拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

粉もの男子

2014-05-31 14:48:02 | グルメ

「粉もの男子」(粉をこねてパスタやピザを作って人に振る舞う)がはやってるんだと。おお、私は昔そうだった。復活宣言!ということで、デュラム・セモリナ粉を用意し(写真2枚目)、こねて(1枚目)今冷蔵庫で寝かせてる最中。この後の作業は明日の予定。

でかい声(ゲーナ・ディミトローヴァ、キャロル・ヴァネス)

2014-05-31 11:14:59 | 音楽
でかい声の歌手の話をしたので、その続き。ギネス・ジョーンズの話はさんざっぱら書いたので他の人。30年位前だったか音楽雑誌に、スカラ座にものすごいトゥーランドットが現れた、という記事が出た。その名は、ゲーナ・ディミトローヴァ。記事は、その声を「怒声、猛声」と評していた(この表現、インパクト大ありで今でも覚えてる)。で、ほどなくしてNHKが3チャンネル(古い!今のEテレ)でヴェローナのトゥーランドットを放送。そのときタイトル・ロールを演じたのがディミトローヴァ!NHKは、結構旬な歌手を見つけてくる。放送日が引越の日と重ねって、荷物の中で見たんだった。「怒声、猛声」とはよくいった。「猛声」の字は、まず「猛獣」と変換してから「獣」をとって「声」をつけてるんだけど、まさに猛獣のいななき(食われそう)。とか言っても決してがなってるのではない(Schreierではない)。間違いなく「美声」でした。次の日熱が出たのはこの声を聴いたからか引越の疲れがでたからかは分からない。ディミトローヴァはこの映像が最高だったなー。その後、生でトゥーランドット、アビガイーレ(ナブッコ)、それからサントリー・ホールでかぶりつきでソロ・コンサートも聴きましたが、いずれもりきんでた。実は、生で聴いたトゥーランドット(のアリア)で圧倒されたのはキャロル・ヴァネス。この人は、メトがキャスリーン・バトルを立てて日本でフィガロの結婚をやったときの伯爵夫人。世の中、バトルのことばかりでしたが、私は、ヴァネスとトーマス・ハンプソン(伯爵を歌った。この時日本では無名。その後ビッグネームになった。)がよかったんで、ヴァネスのソロ・リサイタルに行ったわけ。びっくりした。美声だとは思ってたけど(だからファンになった)、こんなにでかい声だったなんて。だから、私にとっての「でかい声」はトップがギネス・ジョーンズ、2番がキャロル・ヴァネス

録音では捉えられない空気の振動

2014-05-31 08:23:13 | 音楽
フィッシャー・ディースカウの最後の日本でのリート・リサイタル(私は会場で聴いた)、テレビで見た知人は声が衰えてるとネガティヴ。でも、会場では声が空気にしみ渡っていく感じでとても感動した。こういう感じは録音では捉えられない。グルベローヴァのルチアの狂乱の場だって、カバティーナの最後の3点Esの前に2点Bを長く伸ばしてトリルをつける。このトリルが会場の空気をふるわす。これも録音では再現は無理。カラヤン&ベルリン・フィルのテヌートもレコードで聴くとたら~ん、会場ではずしーん。逆に、未熟な録音技術が功を奏する場合もある。フルトヴェングラー&ベルリン・フィルの神がかり的な音(1947年の運命とか)は、当時の未熟な録音がもたらした産物の気もする。

まっこと歌は生で聴かなきゃ分からない

2014-05-30 10:18:20 | 音楽
まっこと歌は生で聴いてみないと真価が分からない。生で聴いて印象が変わった例を以下徒然に。ルチア・ポップ。聴く前:上手で可愛い♥ 聴いた後:加えて声がでかい。マーラーの「一千人」の大音響の中で声が通ってきた。思えば、ギネス・ジョーンズのマルシャリンに一歩も引けをとらずにゾフィーを歌ってたんだからな。そのギネス・ジョーンズ。聴く前:ビブラートが大きくて大味。聴いた後:ジョーンズ砲が命中して粉砕、一生ついていきます!ドミンゴ。聴く前:二枚目で女性に人気(やっかみ)。聴いた後(デズデ~モナッ):男も惚れる。フィッシャー・ディースカウ。聴く前:鼻声。聴いた後:神様。同じくペーター・シュライアーもマタイのエヴァンゲリストの最初の一声「Da Jesus」の「Je」で私にとっての神様になった。さて再びグルベローヴァ。前のブログに書いたコンサートの次の来日んときのコンサート、オーチャード・ホールの最上階でたっぷり堪能した私は終演後舞台のかぶりつきに移動。ご尊顔を間近で拝むため。そしたらいきなり歌い始めた。え?なに?ものすごい音量と迫力。一瞬ドラマティック・ソプラノの曲かと思った。そしたら第1曲で歌った「麗しい光」(ロッシーニのセミラーミデより)。かぶりつきの迫力おそるべし。私の目前で右へ左へとレーザー・ビームが発射されてるようだった。

「おーほっほっほっ」(グルベローヴァの花から花へ)

2014-05-29 13:34:52 | 音楽
(承前)そのグルベローヴァの日本で初めてのソロ・コンサートでは他にルチアの狂乱の場やハムレット(トーマ)の狂乱の場も歌われた。後者は最後に3点Eがある。そりゃー、夜の女王は3点Fですがあっちはぴんポイント。こっちは長ーく伸ばすからインパクトが違う(実は、楽譜ではこっちもピンポイント)。そんななかで、特に印象深かったのは、椿姫の「ああ、そはかの人か~花から花へ」。しっとりと「そはかの人か」を歌った後、「follie,follie」((真面目な恋をすることなど)馬鹿だわ)と言って「Gioire!」(楽しみましょ!)とコロラトゥーラで歌う。この中に3点Dsがあって、楽譜では一瞬なんだけど、例によってグルベローヴァはこれでもかと伸ばす。で、「Ha,ha,ha,ha,ha」と高らかに笑って「花から花へ」へ移る。聴いてるこっちはもうノックアウト。なのに攻撃はやまない。この後、いったんアルフレードの三拍子の歌が入って、で、もう一度「Follie~Gioire!」がくる。アルフレードを打ち消すように今度は一層攻撃的。ダウンしてる私に容赦ないパンチを繰り出し(反則)、最後は3点Esをえいやっと伸ばしておしまい。数年後、グルベローヴァのヴィオレッタで椿姫全曲を聴くことができました。ところで、さっきの「Ha,ha,ha,ha,ha」は台本にない。どう訳せばいいんだろ?「はーはっはっはっ」(オヤジっぽい)「おーほっほっほっ」(オカマっぽい)「ひやーひゃっひゃっひゃっ」(下品)「いーひっひっひっ」(もっと下品)

グルベローヴァの「今の歌声は」

2014-05-28 17:58:58 | 音楽
(承前)その「Una voce poco fa」(今の歌声は)こそ、私が初めてグルベローヴァを生で聴いたときの曲。1980年の初来日の時は私は大学4年で就活中で聴かなかった。で、ショルティ指揮のディスクでグルベローヴァのツェルビネッタを聴いて驚嘆し(彦摩呂風に「声のジェットコースターや~」)、早く生で聴きたいと思ってたら待ちに待ったソロ・コンサート(1987年だったか)。ところが悪い噂(衰えの噂)が聞こえてくる。あの故黒田恭一さんですら魔笛のビデオのライナーノートに「花の命は短い(が、このビデオではまだ大丈夫)」なんてことを書いていた。「オペラファンにとってのグルベローヴァは猫にとってのまたたび」と大名言を吐かれた黒田さんですら、この時点ではグルベローヴァが60代でなおコロラトゥーラを歌う未来など想像されなかったのだろう(当然)。で、コンサート当日。東京文化会館の5階の正面1列目に陣取る。始まりました。「ちゃらん、ちゃら~ん」(ソ、ラーシド~)そう、ご存じ「今の歌声は」のイントロ。ほとんどの歌手はソロ・コンサートで1曲目にオケだけの曲をおきますが(んなもんだから、どんだけ「運命の力」序曲、「マノンレスコー」間奏曲を聴いてきたことだろう)、グルベローヴァは1曲目から歌う(かなり後になってオケの曲を置くようになった)。で、イントロが終わっていよいよ歌が始まる。「ウーナ・ヴォーチェ・ポーコ・ファー……」深い声色でそろ~と始まったその歌は次の瞬間「スィー、リンド~~~~ロ」でいきなり別世界にワープ(一緒に連れてかれた)。その後、装飾音をめまいがするほどつけた導入部が終わって、ふと我に帰った私、隣の席にいた連れに、こんなに汗びっしょり、と手をにぎらせた。いや~、期待を上回るどころの話ではなかった。すごすぎた(続く)。

完璧主義のグルベローヴァ

2014-05-28 10:20:59 | 音楽
狂乱の場と言えばドニゼッティのルチア、ルチアと言えばグルベローヴァ。オペラやソロ・コンサートで何度も聴かせていただきました。グルベローヴァは、ツェルビネッタとルチアは毎回120%で歌えると自信を持ってた。ところが日本での最後のソロ・コンサートで歌った狂乱の場、カバティーナの最後の高音が……ほんの微妙に……上がれ~上がれ~(私らファンの祈り)。よかった、万雷の拍手!ブーイングするようなあんぽんたんは皆無。もしいたら土牢にぶちこんでやった(官兵衛か。ちなみに、高校の社会の先生が、上野の西郷さんの銅像の近くで西郷さんの悪口を言ったら身体に危険が及ぶと言ってた)。なんてったって、この時(3年前)グルベローヴァは60代半ば(私と同じ干支で一回り上で同じ誕生日(自慢)だから歳はすぐ計算できる。)。だったら120%が115%になったところで驚異には違いない。その昔、サザーランドが50代でルチアを歌ったビデオを観て驚嘆しましたがそれどころではない。でも、一番不満だったのは完璧主義のご本人だったろう。その翌年、オペラをやったのに(これが最後の来日公演になった)ソロ・コンサートをやらなかったのはご本人の意向だと私は勝手に思ってる。ちょっと前に遡るがこういうこともあった。その時のソロ・コンサートはベルカントの女王ものばっかり並べたもの。ところがアンコールはがらりと変わって「Una voce poco fa」(ロジーナ)。ここで三点Fがかすってしまった。当たり前だ、こんなに重い役ばっかり歌った後だもん、空前絶後のディーヴァでも無理ってもんだ。そしたら次の公演日では最初からFを封印してた。完璧主義だなー、と思った私でした(続く)。

まずそうでもジャンルは「グルメ」

2014-05-27 23:10:36 | グルメ

今日の料理は特別なものはないけれど、いろいろあって結構色彩豊か。こっちのブログに移ってからジャンルを付けることになった。一般的には「グルメ」は「美食」だろうが、私的には、料理は全部「グルベ(ローヴァ)」じゃなくて「グルメ」。まずそうでも、まずくても料理はグルメ。ちなみに、音楽ネタがちょびっとでもあればジャンルは「音楽」。

新旧通算して25年なら銀婚式?

2014-05-27 11:32:23 | 日記
銀婚式を迎えた知人がちらほら。偉いなー、と真に思う(わが身を省みて)。ところで疑問。別れた相手と再婚した場合、新旧通算して25年なら銀婚式になるのだろうか(イチロー、日米通算何千本安打みたいに)?それとも、時効と同じでいったん中断するとゼロに戻るのだろうか?

ワインシャワー

2014-05-26 21:15:14 | グルメ

デカンタの上部にワインシャワーを置き、その上部にロートをセットしてワインを注ぐ(写真1枚目)。管の先から放射状に広がってるのはワイン(これがワインシャワー)。今回使ったワインはドイツの赤のピノ・ノワール。ん?ピノ・ノワールはドイツではシュペート・ブルグンダーって言うはずなのになんでフランス語なんだ?最近ドイツ人のドイツ語離れは嘆かわしい。こないだもドイツ語の勉強しようと思ってドイツ映画を見たら英語だし。それは置いといて。今回の料理=ナスときのこをトマトで煮てマカロニと和えたものとステーキ(サーロインが300円台だと思わず買っちゃう。冷蔵庫にはあと3枚ある。肉が私の活力源)。今回いろんなワイン器具を買ったのは、来るべき「超古い銘酒を飲む会」に備えてのこと。ただなー、古いワインのコルク屑や澱を取り除くのが目的だったからロートとデカンタだけで足りた気も……まあいいや、面白いし。

夏がきた(Sumer is icumen in)

2014-05-26 14:26:48 | 音楽
中音の演奏会で聴衆みんなで歌う「夏がきた」についてコメントをいただいたんで、あらためてプログラムを見たら、英語の題名「Sumer is icumen in」と「14世紀イギリス」の文字。あと、英語の歌詞と日本語の訳詞。んなもんで「Sumer……」でネット検索。そしたらWikiの英語版がヒット。イギリスのロータ(カノンの一種)で、おろ?「13世紀」とある。問題の作曲者だけど、「不明だが、W.de Wycombeと推測される」だって(作詞も)。別名が「Reading Rota」(レディングのノータ)。そう呼ばれる理由はもっとも古いと思われる手書きの楽譜がレディング修道院で発見されたから(そのため、レディング修道院で成立した、というネット情報もある。)。が、Wiki英語版では、そこで書かれたのではないだろう、と言ってる。歌詞は、中世英語のウェセックス方言なんだと。これ、ドイツ語と似てる。同じ意味を現代ドイツ語にすると、「Sommer ist gekommen」!ほんとに近い言語だったんだなー。

ラダメスじゃなくて松寿丸、vive!

2014-05-26 09:35:20 | 音楽
昨日の「黒田官兵衛」(大河)でいよいよ信長が松寿丸殺害を命令。それを聞いた松寿丸の母(中谷美紀さん)は狂乱。今、狂乱の場を演じたらこの方の右にでる人がいるだろうか。「ゼロの焦点」の狂乱もすごかった(友達(木村多江さん)を殺した後狂乱する点、マクベス夫人と同じだ!)。「嫌われ松子の一生」の変顔もぶっとんでました。狂乱の場、オペラにもたくさんある(ドニゼッティのルチア等々)。狂乱するのは大概コロラトゥーラ・ソプラノ。さて、松寿丸ですが、八兵衛じゃなくて(水戸黄門か)、平兵衛じゃなくて(落語か)、半兵衛(大丈夫、まだ「物忘れ」のレベル。ハ行の兵衛が多い。)が処刑したと偽ってかくまう。で、舅が松寿丸の母に「松寿丸は生きておる」とささやく。この台詞どっかで聞いたぞ。そうだ、「アイーダ」(ヴェルディ)で、アムネリスがアイーダに「Radames,vive!」(ラダメスは生きておる)と言うところだ。アムネリスが恋敵と目するアイーダを試すため「ラダメスが死んだ」とガセネタを言い、絶望したアイーダを見て確信して言う台詞。