写真①:木立に囲まれた「山のホテル 夢想園」
=大分県由布市湯布院町川南で、2012年5月10日午後3時25分撮影)
きょう5月12日から、〈大分・町歩きスポット〉シリーズを掲載します。
〈大分・町歩きスポット〉 1
:「夢想園」再訪
5月10日、大分県由布市湯布院町の「山のホテル 夢想園」=写真①=を5年ぶりに家族3人で再訪、1泊して福津市津屋崎の拙宅へ戻りました。旧湯布院町(2005年に行政合併し現由布市)当時、高級旅館「亀の井別荘」主人の中谷(なかや)健太郎(1934年、大分県北由布村生まれ)、旅館「湯布院玉の湯」代表取締役溝口薫平(1993年、同県九重町生まれ)両氏とともに、〝町興し三羽烏〟とされたキーパーソン、志手康二(若くして他界)氏が社長だった「夢想園」を07年5月30日、同じ3人で訪ねた時と変わらない洗練された宿でした。
湯布院南部の山の手にあり、木立に囲まれた静かな佇まいの和風旅館です。2階の和室の窓を開くと、野鳥のさえずりが聞こえてきます。私たちを和室に案内した絣姿の若い女性従業員から、お茶請けに小鹿田焼(おんたやき。日田市)の皿に入れて出された「ゆず(柚子)練り」=写真②=は上品な食感で、マイカー・ドライブの疲れをほぐしてくれました。2階展望喫茶から〝豊後富士〟・由布岳(標高1,583㍍)=写真③=を眺めながら味わった同ホテル名物の手造りプリンは大きく、濃厚な味で美味しかったです。
写真②:小鹿田焼の皿で出された「ゆず練り」
写真③:湯布院の主峰・〝豊後富士〟・由布岳
=「山のホテル 夢想園」敷地から撮影
さっそく、「夢想園」にある空海ゆかりの男性用露店風呂「御夢想の湯」に、ゆったり浸かりました。約6百年前、難病に苦しむ僧侶の夢枕に弘法大師が立って湧出する温泉場を告げられ、湯に浸って病が全快したことから、「御夢想温泉」と名付けられたと伝えられる温泉は、借景にされた由布岳も遠望でき、気分爽快です。
夕食=写④=や朝食=写真⑤=の席では、しゃれたデザインや色合いの食器を手にするのも楽しいうえ、和牛ステーキの郷土料理の味にセンスの良さを感じました。
写真④:しゃれたデザインや色合いの食器に入れられた料理(夕食献立の一部)
=「山のホテル 夢想園」で10日撮影
写真⑤:小さなひめカレイの焼き魚も添えられた朝食
=「山のホテル 夢想園」で11日撮影
津屋崎では、01年12月から休園した「玄海彫刻の岬 恋の浦」(敷地面積約100㌶)が、所有者の「城山観光」(鹿児島市)から東京・お台場で江戸時代の街並みを再現した大規模な温泉テーマパークを経営している「大江戸温泉物語」(東京都)に売却されたあと、同社は黒川温泉(熊本県南小国町)のような風情を醸したい、と掘削ずみの温泉を利用した施設などを活用した改装計画の構想を進めていたものの中断したまま。津屋崎での温泉施設を起爆剤にした観光浮揚は、当分期待薄なのは残念です。