WALKER’S 

歩く男の日日

20日目 (3) 内子の道の駅

2008-07-25 | 08年四国の旅
 山からの下りは当然快調、疲れは全然ないし足の痛みも全くない、登ってきた道を下るだけだから迷う心配もない。でも今日はまだ36km以上歩かねばならない。まだほんの序盤が終わったに過ぎない。大洲郷土館に戻ってお礼を言おうかとも思ったけれど、先が長いし時間的にもさほど余裕があるわけでもなく、当初の予定通り十夜ヶ橋まで休憩なしで頑張ることにする。14km以上あるから休憩を入れてもよかったけれど、山の中の道だから休めるところが見当たらなかった。大洲の街へ下りてくる頃にはカンカン照りで相当気温が上がっていた。肱川の左岸を歩く、初めての道で距離の感覚がつかめず、やや不安を抱えつつ歩く。橋を渡って大洲の街に入ってからも、国道に合流するまでは初めての道なので確信が持てないまま歩く。合流地点はちょっとややこしくて、見当を付けて無理矢理入っていく、予定の道とは絶対違うはずだ。なじみの国道に入ってようやく一安心、さほどの遠回りもなかったようだ。国道に入れば十夜ヶ橋まで2km足らず、この時間このあたりを歩いているお遍路は皆無だ。宇和町から来るお遍路でも、正午を過ぎるのが普通。11時11分にようやく別格八番十夜ヶ橋永徳寺に到着する。おかしい、下りばかりだったのに時速は5.8kmしか出ていない。距離は長く休憩も入れなかったけれど、ペースはそんなに悪くなかった。地図に載っている距離の表示が正確ではないのかもしれない。市街地の距離は地図ソフトで正確に計れるけれど、山道の距離は地図に書かれているものを信用するしかない。
 十夜ヶ橋の納経所も無口な坊さんだった、でもこちらも嫌な感じはなくいたって普通だった、仕事さえ普通にして貰えればそれで充分という意識がぼくの中にある。手洗いを済ませ15分ほどの休憩、まだまだ安心できないほどの距離が残っている。ここから内子まで8km、内子から宿まで14.2km。この時間でようやく中間地点というのは、今までにない遅さだともいえる。最初予定していた大瀬の館がとれなくて4.5km先の宿にしたので、距離が伸びた分電車に乗ろうかとも思ったけれど、調べて貰うと適当な電車がなかったので、全部歩くことにした。内子まで休む気はなかったけれど、歩き始めて20分ほどの所に郵便局があったので思わず入ってしまった。今日は連休明けで大瀬の郵便局でお金をおろすつもりにしていたけれど、早い方が安心。ここまで20日間で支出総額は95000円、残金は15000円になったいた。十夜ヶ橋では水を汲めなかったので、郵便局でペットボトルに水をくんで貰う、お礼を言って5分の休憩で出ていく。気温がどんどん上がって普通に歩けている感じがしない、疲労をあからさまに感じながらの歩きになっている。しかし、意外なことに内子駅までは例年以上の早さで着いた。でも例年はふるさと旅館からの距離で、十夜ヶ橋から換算した時間なので正確なものではない。内子駅前のスーパーで明日の食料を仕入れる、アクエリアス500ccを一気に流し込む、相当乾いているし、相当疲れている、自覚症状たっぷりだ。スーパーの前にボックスがあったので3日後の宿「コスタブランカ」に予約を入れる。昨年と同じで「何か食べられないものはありますか」と訊いてくれる。ぼくは納豆が苦手だけれど、昨年は思わず「ありません」と返事したら、朝納豆が出た。生涯3度目の納豆だったのですが、「美味しんぼ」を読んで知識を仕入れていたので、さほど抵抗なく食べることができた。今年も1年ぶりの納豆を食べてもいいと思ったので「ありません」と答える。
 1時を過ぎていたのでほとんど休憩をとらない、まだ2時間以上歩かねばならないのだ。内子町営バスがあることは帰ってから判ったけれど、むしろ知らなくてよかった。やっぱり108ヶ所は最初で最後だから全部歩く方が絶対よかった。でも歩き始めると気温は最高潮になるし、疲れも最高潮でまともに歩けている感じはしなかった。とにかく歩き続けること、辿り着くことだけを意識しているような感じだ。本当は泊まるはずだった大瀬の館の近くの休憩所へは4分もの遅れ、2時48分。4時までには着ければいいと思っていたから、その目標はクリアしている。12分の休憩で本日最後の4.5kmにいどむ。目標値はないからただただ気楽に歩きやすいように歩く。3時44分に到着、この間の時速は6.15km、平地ではあり得ない遅さだけど仕方のないところだろう。
 民宿来楽苦は初めての投宿、2食付き6500円、素泊まり5000円。洗濯無料、乾燥機300円。

 20日目の歩行距離 47.2km
        歩行時間 8時間07分
        平均時速 5.82km