拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

フィガロの離婚(か)

2013-01-31 15:53:05 | インポート
まだ、コリリアーノの幽霊、見てないんですが(EDベータで録って(ってことは、かなり昔)、DVDにダビングして、家のどっかに眠ってる。)、フィガロとスザンナの行く末が気になって(うそこけ、単なる野次馬だろ、それに、見出しは何だ?まるで東○ポじゃんか)。もし、タイトルどおりだったら、序曲はニ短調にしなければなりません。「レ♯ドレドレ」。おっ!最初だけだと、長調だか短調だか分かんないぞ。われわれはこの後「レ♯ドレミ♯ファミファソラ♯ソラソラ」と続くことを知ってるから最初から長調で聞いちゃいますが、ためしに、くらーい顔して、この世の終わりのような気分で、「レ♯ドレドレ」って歌ってみんしゃい。そしたら、「フィガロの離婚」になりますから。

フィガロとスザンナの行く末に暗雲?

2013-01-31 09:43:32 | インポート
フィガロの結婚の幕開きの二重唱の話に戻って。スザンナの「あたしが作ったこの帽子見てよ」に対してフィガロは「よく似合うよ」。これを延々と繰り返します。なぜ繰り返すのか。それは当時のオペラのアリアや重唱は同じ歌詞を繰り返すのが普通だったから。なーんて能書きを垂れるのは私のような普通の人。これを現代的な視点で捉えると、スザンナが何度も同じことを言うのはフィガロが上の空で、空返事を繰り返すから。ジャン・ピエール・ポネルの演出はそうなってます。恥ずかしながら、ポネル演出の有名な映像、大昔から何度も観てるのに、これに気づいたのはつい最近。だって(だっても明後日もない)、私にとって最重要なのは声だもんで。最高の歌を聴かせてくれるんだったら、舞台の真ん中で突っ立っててもいいわ(実際、コヴェントガーデンでアリアドネを歌ったマーガレット・プライスは、突っ立てた(何もしなかった)らしい。で、歌は素晴らしかったと。さて、フィガロとスザンナに戻って。この二人、こんな感じで先行き大丈夫なのでしょうか(なんて、人に言えた義理か)。そういえば、ボーマルシェ三部作の第三作(フィガロの結婚は第二作)では、伯爵夫人ロジーナはなんとケルビーノの子をみもごってしまうんだと。で、フィガロとスザンナはどうなったんだ?この第三作、誰かオペラにしてないのか?というか、原作を読めばすぐ分かる話だね。

ンーマッ(実写のサザエさんではありません)

2013-01-30 20:15:35 | インポート
フィガロの結婚の原作はボーマルシェの戯曲。前に文庫本で読んだ。よくも家来がここまでお殿様に辛辣なことを言えるな、という印象。同時代の日本では、家来がお殿様にお目通りするときはおでこを畳にすりつけて顔なんかおがめなかったんでしょ?フィガロみたいなこと言ったら即刻打ち首。モーツァルトのオペラでも相当角がとれてます。これ、ボーマルシェの三部作のうち第2作。第1作はセビリャの理髪師。だから、モーツァルトのフィガロとロッシーニのセビリャは順番が逆になってるわけ。二つのオペラ、共通なのはフィガロ。快活なバリトン。だから、ヘルマン・プライがどっちも得意にした。伯爵は変わりましたね。セビリャではテナーだったのに(例えば、フローレス)、フィガロではバリトン(例えば、フィッシャー・ディースカウ)。ロジーナは逆にメゾからソプラノに音が上がりました(セビリャのロジーナをグルベローヴァのようなハイ・ソプラノが歌うこともありますが)。それだけではない。ロジーナは性格が随分変わった。セビリャでのロジーナは元気一杯だったのに、伯爵夫人におさまった後のフィガロでは消極的で他人頼み。きばを抜かれたか。セビリャでのロジーナの歌う「Una voce poco fa」(今の歌声は)は、元気だった頃のロジーナの面目躍如。あたしは、大人しくて、優しくて……「ma」(だけど)、怒ると怖いわよ(超意訳)。この「ma」がいい!私の注目ポイント=歌手が「ma」をどう歌うか。「ンーマッ」とはじける人もいれば(実写のサザエさんか)、「マ」とこっそり歌う人もいる。ドイツ語なら「aber」じゃなくて「doch」の感じですね。音にも合う(dochは「否定の否定」に使う、と言われますが、「だけど」「そんでも」「いやまて」ってな感じでも使います。)。意味的には「jedoch」だろうけど、長くて音に合わない。英語は実際に訳をみたことがあって、「but」だった。

フィガロの二股疑惑(+そっち系疑惑)

2013-01-29 11:36:49 | インポート
有名作家さんが新聞に書いてる自叙伝、ある日の見出しは「浮気がばれた」。すわっ、奥さんにばれたのかと思ったら、愛人にばれたんだと。まるでフィガロの結婚の世界。ということで、フィガロの結婚。序曲(と書いたら、頭の中で、レ♯ドレドレと鳴り始めた。ジュークボックスみたいな頭だ)が終わり幕があいて、フィガロとスザンナの二重唱。スザンナが自分のために作った帽子が、スザンナの花婿(=フィガロ)の目にとてもきれいに見える、と歌うのですが、私の楽譜の歌詞がどうも変。フィガロが、「スザンナの花婿」(=自分)のことを「mio sposo」(私の花婿)と言ってる。スザンナが「mio sposo」というのは当然ですよ。なんで、自分が「mio sposo」なんだ?フィガロにはフィガロの花婿がいるのか?ってことは?えーーーーっ?二股疑惑?しかも、男に男の花婿ってそっち系?ワイドショーがとびつくようなこの疑惑、晴れました。楽譜のミス(tuo sposoが正しい。)。フア、フア、フア、フアフアフア……(しぼむ感じの擬音です)。

スープさん?

2013-01-28 11:30:50 | インポート
ワサビは私の両足の間(つまり、お股)で顔をこっち向きで寝てるから、朝、腰くらいまで布団をめくると目が合う。微妙な所で寝てるのがばれてきまずいらしく、そそくさと布団から出て行きます。昨日、BSで、ベルリン・フィルのジルヴェスター・コンサートをやっていて、バルトリ登場!相変わらず、食われちまいそうな迫力。メリスマの細かい1個1個の音が強力です。これは強靱な腹筋がもたらすものに違いない。もちろん、見えるわけではありませんが、あのあたりに詰まってるんだろうな、と思いながら見てる(どこ、見ながら聴いてるんじゃい!?だけど、真面目な話、ビキニ着て歌ってくれたらよく分かるのかなー)。ところで、コンサートのMCが、ドヴァルザーク(チェコ人)のことをドヴォルジャークと発音。小学生の頃、この人名にはいろんな発音がある、と聞いた。ドヴォルザーク、ドヴォルジャーク、ドヴォルシャック等々。MCはドイツ人だったから、ドイツ語ではドヴォルジャークなんだろうけど、どれが一番原語に近いんだろ?人名と言えば、オペレッタ作曲家のスッペ、綴りは「Suppe」(eの上にアクサンあり)。え?ドイツ語の「Suppe」はスープだぞ。この人、スープさんだったのけ?じゃ、イタリアではズッパか?いやいや、eの上のアクサンがくせ者。この方、オーストリア人ではあるけど、ベルギー出身なんだと。じゃ、フランス語かいな?フランス語で知ってる言葉(以下、こうもりの登場人物のように知ってる単語を羅列)、愛してる、こんにちは、こんばんは、ありがとう、醸造元詰、シャトー元詰め、原産地証明、もっとゆっくりしゃべって下さい……こんなもの。だから、スープさんの名前の意味、分かりません。誰か教えて。

おら……だど

2013-01-26 17:29:00 | インポート
「おら」が気に入ったんで、クイズ!次の曲はなんでしょう?(移動ド。括弧の中は階名ではありません。)ソードーラーソミーレミ(ヒヒーヒヒー)、レーレソーソミーレドーラド(キキーキキー)……。クイズとは全然関係ありませんが、イタリア語のオペラ(フィガロの結婚とか)に、頻繁に「ora」が出てきます。「io」の意味ではありませんから、念のため。「今」って意味ですが、語呂がいいのでよく使われてる感じ。

unsreの発音

2013-01-26 09:34:41 | インポート
ドイツ語の歌詞の「unsre」(unsereの省略形)の発音、これまで当たり前のように「ウ(オ)ンズレ」とsをzと濁って発音してきましたが、s(濁らない)ではないかとの見解が提出されて。で、私が所有する3種類の独和辞典で調べたら、いずれも発音記号は「z」、やっぱり濁ってた。そのうちの一つにはご丁寧に読み仮名もついてて「ウンズレ」。ただ、表記的には、濁らないというのも一理ある(sの後が子音)。ではなぜ濁るのか?「元がunsereである」ということは理由になりません。例えば、「beschaeftigen」の末尾は「ゲン」ですが、過去分詞(形容詞化している)の「beschaeftigt」の末尾は「ヒトゥ」。「zeigen」(ツァイゲン)も、命令形の「zeig」になると「ツァイク」です。じゃ、なぜか。こういう話が発音の解説書に書いてあった。「n+s」の場合、nで舌を歯茎の裏につけた後にsを濁らないで発音するのは困難である、と。やってみたら、ホントだ、どうしてもtsに近い破裂音になります。このせいかね、「unsre」が濁るのは。なお、先の「beschaeftigt」、ネイティブで「クトゥ」と発音する人は山ほどいます。ドイツ語は日本語ほど中央集権化してません。「おらがしゃべる言葉がドイツ語だべ」の世界です。私の独独辞典には「unsre」の発音記号なんか出てません。話言葉なんだから、「おら」たちにまかせておけばよかっぺ、って感じです。

バルバラ(野蛮ちゃん)

2013-01-25 10:44:23 | インポート
Kさんが、ポルポラの奥さんの名前はバルバラであるという仮説を立てられました(語呂がいいから?)。Barbara(バルバラ、英語のバーバラ)は欧米での一般的な女性名ですが、語源は野蛮人だそうで(英語のbarbarianがその系統だとか)。それがうかがえるのがコシ・ファン・トゥッテの歌詞。誘いに乗らずに出て行こうとする女(おっ、ツェリーナと比べて身持ちが堅い。でも、結局は誘惑されちゃう。だから、Cosi fan tutteなんて言われちゃうんだ)に対して男が「Barbara,perche fuggi?」。「Perche fuggi?」は「なぜ、行ってしまうのか」。さあ、「Barbara」をどう訳すか。あれー?この女の人、フィオルディリージのはずなのにいつからバーバラになったんだろー?はい、おとといおいで。「野蛮人、なぜ行ってしまうのか」。狼少年ケンか?(ボバンババンボン……)「つれない人、なぜ行ってしまうのか」。このあたりでしょうかね(Cosiには、他にも男が姉妹二人に対して「Barbare」と呼びかけるシーンがあります。)。あと、バルバラでもう一つ思い浮かんだこと。バッハのヨハネで、民衆が、「この者ではなくBarabamを」と叫ぶシーンがある。言葉、似てる。「Barabam」は悪い人だから、意味も似てる。関連性あんのかな?

bat meは危険

2013-01-24 21:48:44 | インポート
ぶって……をドイツ語にすると、こんな感じか(縦線は小説の区切りを表す)「Schlag mich,schlag mich o|lieber Masetto,|deine arme|Zerlina」。「batti」の原型「battere」はドイツ語の「schlagen」より英語の「bat」に似てるけど、果たして、英語だとどうなんだろう。「bat」には動詞の意味もあるらしいけど「bat me」だと痛そう。「beat」かなー(最近、Kさんは、ビートさんに階名じゃなくて改名されましたが)、すると「Beat me,beat me,oh dear Masetto」?ネットでこの文章で検索したらこの通り出てきたから合ってるみたい。ドイツ語の方がしゃきっとするね。ってぇか、元のイタリア語で歌えってか。いずれにせよ、頭ん中、「ドー♭シーラーソ」が鳴りっぱなし。

il mio povero Masetto(あたしのお馬鹿なマゼット)

2013-01-24 11:56:22 | インポート
修理に出してた電子辞書が戻ってきた。オプションでドイツ語やイタリア語の辞書も入れてあるんで、ないと不便。液晶とっかえだったら、この際、電子書籍に乗り換えようかなと思ってたらシャープさんが無償で直してくれたんで、浮気は未遂。同じく浮気未遂だったツェリーナ(既遂という説もある。その説を採る人は、オペラが始まってからドンナ・アンナとも、ドンナ・エルヴィーラとも既遂だと言う。某元大統領がドイツ出身の大女優と情事をなしとげるのに30分あれば十分だったとか。)の形容詞「povero(a)」には、「貧乏」「哀れ」のほか「愚かな」というのがあるらしい。これが一番つじつまが合いますかね。あたしが馬鹿だったの!馬鹿なあたしをぶって、ぶって!(検索でこの部分だけが表示されると、このサイト、ほんとに怪しくなる)。マゼットがほんとにぶったら「いたーーーいっ、なにすんのよ、DVよ、これっ」ってわめきそう。でも、気のいいマゼットは、ころっと騙されて許しちゃいます。あはは!愚かなのはマゼットだ!歌詞変えた方がいいんじゃない!「il mio povero Masetto」(あたしのお馬鹿なマゼット)に。

ポルポラ

2013-01-23 10:45:01 | インポート
昨日は山内房子さん(ソプラノ)のリサイタル。ポルポラの曲を中心としたプログラム。バッハやヘンデルと一歳違いのポルポラ、ロンドンでヘンデルとオペラ王としての覇権争いをしたという(当時、一大音楽市場だったロンドンはインターナショナル。ドイツ人のヘンデルとイタリア人のポルポラが活躍した。)。最近、私の中のポルポラ株が上がっていた矢先(えっ、ポルポラ株式会社って上場してた?って、そういう話ではない。念のため、「ポルポラ株式会社」と「株式会社ポルポラ」で検索をかけましたが、ありませんでした。)、とーっても楽しみだった。今回歌われたのは派手なオペラではなく宗教曲。しっとりと歌われました。私が以前、日本で最高のレオノーレ(フィデリオ)と書いたのは山内さん。終演後、「○○合唱団でご一緒してた飯島です。」とご挨拶(こんなすごい方と同じ合唱団にいたなんて光栄)、「覚えてますよ、マニアックな飯島さん」。おっ、これはほんとに覚えていて下さってたな。

話をすり替えたツェリーナ(貧乏なのは私)

2013-01-22 12:52:08 | インポート
正解は、「Batti,batti,o bel Masetto,la tua povera Zerina」。タイトルが答でした。ドン・ジョヴァンニについていこうとしたツェリーナが婚約者のマゼットに「あたしをぶって!」と言って謝る(ごまかす、話をすり替えるetc。このツェリーナ、そうとうなもんだ。第2幕ではマゼットに自分の胸を触らせて、ね?どきどきしてるでしょ?だって)。ところで、「ぶって、いとしいマゼット、あなたのpovero(a)なツェリーナを」の「povera」をどう訳すのがよいか。「貧乏なツェリーナ」はだめだ。貧乏なのは私。それに、貧乏人をぶったら踏んだり蹴ったりです。「哀れなツェリーナ」、これでしょう。だけど変。哀れなのは浮気されそうになったマゼットなのになんでツェリーナが哀れなんだ?だから言ってるんです、これは話のすり替えだと。

ばっちい、ばっちい

2013-01-22 11:03:45 | インポート
「ヤンモ」(イタリア語のandiamo(行きましょう)が基。フニクリフニクラに出てくる。)という言葉をもっと調べようと思って「ヤンモ」で検索すると、お店の名前とかがぞろぞろ出てくる。「ヤンモヤンモ」で検索すると、5番目にこのブログが出てくる(かわいー、かわいーが連呼されてて、一見、危ないサイト)。ヤンモとまではいかなくても、オペラでは「andiamo」の語尾の「o」はよく省略されて、アンディアン(ム)になります。ボエームで、ボヘミアンたちが街に繰りだそうというとき、みんなが「アンディアン、アンディアン、アンディアン」と言う(ロドルフォは、僕遅れて行く、と言って、そこにミミがきて、事の始まり)。ドン・ジョヴァンニがツェリーナを誘惑するときも「アンディアン」。そしたらツェリーナも婚約者(マゼット)がいながらアンディアン。うー、問題出すつもりなんてなかったんだけど、問題。あるアリア。ABA’の形式で、A’に戻ってくるとき、フルートが「ドーーレミファソラ|♭シドラシソラファソ|ミファレミドレ♭シド|ラ」と吹いて、最後のドレ♭シドんとこから歌が同じ音で入る。これ、シンプルなAの音型に装飾を施したもの。Aの音型での出題だと簡単すぎるんで。

ヤンモとゲンマ(私はまともです)

2013-01-21 00:15:21 | インポート
赤ワインをたらふく飲んだらひざに猫たちがきて、思わず鼻歌(フニクラフニクラのメロディーで)。「うちーーーのねーこはかーわいーいねー-、かわいーいいー(ちゅちゅーちゅちゅー)、かわーいいー(ちゅちゅーちゅちゅー)」(これを繰り返す。中略。ヤンモヤンモのところから)「かーわいー、かーわいー、うーちのーねこー、かーわいー、かーわいー、うーちのーねこ、かわーいい、かわーいい、かわーいい、かわーい(次、音が上がる)いー!とーおてもかーわいーいうーちのーねこっ(ジャジャン!)」フニクラフニクラの音にうまく乗りましたか?それより、お前大丈夫か?って。私はもともとこういう人間です。「ヤンモ、ヤンモ」ってandiamo(行きましょう)が訛ったのかな?と思ったらそうだって。ちなみに、南ドイツで、行きましょうの「Gehen wir!」は「ゲンマ」になる。これは興味深い。同じような意味で、共になまったら似た感じになる。「ヤンモ」と「ゲンマ」。フニクラフニクラを「ゲンマ、ゲンマ」で歌ったらどうだろう?