拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

のらくろの街(2022.9.27行動日記・森下町)

2022-09-29 10:57:28 | グルメ

シュッツの会は、次回で第2シーズンの幕を下ろす(第1シーズンはコロナ前)。え?ついこないだまで張り切ってたじゃん?そう言う方々には王選手の引退を思い出していただきたい。え?覚えてない?生まれてない?では話してしんぜよう。結局最後となったシーズンで、王選手は衰えたりとはいえ30本のホームランを打った。30本なんてざらに打てる本数ではない。で、シーズン終了直後も、王選手は現役を続行すると表明し、新たなバットを注文した。と思ったら、そのすぐ後に引退を発表した。シュッツの会もそれと同じなのである。いずれ第3シーズンが始まるだろう。「大草原の小さな家」は第9シーズンまであった。第3シーズンは、多分ゲリラ戦である。ところで、第2シーズンの最後となる次回であるが、最後だと言ったら参加希望者の数が増えた。そうか!最後と言えば人がくるのか!じゃ、幕を下ろすのを先延ばしにして毎月「来月こそは」と言ったら毎回たくさんの人が……いや、それは、よくある「閉店セール」そのもの。信用にかかわるからそういうことはしない。とにかく人が増えたので、当初の会場では入りきらず、もっと大きい会場をとったので、当初の会場のキャンセル手続をしに森下町に行った。ここで音楽活動をしたときは、帰りは通りの中華で餃子を食べるのが定番で、次回もそれを予定していたのだが、会場を別の街にしたので、キャンセル手続の後に一人で行った。

やはりここの餃子は旨い。かじると四方八方に肉汁がぴゅーっと飛ぶ。あと、回鍋肉。ご覧のヴォリュームである。厨房では中国語が飛び交う。中国人の一家でやってるのだろうか。この店には3年前だったか千人通唱会の打上げの視察に来たのが最初だったが、あのときは小さな子供が店内を走り回っていた覚えがある。あの子も、だいぶ大きくなったろう。子供の成長は早いと言うし。で、お酒は、紹興酒。生ビールをはさまずに直接紹興酒にいき、かつ、いつものようにボトルではなく1合とっくりを頼んで一度お替わりをしただけ。すわっ、一大事。この酒量の少なさはやはり体調不良か?いや、実は、この町でもう一つ行きたい店があって、そっちはビストロ。この町には滅多に来ないから、この機会に行っとこうと思って、そっちでワインを飲むからこっちではセーブしたのである(じゃ、やっぱ仮病?)。

で、そのビストロで、白ワインのカラフェを頼む。

赤ワイン党だが、料理がサーモンだったので、白ワインにした。いや、かなり旨かった。白ワインもだが、お料理も。

ママさんも、とっても感じがいい(因みに、英語で「マアム」と言ったらマダムのことで、「ママ」とは大違いである)。独りだったので(「一人」と「独り」は、後者の方が哀愁が漂う)、カウンター席がいいか?と聞かれたが、テーブル席を選ぶ。そこから見えるカウンター席には、男女が一人ずつ座っていて、交互にママさんに話しかけるのだが、知り合い同士ではないらしく、一方がママさんを独占してる間は、他方は無言。並んで座ってるのに何か変。女性が終活の話を始めたときなんざ、もし私が隣の男なら、すぐさま「Entschuldigen Sie」と言ってお話に入れてもらったろう。ところで、男は、ママとの会話からどうやらシェリーを飲んでるふうだったので、私、店を出るとき、ママに「美味しかったです。ところで、こちらではシェリーを置いてるんですか?」と聞いてみた。すると、ママさんは、ちらっと店内を見て(視線の先はカウンターの男である)、困った風を見せて、「いえ、今は置いてないんです」だって。なじみ客用の裏メニューだったわけね。シェリーだったら人を誘ってまた来ようかと思ったんだけどね(私は、シェリーが大好物である)。

因みに、森下町は、のらくろの作者の田河水疱の生家の近くで、文化センターにはのらくろの展示があるし、その前の商店街はのらくろの名前を冠している(のらくろは王選手よりもさらに前。さすがに私もリアルタイムでは読んでない。のらくろは猫ではなく犬だということをたった今確認したところである)。あと、カレーパン発祥の地でもあるそうだ。道理で、インド料理店が多いと思った。なお、この街は以前はドヤ街だったそうだが(ドヤ=ヤド(宿)。簡易宿泊所の多い街のこと)、今ではおしゃれな店が多い。シチリア料理店にも目を付けていたのだが、この日お休みだったのは心残りである。新しい店だけではない。忘れちゃいけない桜鍋のお店は明治30年創業だという。今でも地元の人は、桜鍋を食べに行くとき「蹴っ飛ばしに行こう!」と言うのだろうか(40年前は言ってた)。


プータローの分をわきまえた小旅(2022.9.26行動日記・銚子)

2022-09-28 17:10:52 | 日記

プータローの分で特急に乗るわけにはいかないから、銚子に行くルートは、成田経由で成田線で行くか、千葉から総武本線で行くかになる。前者は大きく北に迂回し、後者は大きく南に迂回するから、距離(運賃)的にはどっちもどっち。なので、アプリがすすめる成田線で向かうと、途中から路線が利根川と並行しているらしく、車窓から利根川の土手らしきものが見え、さらに、その奥に風力発電機がずらーっと並んでるのが見える。

千葉県は、風力発電が盛んなのだろうか。

目的地の犬吠埼には、JRの銚子駅でかの有名な銚子電鉄に乗り換えて行く。銚子電鉄のホームは、JRのホームの延長線上にある。パスモは使えず、車内で紙の切符を買うから、ホーム上のパネルにタッチして、パスモに降車記録を付けることが肝要である。その銚子電鉄は「がんばっている赤字路線」で有名。ホームのどこかに「絶対、あきらめない」と書いてあった。社員さんたちの意気込みだろう。銚子電鉄の社員さんが言うのはいいが、昔、某政党(当時の与党、現在の野党)が「日本をあきらめない」と言ったときは、誰かが「私たちはもともとあきらめてないよ」と怒っていた。車内では、沿線の観光名所についてアナウンスが入る。聞いてたら「ここからの『緑のトンネル』が一番の見物です」って言うから撮った。

しかし、多くのカメラ小僧(実際はカメラおじさん)は、こういった「ベタな」風景ではなく、ホームに着くたびに何かを撮っている。何を撮ってるのかは不明である。それぞれの世界にマニアがいるものであり、その行動はおおよそ予測不能だ。

その車両はこんな感じ。

この写真を選択したのは、私が映り込んでいるから。で、犬吠駅で下車し、昼だったので、駅前の食堂で腹ごしらえ。ウニとイクラ丼を頼もうとしたら、その日入漁がなかったというので、鉄火丼にした(この店は、その日穫れたものだけを出すことをウリにしている)。

生ビールを一杯しか飲まなかったことは、最近の私の不調ぶり(仮病の噂あり)を表している(それでも、しっかり飲んでいる)。

そこから、犬吠埼まで、有名な灯台を目印に歩く。すぐ着いた。

構内に入ろうと思ったら入り口に「寄付金300円」の文字。「寄付金」と言っても実際は入場料なんだろうな。プータローの分をわきまえて入場を断念。その入り口脇に、珍しい白いポストがあった。

灯台の色に合わせたのだろうか。珍しいから一瞬おがみたくなったが、ポストを拝んでも仕方がないからやめた。

灯台の構内は有料でも、崖下の、波が打ち付ける岩を見るのはタダである。

この絵に映る岩と波こそ、東映映画の冒頭のシーンである(カメラの角度が違うが。こっちは上から撮ってるが、あっちは、目線の高さで撮っている)。

さて。銚子ではもう一つ見たいものがある。屏風ヶ浦である。最寄り駅は、犬吠の隣駅の外川。銚子電鉄の終点である。車内で買ったのは銚子と犬吠の往復切符のはずだからプータローの分をわきまえて外川まで歩く。すると、外川漁港から遙か彼方に連なる断崖(タモリさんが喜びそうな地層)が見えた。

これが屏風ヶ浦っぽい。既に相当歩いている。とてもじゃないが、さらにあんな遠くまで歩けないと思って断念。今日はここまで。再び、犬吠駅まで歩いて戻り、銚子行きの電車に乗ろうと切符を取り出してみると、

な、なんと外川までの往復切符であった。車掌さんには「犬吠まで」と言ったのだが、料金が同じだから外川までの切符をくれたのだ。しかも、当日限り区間内の乗り降りは自由。だったら、犬吠ー外川間は電車に乗って体力を温存し、屏風ヶ浦まで歩けたかもしれない。

時は9月下旬。大部涼しくなって秋めいてきたというのに、汗をびっしょりかいた、体調不良がウソのような(やはり仮病?)元気なワタクシでありました。


右をみて、左をみて、横断歩道を渡りましょう!

2022-09-23 09:09:05 | 日記

2ニャンの距離が縮まったところに、秋の気配が感じられる。

あさイチで、味噌の代わりにヨーグルトを入れた「ヨーグルト汁」を飲んだMCの反応が、「おいしいっ」ではなく、「よそのウチで飲んだ味噌汁のような味」のように微妙であったわけが分かった。あのMC陣は正直である。

エリザベス二世のユーモアの例として、ロンドン五輪の際、女王が007と共演したことがよく言われる。あたかもヘリコプターから飛び降りてスタジアムに入場したかのような演出が評判を呼んだ。わが国では同様のことができるだろうか。宮内庁様が立ち塞がりそうである。昭和天皇が崩御されたとき、宮内庁様はとっても偉そうだった(ここでの「偉そう」は「偉ぶる」ではなく、「お偉く見える」の意味である(宮内庁様に対するフォローである))。

その個人的な魅力でエリザベス二世が支えてきた英王室だが、イギリスではその廃止論がくすぶってるそうだ。こないだ首相になったばかりのトラス氏だって、学生時代、王室廃止論を訴えていたという(まあ、若いときはいろいろありますから。日本でも、若い頃は左の人だったのに、今は右って人が結構いる。いっとき、お茶の間の人気を集めて紅白にも出た某お天気お姉様も、現在は右の論客である。なお、イタリアの音楽家に左翼系の政党員だった経歴を持つ人が多いことについては、政治的趣向よりも仕事上の都合があるようだ。カラヤンがナチス党員だったことと同様である。因みに、世界中の政党を見回すと、いまや女性の党首は当たり前だが、特に極右で目立っている。フランスのルペンさんとか、イタリアのメローニさんとか、ドイツのペトリーさんとか。わが国でも女性総理候補として名前の挙がる方々は結構右の方々である)。で、その王室廃止論についてである。ヨーロッパや中国では、王様は善政を敷く限り民はこれを戴くが、そうでなければ取り替える(廃止する)という考え方があるそうだ。そこへいくと、日本の天皇は、ついこの間まで(長い歴史から見れば、太平洋戦争はついこの間のことである)神様だった。そこのところが外国とは異なる。だから、万世一系なのである。そう考えると、承久の乱で関東勢が朝廷に逆らって兵を挙げるなんざは、あり得ない話であった。恐ろしい鎌倉武士が攻め込んできたという恐怖が関西人のDNAに植え付けられていて、私の母(和歌山出身)のように、「関東人は生き馬の目を抜く」と言うのだろうか。たしかに「鎌倉殿の13人」の世界は血みどろの恐怖の世界である。


半世紀前に聴いた初代の主題歌が正解

2022-09-22 18:16:43 | 音楽

 

今朝アップした動画のチェロに、歌のメロディーをクラリネットで吹いて重ねた。これがクイズの答である。思えば、初めて聴いたのは半世紀以上前。三つパターンがある。曲自体は同じだが、歌う少年合唱団が違い、後半、大人の合唱が入るパターンと入らないパターンもあった。よく考えてみれば、1番の歌詞の前半は、タイトルになったヒーローではなく(この期に及んで正解名をはっきり言わない私)、彼と一緒に戦った科学等速隊(略してカトク隊)のことを歌っている。


初代が好き

2022-09-22 10:06:04 | 音楽

 

熱した鉄製中華鍋に卵を投入して「ジュッ」と言わせたいと書いた。「ジュワ」ならウルトラセブン、「シュワ」ならウルトラマンである。先日、NHKでウルトラマンの投票があり、初代ウルトラマンはまさかの5位。ハヤタ隊員を演じた黒部進さんは不服だそうだ。仕方がない。アンケート参加者の年代別で60代はほんのわずか。私だって投票していない。それで文句は言えない。

その黒部進さんは、モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣さんとともに、新作のウルトラマンにレジェンドとして登場するようになった。アキコ隊員を演じた桜井浩子さんもしかり。昔の顔を見るのはオールド・ファンとしてはうれしい。今、ディズニー+で、スターウォーズのスピンオフのアニメシリーズを見ていて(アニメだからといってバカにしてはいけない。ものすごいクォリティである)、エピソードⅡとⅢの間を描いた「クローン・ウォーズ」の登場人物が、ⅢとⅣの間を描いた「反乱者たち」に顔を出すのを見るのも同じくうれしい。設定もしっかりしていて(どこかの朝ドラとは大違い)、「クローン・ウォーズ」ではまだ少女だったアソーカ・タノ(見習いジェダイ)が「反乱者たち」ではすっかり面長になっていて、再会した昔の同志に「Sie sind alt geworden」(歳をとられましたね)と言われたように、15年の時の流れをしっかり感じさせてくれる(この二人の再会シーンを見て泣きそうになった)。

ドイツ語の台詞を掲げたように、私はディズニー+をドイツ語音声で聴いている。ドイツ語のお勉強である。「お勉強」なのだから堂々と見れば良さそうなものを、なんだか後ろめたいのは面白いから。勉強・仕事=大変なもの・きびしいもの、という発想は、「巨人の星」等のスポ根モノによって植え付けられた意識だろう。因みに、最近、よく当ブログに登場する左門豊作は「巨人の星」の登場人物であり、今注目のヤクルトの村上選手や古いところで川上哲治さんらと同じく熊本出身である。因みの因み、今、ヤクルトはスワローズだが(ツバメ軍団)、昔はアトムズだった。だが、鉄腕アトムは一人(一体)だから、複数なのは考えてみれば変であった。

ということで、動画は、本日のネタに因んだ曲名当てクイズである。ある「初代」に関する主題歌のベース・パート(オリジナルではエレキ・ベースで弾いている。それを耳コピした)。最初の♪ドドソソ♭シシソソ×2はイントロ。その後に歌が入る。歌が入ってもベースの音型は一緒。同じ音型で音がちょびっとずつ変わっていくところが大好きである。なお、撮影時に着ていた服のボタンが一個とれているのだが、チェロの影に隠れて映ってないのはかえすがえすも残念である。


人の幸せは青汁の味

2022-09-21 09:25:01 | グルメ

朝ドラの登場人物がいきなりみんな幸せそう。窃盗や詐欺を犯した面々も、罪を償うことなくいつの間にかいい人になっている。だが、これこそが現実なのかもしれない。功成り名を遂げた人が最晩年に逮捕されることがある。ということは、もしかすると、罪がばれずに「偉い人」のまま生涯を終えたかもしれない。これが近世の海賊となると、ばれるもばれないもない、国がお墨付きを与えればヒーローである。因みに、カルメンが第3幕で行動を共にするのは山賊である。また、「ひょっこりひょうたん島」にはソロの海賊(トラヒゲ)と、五人組の海賊が出てくるが、五人の中の一人・ヤッホーは元山賊である(だから「ヤッホー」。そういう脚本の妙は子供時代には分からなかった)。海賊なのに船酔いするのは元山賊だから。それから、亡父は、私がボサボサの髪をしてると「山賊みたいな頭」と言っていた。海賊でなく山賊なのは、父が海無し県の山梨県出身だからだろう。

朝ドラは、残りの10日間でまだくっついてない男女がくっついて終わりそうだ。興味の薄い話である。私は、いっときやり手ババーを自認していたが(女性客でも男性名詞のGastであるごとく、男でもババーである)、本職と一緒に廃業した。「人の不幸は密の味」なら「人の幸せは青汁の味」である(最近の青汁は美味しい。そういうコメントが寄せられる前に自分で書いた)。つうか、もはや人の事にかまけている余裕はない。自分のことをどげんかせんといかん。宮崎弁と言えば、そのまんま東さんは、再び宮崎県知事戦に立候補するそうな。最近、宮崎の郷土料理を口にする機会がちょこちょこある。レタス巻きは美味である。因みに、以前記事にした「クラリネットのチカちゃん」の消息が分かった(それがなんで「因みに」なのかは、話せば長いから話さない)。だが、「ダースベイダーのマント」なんて書いちゃったから、お友達申請ができないでいる。私のブログから「ダースベイダーのマント関連(+この2,3行)が削除されたら、それはチカちゃんへのお友達申請の意思の顕れである。

昨夜は、カペリーニのトマトソース和え。

いわゆるスパゲッティ(広義)の中でも特に細いのがカペリーニ。

capellini=髪の毛。因みにcapo=頭。なお、これらの言葉と、アカペラのカペラ(cappella=教会)のつながりは不明である。「p」の数が違うから同類ではないのかもしれない。で、そのカペリーニ。太さが1.1ミリで茹で時間はたった3分。食感は素麺と似ている。もちろん、茹で時間の短さが節約志向にマッチして選択した食材だが、節約はこれで終わりではない。ソースを作る鍋で同時に麺を茹でれば、使用するガスは2分の1だ。こうして、とことん節約した後、絶対来るのが節約疲れである。ダイエットのリバウンドと同じである。


布をケチって覆いたいところを覆ってない下着のようなオムレツ

2022-09-20 12:10:28 | グルメ

ミシンを買うはずはなかった。野菜みじん切り器だって、電動をやめて手動(ヒモを引っ張るヤツ)にしたくらいである。電気代高騰のおり、電器製品の使用は最小限におさえている。以上は、電動ミシンを念頭に置いての物言いである。昔は足踏みミシンだった。私の就学前に、母がミシン教室に通っていて、私もついて行って、生徒のミシンの間をぐるぐる走り回った覚えがある。その後、母から教わった覚えも。右足と左足で交互に踏み台をふみつつ、針を布に落としたっけ。極めてマニュアル。因みに、私が大昔、運転をしていた車はマニュアルであった。そんな足踏みミシンなんてもうはないよな……とか思ったら、なんとフリーマーケットに出品されていた。でも、結構なお値段がするから買わない(行きがかりで買うことになっては大変である)。

手動式のみじん切り器を買ったのだが、そもそも電動式のヤツは使ってなくて、包丁でみじん切りにしていた。節約節約と言いながら、逆にいらない買い物をしたという後ろめたさに苛まれているワタクシである。

これほど節約のことを思うのは、言うまでもなくインフレだから。その中でも、電気代の値上がりがハンパない。ところで、ドイツのニュースを見てたら、ドイツでは、電気代が石油・ガスの価格に連動しているので、石油・ガスが倍になれば電気代は自動的に倍になるのだが、発電用の原料はなにも石油・ガスだけではなく、太陽光・風力と言った自然エネルギーもあり、そちらのコストはさして上がってない。だから、ドイツの電力会社はウハウハの大もうけだそうで、さすがに、そのような火事場泥棒的な利益を再分配する方策が検討されてるんだと。日本ではどうなんだろう。If(これは仮定のifである)同様に大もうけをしていて、その会社のお金で社員がロマネ・コンティを飲んでたら、文句の100も200も言いたいところである。議員の皆さんには、そういうところにメスを入れてほしいものである。

話は変わるが、私は日々オムレツ作りに挑戦している。

見るからに卵の量が少ない理由は簡単である。卵をケチってるからである。だから、ご飯を覆ってない。まるで、布をケチって覆いたいところを覆ってない下着のようである。それにしても、オムレツ作りは奥が深い。なかなか満足な出来にならない。悩みどころの一つが使うフライパンである。こびりつかないようにフッ素樹脂加工のものを使うのが定番だろうが、私は鉄の中華鍋で作りたい。鉄製なら思い切り高温で熱することができる。そこに卵を投入してジュッと言わせるのが快感である。


略してマシン、訛ってミシン

2022-09-19 11:40:55 | 音楽

台風は、上陸すると勢力が弱まるそうで、西日本に住んでた人は東日本で体験する台風を若干大人しく感じるそうだ。それでも、私が子供の頃、台風が近づくと、実家(横浜市)は昼でも雨戸をしめたし、ろうそくを用意していた。母が関西人だったから?いや、実際に停電してろうそくを灯した覚えがある。だが、昨日の台風は、まだ相当遠くにいたはずなのに、関東に大雨を降らせ、東西線が不通になった。お陰様で、本当なら昨日のシュッツの会の会場は駅からすぐのところのはずだったのに迂回ルートを通らなければいけなくなり、少し歩くことになった。おまけに、地下鉄の駅から出てすぐ私はこけそうになった。だが、いつものように、ポーター姿。右手にチェロと傘。左手にオーボエと楽譜の入ったバッグ。背中にはヴァイオリン(いつもより一個傘が多い)。空いてる手がないからこけたら体と楽器を支えられない。だから、こけるわけにはいかない。必死に踏ん張って2,3歩たたらを踏んで、どうにか持ちこたえたかに見えた次の瞬間こけた。両膝から落下。衝撃はほぼ膝で吸収したが、それでもチェロに衝撃が伝わったのは確か。まっさきにソフトケースを開いてチェロの容態をチェック。おお、良かった、無事、無傷だった。ウチのチェロとヴァイオリンは、カ○○・○”ョ○○ーニという楽器で、名前はイタリアっぽいが、販売元は日本の会社で製造は中国。多分、まとまな楽器の中では最安値ではなかろうか。とにかく丈夫だし、音もあの程度は鳴る(会場で聴いたお友達に向けて書いている。ただし、弦は張り替えたし、ヴァイオリンは弓も買い換えたが)。とにかく、コスパは相当に優れている。だが、無傷で済まなかったモノがある。両膝とズボンである。なんと、ズボンの膝に穴が開いてしまった。夏用のズボンは3着しか持ってないうちの1着である。大損失。それこそお裁縫でなんとか繕わねば。ズボンに穴が開くくらいだから、両膝だって無傷というわけにはいかない。この後、歌って、弾いて、吹いて、飲むから帰宅するのは相当後。早めに消毒したい。すると、よいものがあった。コロナ対策用のアルコール消毒液。なにも消毒用アルコールはコロナのためだけにあるのではない。傷口に塗って応急処置ができた。今朝見たらかさぶたになっている。あとは、ズボンのお裁縫である。因みに、一昨日のブログに書いたおパンツも、あちこち破けたと書いたが、よく見たら、破れてるのは一箇所のみ。これもお裁縫でどうにかするつもりである。こういうとき、ソーイング・マシン(略してマシン、訛ってミシン)があるといいのかしらん。買おうかしらん。いや、プータローの分というものがある。買いませぬ(って誰に言ってるの?)。因みに、「こける」は「転げる(ころげる)」が短縮化して訛ったもののようである。


気化熱

2022-09-18 08:27:49 | 日記

「チコちゃん」で、シンデレラの物語が明治時代に坪内逍遙の訳によって紹介された際の話をしていて、馬車になるカボチャは炭籠に、妖精は弁天様に、素敵なドレスは絹の着物に、お城で落としたモノはガラスの靴から絵入りの扇子に、シンデレラ特定の方法は靴がぴったり合ったことから扇子の絵の内容を言い当てたことにそれぞれ置き換えられていたが、一番「へー」と思ったのはシンデレラが「おしん」になっていたこと。「おしん」という名前には、昔から薄幸のイメージがあったのか?坪内逍遙のせいで薄幸のイメージがついたのだか?そういうこととは関係なく、橋田壽賀子さんは「おしん」という名前を選んだのか?謎は深まるばかりである。

その「チコちゃん」で、扇風機の風にあたると涼しくなるのはなぜ?と聞いていた。回答者が「気化熱」と答えると「ぼーっと生きてるんじゃねーよ」。理由は、体温によって温められた体表面を覆う空気が扇風機の風によって吹き飛ばされるから。これには「へー」である。だが、もう一つあって、「暑くて汗をかくとその気化熱で涼しくなるのだが、体表面の空気が水蒸気で飽和状態になると、それ以上汗をかけなくなる。扇風機の風でそうした水蒸気が吹き飛ばされると、また汗をかけるから」と言うのだが、また汗をかいたらその気化熱で涼しくなるのだから、回答者は正解していたことになる。チコちゃんに「ぼーっと生きてるんじゃねーよ」と言わせたNHKに「ぼーっと生きてるんじゃねーよ」と言いたい。

人気番組の「チコちゃん」ですらこのように文句を言う輩がいるんだから、「ちむどんどん」にクレームが集中するのは当然の理。だが、これによって、同作が、史上1番の不人気作となるのなら、それはそれでめでたいことである。「2番じゃダメなんですか?」と聞いた議員がいたが、2番より1番がいいに決まってる。同作は、晴れてその座を獲得するのである。ところで、同作が「1番」になれた理由であるが、脚本家に非難が集中しているが、あの脚本家は過去に名作の「フラガール」を書いた人である。ベートーヴェンが「戦争交響曲」を書いたように当該脚本家は今回「魔が差した」のだろうか?同作は、この脚本家を含めた三人の合作であると脚本家が明らかにした。私はそのせいだと思う。あとの二人は「お偉いさん」なのだろう。そのお偉いさんが、ああしよう、こうしようと思いつきを言うもんだから、脚本家はそれを採用せざるを得なかった。こうして、同作は、乱暴な、意味の無い、矛盾したエピソードにあふれることになった。「三人合作であること」をオープンにした脚本家が真に言いたかったことはこのことである。以上が、私の見たてである。だいたい、横やりが入るとろくなことにならない。良い方の1番の呼び声が高い「カーネーション」で尾野真千子を降板させたのもお偉いさんの横やりだと聞く。そのせいで、大名作の最後の1か月は駄作となった。

ところで、上記の「2番じゃダメなんですか?」を言った議員がそのことで随分とたたかれた。私は同議員を0%支持するものであるが、このことについて(だけ)は弁護したいと思う。同議員は「ダメなんですか?」と質問したのである。聞かれた専門家は、ダメならダメとその場で言えばよかった。なのに、その場ではもぞもぞして、後になって、ぶつぶつ言うのはよくないと思う。因みに、「0%支持」という言い回しは、室内合唱団時代の某同期が、今入ってるママさんコーラスについて「室内合唱団」の1/100楽しい、と言ってることにならったものである。室内合唱団のときの楽しさから99を引く、ではなく、0.01を乗じる、という点に数学的扇子ではなくセンスを感じた次第である。


あらぬ疑惑/玉結び、玉止め

2022-09-17 08:23:26 | 日記

ポットの蓋を開けると、内側に茶色い汚れがついてることがある。なんでこんなところについてるのだろう?疑惑が疑惑を呼ぶ。G?Gはどんな狭い隙間でもすり抜けると言うし(大昔、「ガス人間第1号」って映画があって、ガスになった人間が排気口をつたってどんな場所にも出入りができた)。あるいは、お湯に含まれてる成分?ググると、それを裏付けるようなことを書いてる人がいる。しかし、真犯人が見つかった。やかんである。お湯を注ぐとき、やかんの縁がポットに接触することがあり、そのときやかんのサビがつくのであった。前記の疑惑sは、よく考えてみればあり得ない。しかし、人間、途方にくれるととんでもないことを思いつくもの。男女の間もそうらしい(私には関わりのないことであるが)。ちょっとしたことから疑惑を生み、果ては事件になるのである(「パリアッチ」「カヴァレリア・ルスティカーナ」を見たまえ!)。

朝晩冷えるようになった(現在は台風の影響で蒸し暑いが)。奢れるものは久しからず(「奢れるもの」=熱波)。今のうちに半ズボンをはいておこう、と思ったらボタンがとれている。道理で、こないだ家の中にボタンが落ちていて、どっから落ちたんだろ?と疑問だった。拾ってとってある。つけよう。だが、つけてくれる人はいない。お店に頼む?私はプータローである。プータローにはプータローの分というものがある。だから自分でつけるしかない。一応、針と糸は常備している。家庭科は得意ではなかったが、縫う前に糸のはしっこを丸くしたり(「玉結び」という言葉を半世紀ぶりに思い出した)、縫い終わって針に糸をくるくる巻いて「止め」を作ることは(「玉止め」という言葉も同様)、手が覚えている……はずだったのだが、なぜか玉結びができない。人差し指に糸をまいて親指とねじねじして糸を引っ張ればできるはずが、きれいにまっすぐな糸に戻ってしまう(手品なら、結ばれていたものがきれいにほどければ拍手喝采なところである)。何回かやってるうちにできた。ねじねじの仕方が悪かったようだ。昨日、練習にはいてきた半ズボンはこうして復活した半ズボンであったのだよ。それにしても、ボタンはとれるし、おパンツは破ける。今はいてるおパンツ、かがむたびにびりびり言うのでまじまじと見たらあちこち破けていて、もはやおパンツではなくなっている。これをお裁縫で復活させるのは無理である。


湯水より豊富なバジル

2022-09-16 09:40:11 | グルメ

猫にとってのマタタビ=猫好きにとっての肉球=歌好きにとってのグルベローヴァ(最後のは故黒田恭一さんが書いてらしたこと)。この肉球の所有者はワサビ。他方、ケメ子の最近のお気に入りはこれ。

もともと猫ベッドではないが(爪とぎだが)、ベッドになっている。

私のスマホは楽天モバイル。専用アプリの使用で、電話はただでかけ放題。ネット利用も1Gまではただ。だから、楽天にしてからスマホ代は1円も払ってこなかった。ところが、こないだ、どっかのお客様センターに電話して、すぐ通じなくて待たされてる間、待てよ、局番によっては電話代がかかるって言ってたなぁ、何番だっけ?あっ、今、かけてるやつだっ。急いで切ったが間に合わなかった。その月は、料金を44円とられた。

このインフレ下、ピザ作りにも気を遣う。これまで、とろけるチーズをどばっと乗せていたが、お店屋さんのように、チーズは飛び石で乗せよう。お店屋さんのマルゲリータ・ピザは、バジルもちょびっと。だが、その点は真似る必要はない。バジルはベランダに山ほど植わっている。

現在、わが家で、唯一、湯水のように使えるのがバジルである……いや、このご時世、湯水は無制限に使えないから、「湯水のように」ではなく「湯水より」が正しい。このバジルをなんとか消費し尽くそうと、ピザ三昧の日々。ある日は、生しらすを乗せてみた。

え?生しらすを乗せたらイタリアンじゃないって?でも、湘南沿いのピッツェリアでよくメニューに載っている。そんなことを言うんだったら、こっちはもっとすごいぞ。

回鍋肉とトマトソースのパスタ(後者はバジルの用途の一つ)。中華とイタリアンが隣同士である(私の故郷では、神社とお寺が隣同士だった)。冷蔵庫にあるモノの消費を心がけたらこうなった。そう、フードロスは真になくさなければならぬ。


防音マスク/クロムウェル

2022-09-15 10:22:23 | 音楽

家(マンションの一室)で練習するための必須グッズ、それは弱音器(ミュート)。写真はその一覧。ヴァイオリン用(右上)、チェロ用(右下)、トランペット用(中央)、そして左端でかさばってるヤツが「防音マスク」、つまり声のミュートである。私の練習で、多分、近所で一番奇っ怪に響いていると思われるのが発声練習。なんてったってカウンターテナーである。「狂乱の場」ともとらえられかねない。枕やタオルを口に押し当てたりもしたが、繊維や埃を吸い込んでよくない。なにかいいグッズがないものか、と思って「防音マスク」でググってみたらなんだあるじゃないか。早速ポチる。結構消音になってるぽくて一応満足。だが、雑誌をこういう形に丸めても同じだったかな、とも思う。因みに、その他のミュートで一番威力があるのがトランペット用。一番家で吹けないはずの金管が、一番気兼ねなく吹けるようになる。弦楽器のミュートもそこそこ役立っている。以上に対して、ミュートがないのでそのまま吹いてるのが木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット)。気兼ねをしながら吹くたんびに田舎に引っ越す夢が頭をもたげる。「夢」と言えば、こないだ「Wunschtraum」というドイツ語を聴いた。「Wunsch」も「Traum」も「夢」と訳されるが、この二つがくっついた場合は「希望を反映した夢」って感じである。

後半は、引き続き歴史の話。イギリスが短期間ではあったが共和制になったとき権力を握ったのはクロムウェル。フランス革命のときのロベスピエールと重なる。ロベスピエールは、さんざ王族や貴族をギロチンに送った後、自分もギロチンの露となったが、クロムウェルも王政復古の際、処刑された。だが、そのときクロムウェルは既に亡くなっていたから、わざわざ処刑のために墓が掘り返された。だから、クロムウェル自身は痛くもかゆくもない(ギロチンにかけられても痛くないという噂だが、あくまでも噂である。自ら実験台になった後、「痛くなかったよ」と報告した人はいないから)。因みに、「墓あばき」と言えば、「嵐が丘」に、ヒースクリフがキャサリンの墓を暴いたらキャサリンが生前とまったく変わってなかった、というくだりがある。


パーセルとメアリー女王/水呑と百姓

2022-09-14 09:29:55 | 音楽

昨日は、清教徒革命を経て王政復古までを書いた。そう言えば、イギリス史には名誉革命ってぇのがあったなあ。清教徒革命に比べてほとんど流血がなかったんでそう名付けられたクーデター。いつだっけ。お、王政復古のすぐ後じゃん。すなわち、チャールズ二世で王政復古した後、その息子のジェームズ二世(一世については昨日書いた。エリザベス一世の次の王様で、初めてイングランド王とスコットランド王を兼ねたんだった)のときまたもや世情が怪しくなり、ジェームズ二世は亡命。メアリー二世とその夫(オランダ王)が共同統治者になった、これが名誉革命である(王政が廃止されたわけではない)。じゃあ、メアリー一世は誰かというと、昨日、ヘンリー八世の後に、その2番目の妻であるアン・ブーリンとの間の子のエリザベス一世が即位した、と書いたが、実は、ヘンリー八世とエリザベス一世の間には二人王様がいて、最初にヘンリー八世を継いだのが3番目の妻との間の子のエドワード六世。これが亡くなって即位したのがヘンリー八世と最初の妻との間の子のメアリー。これこそがメアリー一世であり、エリザベス一世はその後である。

高校のときから世界史は好きだった。大学受験の選択科目も世界史を選んだほど。あのときよりも、今回の方がよく覚えられそう。音楽関係の知識が相まってるし。因みに、絶対の自信をもって挑んだ西北大学(仮名。「半分、青い」が懐かしいですね)の入試の世界史で出題されたのがまさかやーのアメリカ史。まったくの盲点で、さっぱり分からなかった。が、合格したんだから、他の人もできなかったんだろう。

メアリーと言えば、ヘンリー・パーセルの曲に、「メアリー女王の誕生日のための頌歌」や「メアリー女王の葬送の音楽」とがある(後者は、以前、シュッツの会で歌った。結構、この会はいろいろやっている)。このメアリー女王ってどの女王?パーセルは17世紀後半に活躍した人だから、時代的には名誉革命で即位したメアリー二世。それが正解のようである。

私は日本史も好きである。こちらも、いい歳ぶっこいた最近になって知った話が目白押し。大河ドラマの「鎌倉殿の13人」で知った話もたくさんあるし、あと、勧められて読んでいる「日本の歴史をよみなおす」も目から鱗がぼろぼろである。例えば、「水呑」と「百姓」とについて。左門豊作の実家は、原作では、この二つの言葉の熟語で表現されていて、それは「超貧乏な農家」という意味だと理解していて、だからそのまま書くことが憚れてきたが、件の本によると、百姓=農民というのは誤りで、文字通りいろんな姓の人=いろんな職業の人、という意味だから、その中には、商人も船乗りもいる。そして「水呑」とは「税金が課せられる土地(農地)を持ってない人」だから貧乏と考えられてきたが、例えば廻船業者(今でいう海運業者)は船で儲けてるから土地はいらない。それでもお金持ちである。だから「水呑=貧乏」は誤りだそうだ。そうか、だったら、左門豊作のことも、オリジナルに忠実に書いてよさそうである。


エリザベス一世(女王三部作)

2022-09-13 09:15:09 | 音楽

亡くなった女王が「二世」だから「一世」がいる。それは、ドニゼッティの歌劇「マリア・ストゥアルダ」「ロベルト・デヴリュー」に登場するエリザベッタ(エリザベス一世)である。因みに、ドニゼッティは、この時代のイギリスの女王物をもう一つ書いていて(女王三部作)、それが「アンナ・ボレーナ」。英名はアン・ブーリン。ヘンリー八世の二番目の奥さんで、ヘンリー八世は一番目の奥さんと別れてアン・ブーリンと結婚するためにバチカンと決別してイギリス国教会まで作ったというのに、すぐに他の人を好きになって、アン・ブーリンを処刑。そのアン・ブーリンの娘が後にエリザベス一世としてイングランド女王に即位する。エリザベス一世は、自分とこに亡命してきた元スコットランド女王のメアリー・スチューダー(上記のマリア・ストゥアルダ)の処刑指示書にためらいながらも署名。そうして殺されたメアリー・スチューダーの息子がジェームズで、彼はイングランドとスコットランドの国王を兼ねる(スコットランドの国王としては6世で、イングランドの国王としては1世)。そして、これがきっかけとなって後に両国は統合されるのだが、この度のエリザベス二世の逝去によって、スコットランドの独立の気運がより高まるんではないか、と囁かれている。

ドニゼッティの女王物は、晩年のグルベローヴァが好んで歌った演目。声が重くなったので、女王役に相応しくなったのだろう。若い頃のグルベローヴァは、ベッリーニの「清教徒」をよく歌っていた。この「清教徒」と言うのは、ヘンリー八世が起こしたイギリス国教会に反対する勢力だそうだ。そう言えば、歌劇「清教徒」では、清教徒と王党派が争っていて、カップルはそれぞれ違う派に属しているためその仲を裂かれるのだが、エンディングで戦争が終わって、戦争が終わったからには喧嘩はなかったことになり、二人は結ばれめでたしめでたしで終わる。このくらい後腐れなきゃいいよなぁ、と思うのだが、そもそもどっちがどっち派だっけ。勝ったのはどっち派だっけ。全然覚えてない。あらためてお勉強。おおっ!勝ったのは清教徒。王政は廃止され(そのときの王様が上記のジェームズ一世(六世)の子のチャールズ一世)、イギリスは共和国になったんだ(清教徒革命。これが、歌劇「清教徒」のエンディングに重なる)。で、その後、王政が復活してチャールズ二世が即位。で、今回、即位したのがチャールズ三世というわけである。ガッテン、ガッテン!

因みに、ヘンリー八世からジェームズ一世(六世)を経て清教徒革命までの時代は、日本でいうと、戦国末期から江戸初期にかけて。バロック音楽が栄えた時期は江戸時代前半が相当する。

因みの因みに、歌劇「ロベルト・デヴリュー」は、晩年のエリザベス一世が、嫉妬から愛人であるロベルト・デヴリューを処刑してしまい、最後に王位をジェームズに譲っておしまい、というお話である。グルベローヴァが演じる舞台を東京で見た。王冠をかぶったグルベローヴァが、両手を王冠の横にかざしてぶるぶる振る仕草が印象的だった。


イ・ムジチの四季でアレグロを知った件/裏拍文化

2022-09-12 08:35:35 | 音楽

朝5時からFMで「古楽の楽しみ」を聴いていて、ふと、この時間、BSでは「クラシック倶楽部」を放送してるんだよな、まったく、同じ時間に放送するなんて、NHKは、クラシック派(古典派以降)と古学派の分断を深めようとしてるのか、因みに、今日は「倶楽部」では何を放送してるんだろ?と思ってつけたらイ・ムジチの四季!NHKは、分断を古学派の中にまで及ぼそうとしていた!?

それはそうと、「イ・ムジチの四季」は言葉自体が懐かしい。世界中に古楽ブームをもたらしたパイオニアである。初録音が1950年代?もう半世紀以上か。まぁ、ベルリンフィルもウィーンフィルも100年以上続いてるからイ・ムジチもずっと続いていくんだろうね。

かく言う私も、中学のとき最初に買ったバロックのレコードは「イ・ムジチの四季」である。そのときの話。町のレコード屋に「イ・ムジチの四季」を買いに行くと2種類ある。フェリックス・アーヨがコンサート・マスターを務めた旧録音と、ロベルト・ミケルッチの新録音。店にいたお宅っぽい客が旧録音を勧めてきた。店主も同調した。だが、私は新録音を買った。スコアがおまけについていたからだ。で、帰宅。まずおまけの楽譜を読んでイメージをつかんでから針をおろすと、あらびっくり。イメージよりもずーっと遅い。速度指示がアレグロだったからすたこらさっさと進行するテンポを思い浮かべていたのに、ゆっくりと大地を踏みしめるよう。そのとき、「そうか、アレグロって言うのは単に『速く』って言うんではなく、『元気』って意味なんだ」と勝手に合点がいった。因みに、先ほどその演奏の速度をメトロノームで測ってみたら♩=96。教科書的にはモデラート。アレグロって♩=120以上だもんね。それにしても、新録音を買ったのは私的には正解だった。私は、スコアリーディング力を小中時代に三つのスコアを読むことによって培った。一つはこれ。あとの二つは第九とリゴレットである。以下はその話である。

まず第九。小6んとき伊勢佐木町のハマ楽器で買ったスコアなのだが、第四楽章の冒頭が(固定ドで)♭シーー|ララレレ|ファファララ……ではなく、♭シーー、ララレ|レファファララレ……つまり裏拍始まりであることにめんくらった。たしかに前者のように二拍子でとっていくと最後に字余りならぬ音余りになるのだが、こういう裏拍始まりってベートーヴェン特有かと思ったらそうでもない。ビートルズの「抱きしめたい」の出だしも、(移動ドで)ファファ|ソーーー……だと音余りになる。正しくは「ファファソ|ーーー……であり、これも裏拍始まりである。欧米は騎馬文化。馬の蹄の音=パカッ、パカッのパが裏拍にあたるのだろう。

そしてリゴレット。これもレコードのおまけである。ヴォーカルスコアが一冊ついてて、2枚組で4000円だったから(当時はレコード1枚=2000円)、タダみたいなもの。タダのスコアでどれだけ勉強させてもらったか。だが、これにも面食らったところがある。アリアのカデンツァ。音符の数が無制限。全部足すと何小節分にもなる音符が一小節の中にぶちこまれている。「カデンツァ」は「無法地帯」なのだ、と勝手に理解した。

なお、ビートルズの「抱きしめいた」の原題は「I wanna hold your hand」だから「手を握りたい」が正しい訳である。