吉村青春ブログ『津屋崎センゲン』

“A Quaint Town(古風な趣のある町)・ Tsuyazaki-sengen”の良かとこ情報を発信します。

2009年5月7日/〈日記〉359・「町家まつり」を振り返って(12)

2009-05-07 05:59:07 | 日記
写真①:「福津市まちおこしセンター」の交流プラザ
     =福津市津屋崎天神町で、2009年3月18日午後3時48分撮影

何かが変わる、変える
「津屋崎千軒 町家まつり」を振り返ってー 

(12)聴講者アンケートから

 「津屋崎千軒 町家まつり」では4月18、19両日、「福津市まちおこしセンター」=写真①=で、〈津屋崎千軒〉の町家の素晴らしさや町並みの歴史、建築文化に関する二つの講演会を開催。その講演会の聴講者の皆さんに、同センターの催事や設備整備に対するご意見、ご要望についてアンケートしました。

 アンケートの結果、18日の麦野裕さん(卯建の建つ町家・「麦屋惣平衛」邸当主)の講演=写真②=聴講者約80人のうち回答された40人からは、「昔風の造りで、落ち着きます。ゴチャゴチャ飾らずにゆったりしたスペースで、やすらぐ雰囲気を大事にして下さい。講演の声が、反響するのか、少し聞きづらい」(宗像市の主婦、59歳)、「町屋らしく、真ん中に通路があって入りやすいし、木目の焼き板の感じがよい。ここに津屋崎にあるよいものを集めて、にぎわいを取り戻したい」(福津市宮司の無職男性、67歳)などのご意見を頂戴しました。

 また、催事や設備整備に対する要望の回答では「こういう(同じ町に住んでいても知らない事が多い)講演会」(福津市の無職女性、66歳)の開催希望や、「30~40代の若い方に興味を持ってもらえるイベントを加えてはどうか」(同市の男性、60代)、「津屋崎の街並みを見たのは初めてでした。もっと活動して全国に知ってもらえるようにして、街の保存をぜひお願いします」(宗像市葉山の女性、67歳)などのご提言をいただきました。


写真②:「明治40年、塩木で建てた家の移転保存」の演題で講演する麦野裕さん
     =「福津市まちおこしセンター」で、4月18日午前11時53分撮影

 19日の田上健一・九州大学大学院准教授の講演=写真③=聴講者約50人に対するアンケートによると、回答された21人のご意見では「もっと町の宝をPRするべきです。古い貴重な物が、家の中に眠っていてもったいない。民具、工具、食器、着物など、センター内の備品も古い物を利用した方がよいと思います」(福津市の主婦、50歳代)、「地元の一人ひとりに、このセンターの目的を十分理解してもらうのが一番です。各町内からここに関われる人を出して、イベントの話し合いなどに加わってもらうのがいいと思います。天気のいい日は、外にも机、椅子を出して、くつろげる空間を作って下さい」(同市津屋崎の女性、67歳)、などのご指摘を受けました。

 ご要望の回答では、「まちづくりに関わる人や、住民が出入りする拠点になるよう願っています。まちづくりの書籍、イベント、講座などがあり、人が出入りして地域の人に愛される公共の場になってほしい。コミュニティセンターのように、NPOなどにも(まちづくりに限らず)オープンにしてほしいです」(福津市の女性会社員、31歳)、「物販だけではなく、文化的使い方にウエイトを置かれることを希望します」(同市の男性)など、センターがまちおこし拠点の機能を十分発揮するよう期待する声が大きいことがうかがえました。


写真③:「〈津屋崎千軒〉における生活空間の変容と空き家の活用方策」の演題で講演する田上健一・九州大学大学院准教授
     =「福津市まちおこしセンター」で、4月19日午後1時29分撮影

 一方、「町家まつり」開催を知った福岡県水巻町の男性からは、まつり初日の18日、「津屋崎に初めて行くが、福津市まちおこしセンターがヤフーの地図に載っていないし、案内チラシ=写真④=に住所も書かれていない」と問い合わせのメールが私に届きました。おわびと詳しい案内文を添えた返信メールをお送りしました。また、JR福間駅からバスに乗り換えて津屋崎に向かったお客様からは「駅前でバス停がどこにあるか、分かりやすくすべきだ」との苦情の声も寄せられました。西鉄宮地岳線の廃止で鉄路を奪われた〈津屋崎千軒〉にお客様を招く催事の主催者として、サイン表示の分かりやすさが重要なことを認識させられました。まつりを開催したことで、お客様の貴重なご意見を聞かせてもらえて、良かったと思います。


写真④:「津屋崎千軒町家まつり 町家一覧」チラシの下部に掲載した交通アクセス地図
     =4月13日スキャン

 「町家まつり」実行部隊の私たちボランティアが、取り組みを決定したのは、まつり開催のわずか2か月前の2月22日でした。開催費は、「津屋崎地域郷づくり推進協議会」の活性化部会予算27万円だけとあって、少人数の同部会員とボランティアが一人何役も兼ねて企画を具体化し、縁の下の力持ち役を買った福津市職員有志の方たちと手弁当で汗をかき、マイカーを駆って福岡市や宗像市、古賀市までチラシを配り回り、必死に運営したイベントでした。準備を進めるなか、多くの市民の方の協力にも力づけられました。付け焼刃といってもいい取り組み状況にしては、よくやれたのではないでしょうか。

 来年は、福津市や市観光協会、市商工会、津屋崎地域郷づくり推進協議会、市文化協会、ボランテイア団体の代表など各界を結集したまつり実行委員会を設置し、交通・駐車場案内の充実やガイドの増強などお客様対応に万全を期して、少なくとも半年以上前から資金、人員を十分整え、室内公開の参加町家を大幅に増やして開催したいものです。地域総がかり体制で企画し、同期間に津屋崎漁港一帯で「お魚センターうみがめ」が主催する活魚や干物、特産品販売で人気の「うみがめ祭」=写真⑤=とも連携、一本化して開催できれば、もっと稔り多いまつりに発展できるように思われます。


写真⑤:活魚や干物、特産品の買い物客で賑う第2回「うみがめ祭」会場
    =福津市・津屋崎漁港で、4月18日午後2時27分撮影

 今回の「町家まつり」を振り返って、〈津屋崎千軒〉人の多くの方たちが何かが変わり、あるいは何かが変える兆しを感じられたのではないでしょうか。この高まりを、今後の町興しイベントや来年の「町家まつり」の充実に活かし、繋げていくことが大事でしょう。そのために今、歴史と建築文化の遺産というべき貴重な〈町家〉を残す意識を高め、保全・活用策を強化していくことが、私たちに求められており、それがまた「町家まつり」を未来に引き継ぐ原動力になるのではないでしょうか。
                                                        (終わり)
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