テナーで参加させてもらったメサイアの公演が終わりました。音が高く、なんどか敵前逃亡を試みましたが、参加できてよかったでした。Vielen Dank zu euch allen（と、いきなり、親しげな二人称）。当日の私の最大の功績＝ワインのコルク抜きを持参し、コルクを開けたこと！
針飛び第九をスコア片手に文字通り毎日聴いたのですが、天上の音楽かと見まごう第３楽章（Ｅさんも奨めてらっしゃいます）の途中にファンファーレがある。金管がジャジャジャン（♭シシ♭ミ）。弦が続いてシャーーーー（♭ミ）。この金管部分、楽譜だとスタッカートなのにそうなってない。これはきっとベームとやらのせいだろう、カラヤンとやらならきっとちゃんとやってるに違いない。と、程なくカラヤンの第九のレコード（１９６２年録音）を買って、で、件の箇所。ジャジャジャーーーーーン。ひえー、スタッカートどころじゃない。思いっきりテヌートでした。そう、カラヤンの特徴の一つはテヌート。おんぼろ再生装置で聴くとめちゃうすっぺらで評判悪いですが、ＢＰＯの生だとすごい迫力です。この部分、楽譜通りスタッカートでやってるのは、現代オケでは、セル＝クリーブランドＯ。ジャジャジャッ。長い沈黙。シャーーーー。沈黙部分が重要なんだと先生は言いますが、いつもとあんまり違って、歯石をとった後にすーすーする感じ。ちなみに、セル＝クリーブランドＯの第九の弦楽器の美しさは半端じゃないと思います。きれいさでは一番だと思う。