拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

豪遊ではなく剛勇の士ハーゲン

2012-12-28 10:34:23 | インポート
ハーゲン(ちゃんと「ン」を言わないとやばいです。昔、Peter Hageというドイツ人テナーがいました。)と言えば、「剛勇の士」。以下は、ヴァーグナーのニーベルングの指輪の話。ハーゲンは、ジークフリートの指輪を横取りしようとたくらみ、ジークフリートの弱点である背中を槍で突いて殺す。剛勇の士なのにずるい。それを見ていた仲間達、「Hagen,was tust du?」(ハーゲン、何をするんだ?)。数秒遅れでハーゲンの異母兄弟のグンターが、「Hagen,was tatest du?」(ハーゲン、何をしたんだ?)。数秒違っただけでもう過去形になるんだ、と変な感心の仕方。そこへブリュンヒルデが現れジークフリートの妻はあたしよっと高らかに宣言(あのー、そもそも逆上してジークフリートの弱点をハーゲンに教えたのは、あなたじゃござんせんでした?その反省は……(おだまりっ)へへー、すんませんでしたー)。上演に4日かかる指輪の最後にブリュンヒルデが長大なアリア(ブリュンヒルデの自己犠牲)を歌って締める……ではないんですねー。最後の最後に歌うのは剛勇の士ハーゲン。「Zurueck vom Ring!」(指輪からどけっ)。CDでは聴けますが、生の舞台では、ここんとこオケが大音量で鳴ってるからまず聞こえません。歴代のハーゲン、みんなむきになって吠えますが、なんか言った?って具合。もっとひどいと、いたの?