とっちーの「終わりなき旅」

出歩くことが好きで、趣味のマラソン、登山、スキーなどの話を中心にきままな呟きを載せられたらいいな。

北アルプス大縦走「後編」を見た。

2009-09-18 23:00:38 | 山登り
今日は、社会人大学だったので、午後8時からの放送は、予約録画しておいて帰宅後食事しながら見た。NHK総合テレビで中部地方のみの限定で放送される「金とく」という番組のことである。2週間前、前編が放映され立山から雲の平辺りまで縦走した様子を放送した。そして、後編は三俣蓮華山から西鎌尾根を通り、槍ヶ岳、北穂高岳、奥穂高岳、ジャンダルムへと向かう北アルプスでも屈指の難コースの縦走である。

本当は、この後編は先週の金曜日に放送される予定だった。しかし、その日、最終目的地であるジャンダルムで、痛ましいヘリ墜落事故が起こり急に放送延期となった曰く付きの放送でもあったのだ。あまりにもタイムリーすぎて、事故関係者の心情を察し放送延期にしたことであろう。事故で亡くなられた方たちには、心からご冥福を祈りたい。

さて、後半の最初の見所は、山歩きを始めた人が最初に憧れる山「槍ヶ岳」の登頂シーンだ。雨で2日ほど山頂アタックをあきらめていた内田アナと田部井淳子さんだったが、雨が上がり、山頂に立った時の感動している様子はテレビを見ていた自分にもしっかり伝わってきた。何回か同じような景色を見た経験はあるが、一つとしてまったく同じということはない。見るたびごとに新しい感動が生まれるものである。田部井さんが美しい山の光景を見ると、よく泣けてくるというが、まさに同感だ。私も山の景色を見ていて、涙が湧いてきたことが何度もある。テレビの画面から、たくさんの視聴者も同じような感動を味わったのではないかと思う。

そして、奥穂高岳を越えると、最後の核心部ジャンダルムの登頂である。ジャンダルムとは仏語で「憲兵」の意味である。奥穂高岳を王様とすれば、それを守っている孤高の兵にあたることからジャンダルムと呼ばれているのである。このルートは超上級コースであり、経験者が同行していなければ、簡単にはいけないコースだ。テレビで見ていても、危険な岩場だらけで、ザイルと頼もしい経験者がいなければとてもいけないコースだと知った。私もまだジャンダルムまでは行ったことがないのだ。それを、山登りの経験がまだ少ないNHKアナウンサーの内田さんは、田部井淳子さんとベテランの山岳ガイドと一緒に登りきったのである。この縦走を始めたころの内田アナは、不安そうな表情を浮かべていたが、後半になるにしたがって、精悍な顔つきに変わり、岩場では田部井さんの先を登っていた。本当に大したものである。ジャンダルムの頂上での3人の表情がとてもいい顔をしていたのが忘れられない。苦労して得たときの喜びほど、こんなにも人間の顔を魅力的に変えるものかと思う。自分も、こんな気持ちを山でもっと味わいたいし、知らない人にも味わってもらいたいとの思いを強くしたのであった。