前にテレビにベートーヴェンの弟の子孫のご婦人(Frau Beethoven)が登場し、「わが祖先(の兄)のベートーヴェンは、女性にもてた」と証言。身内の身びいきかと思いましたが、先日のBSの特集でも「もてた」と。ふーむ。もてる、ということであって、ハンサムということではない……か。前にドイツのボンのベートーヴェンの生家に行って(自分のドイツ語がどのくらい通用するかの武者修行旅だった。各都市のInformationではしっかり通じ、特にケルンのInformationでは、Japanerはみんな英語を話すのにあなたは上手なドイツ語を話す、と言われ、相当自信がついて、で、ボンのInformationで紹介された民宿に行って(宿は、町に着いてから探すのがドイツ旅の醍醐味)、で、宿の主人(Wirtin)と話したらこれがさーっぱりこんこん。「Verstehen Sie mich?」(あなた、私の言ってること分かる?)という屈辱の台詞を浴びて。おまけに、町に遊びに行って夜遅くなったらこのカギで自分で開けて入ってね、って、そのカギの使い方がちんぷんかんぷん。実はケルンやボンといったライン地方はかなり方言がきつい。得意になった後、かなりへこみました。閑話休題、ベートーヴェン・ハウスの話に戻る。)、外からだとちっさいプレートが貼ってある扉が重そうにしまってる。入れないのかと思ったら、横から、入れますよって言ってドイツ人が入っていって、私もついて入ったら、中庭が広がっていて、そこは夢にまで見たベートーヴェンの世界。生家にはデスマスクがあって、やっぱりヨーロッパ人だから顔は小さい、そして、やーーーっぱり怖そう。で、冒頭の話に戻る。もてはしたけど、ハンサムではなく、結婚はしなかった。それで良かったんじゃないですか?ベートーヴェン先生、毎日入れるコーヒーの豆粒は1個1個数えて、お買い物メモも、甘口ワイン何本、辛口ワイン何本とこまかい。興がのると大声でわめいて、水をかぶって大家さんに叱られる。で、惚れた相手は貴族のお嬢様だって言うんだから、結婚生活、ぜーーーーったいうまくいくわけない(なーんて、人のこと言えるかって……)。
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