拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ファフナー殺しの裁判は紛糾

2012-12-30 10:53:39 | インポート
ジークフリートによるファフナー殺しについて、するどいコメントをいただきました。ファフナーは、巨人が大蛇に化けていたのですが、もし、ジークフリートが相手を大蛇だと信じていたら強盗殺人罪が成立するか?というご質問。大蛇だと信じていたら、「人間を殺す」の「人間」の認識がないし、「人の占有を奪う」ことの認識もないので、強盗殺人罪は成立しません。そこで、事実の見直し(歌詞のチェック)をしてみたら、ジークフリートは、ファフナーに対して「Bist du ein Tier,das zum Sprechen taugt?」(お前は話ができる獣か?)と聞いてます。すると、人間とは思ってなかったかもしれない。検察側とすれば、相手が話ができると分かった時点で人間であるとの認識を持った、少なくても、「人間かも知れない」との認識はあった、「でもいいや」でやったんだから未必の故意が認められる、と主張するでしょう。この点がクリアーされても、もう一つ問題浮上。ジークフリートがファフナーを人間であると認識していても、お宝(指輪を含む)の存在は、ファフナーを殺した後に森の小鳥から教えられて(ソー、ドミレー)気づいたっぽい(森の小鳥の証言)。で、あれば、強盗殺人の故意は認められませんので、殺人罪と窃盗罪の併合罪ということになります(死者の占有があるかという論点がからみますが、死後すぐ奪ってますので、これは問題ないでしょう)。争点が絞られました。争点1:ジークフリートはファフナーを人間であると認識していたか?争点2:ジークフリートは、お宝の存在をいつ認識したか?裁判所の認定によっては「強盗殺人罪」「殺人罪+窃盗罪」「無罪」のいずれもあり得ます。殺人罪が成立する場合でも、ファフナーが食ってやるぞー、と迫ってきたので正当防衛の可能性がある(そもそもジークフリートが挑発してますが、自招侵害に対しても正当防衛の可能性はある。)。殺人罪が無理の場合でも、注意をこらせば人と認識できたって言うんなら、過失致死罪の可能性もある。