とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

社会人大学今年も始まる

2010-05-28 20:46:08 | 社会人大学
昨日から、2010年度の社会人大学が始まった。私は、今年で2年目になる。今年の講義は10回あり、バイオリン奏者の大谷康子さん、ギタリストの尾尻雅弘さん、古代学者の辰巳和弘さん、ジャーナリストの高野孟さんなどを予定している。卒業式には、盲目のピアニスト辻井伸行さんの母である辻井いつ子さんが来るそうだ。

さて、第1回は、山口阿知須共立病院会長の三好正之さんの講演である。三好さんは、太平洋戦争のとき軍医としてニューギニアにすすんで赴任したという。激戦の地ニューギニアでは、何度も死にそうになったというが奇跡的に生還した。講演は、“地獄の戦場”と形容されるニューギニア戦での三好さんの軍医としての体験をたどることで戦争の悲惨さと、その後の三好さんの生き方で平和の大切さを訴えるという内容だった。

三好さんは、軍医として多くの兵士の死を見てきた。多くの兵士は、戦闘で一瞬に亡くなるのではなく栄養失調やマラリアで苦しみながら亡くなっていったという。マニラでは50万人、ニューギニアでは20万人もの人が戦死したという話を聞き、いかに無意味で無駄に人が亡くなっていった戦争だったということを改めて認識した。こういう話が出来る人が、少なくなってきている今、貴重な存在でもある。「戦争はいけない」と命の大切さを訴える三好さんの言葉には実感がこもる。

そして、ニューギニアから帰還後はふるさとで医院を開業したが、医術の未熟さを痛感して大学で2年間学び直して、現在に至るまで地域医療に尽くしてきたそうだ。「人間は耐えることに終始する事が大切である。どんなに落ち込んでも浮かぶ時が来る。新しい道が開けてくる」という言葉は、心に刻んでおこう。

今年で93歳になるという三好さんは、車椅子で登場し1時間あまりの講演はきつかったようだ。過去においても最年長の講師ではなかっただろうか。こういった話は、若い人たちにも聞かせたいものだが、受講生も年長者が多く、次世代の人たちに如何に伝えていくかが課題かもしれない。