吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2007年11月04日/〈日記〉182・『藍の家』の登録文化財・「井戸屋形」

2007-11-04 06:29:51 | 日記
写真①:国登録有形文化財となる『藍の家』「井戸屋形」
     =福津市津屋崎で、2007年9月22日午後3時45分撮影

国登録文化財になる
「藍の家・井戸屋形」とは?


 国登録有形文化財になる福津市・「津屋崎千軒民俗館『藍の家』(旧上妻家(こうづまけ)住宅)」の「井戸屋形」を見せて――という観光客や市民が、増えているようです。

 『藍の家』が9月21日、国の文化審議会から登録有形文化財とするよう文科相に答申された際の新聞発表記事では、答申された建造物は「旧上妻家住宅主屋(おもや)」「同井戸屋形」の2件とされていました。

 「旧上妻家住宅主屋」とは、藍染めの紺屋を営んだ同家の木造2階住宅。明治34年(1901年)に建てられ、明治の商家の典型的な造りで、江戸時代から〈津屋崎千軒〉と呼ばれた当時の繁栄をしのばせる建物と評価されました。
 
「同井戸屋形」は、旧上妻家住宅の裏庭にある井戸を屋根と塀で囲んだものです=写真①=。この写真は、南側から撮ったもので、ややみすぼらしく見えます。西側の座敷から撮った方が見栄えがしますね=写真②=。


写真②:「旧上妻家住宅」の西側座敷から見た「井戸屋形」
     =「津屋崎千軒民俗館『藍の家』」で、9月22日午後3時45分撮影

 「津屋崎千軒 海とまちなみの会」が10月27日に『藍の家』で開いた「第2回市民対象公開講座」で講演していただいた山田由香里・長崎総合科学大工学部准教授(日本建築史)は、井戸屋形について「数寄屋造りで、屋根の上に焼き物が載せてあって、上妻家の〝遊び〟が見えます」と話されていました。

 山田准教授は昨年9月、初めて『藍の家』=写真③=を訪れ、国登録有形文化財とするよう市に提案、『藍の家』の同文化財登録申請に向けての建物所見を執筆。講演の中で、「『藍の家』の見所は、明治37年の津屋崎の大火でも焼け残った二階漆喰壁の耐火構造。窓にむしろをかけ、火が入らないようにして火を防いだと記録にあります。壁には鏝細工が入っているうえ、今でもひびが入っていない。当時の建築技術はすごい」と高く評価されていました。


写真③:正面から見た『藍の家』の外観
     =福津市津屋崎で、2007年4月10日午後3時48分撮影

 また、『藍の家』が国登録文化財になるのは、①建築年を書いた棟札があり、築100年以上たったことが明確で、〈津屋崎千軒〉を象徴する建物②1階は土間を広く取り、座敷に店があるという時代を現す土間と座敷が造形の規範となっている。通りに面した格子は全て開け放すことができ、売り出しの商品が外から見やすくなる構造③大黒柱は今では材料が手に入らないし、繊細な建具も再現が難しい――など国登録文化財に必要な三つの基準を満たしている点が文化庁に評価された、と解説されました。

 来春くらいに、「登録有形文化財」と書かれたプレートが、国から『藍の家』に届くという。A4を横にしたくらいの大きさで、登録台帳番号の下に「この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁」という表示が入っており、「ずっしりと重いです。外側の見えるところに飾ってほしい」(山田准教授)。金ぴか文字入りの輝かしいプレートが届く日が、待ち遠しいですね。
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