、宗教曲でもこんなに歌えるんだ、と言うんでしょうが、私、まだちょっと、美形に対する嫉妬心……じゃないよね、あちらは女性なんだから……があって、批判的。相方のメゾのマリアンナ・ピッツォラート、こちらは声も歌い方も素晴らしかった。ヴィヴァルディやロッシーニのオペラをたくさん歌ってるらしい。だからだ。