WALKER’S 

歩く男の日日

最強区切り打ちお遍路さんの話

2024-06-10 | 日記

 知り合いの東京在住の区切り打ちお遍路さんが今年の3月で3巡目を結願して大型連休に4巡目を始められた。
 ぼくの知る限り、彼女が最強のお遍路さんだと思っている。仕事を持ちながら区切りで全部歩かれる、しかも東京からの往復。それだけでぼくなどは絶対太刀打ちできないと思ってしまう。ぼくのような時間が自由になる通し遍路はある意味らくちんなお遍路だと彼女を見ていると痛感させられる。彼女のことを知ったのは今から9年前、偶然彼女のお遍路ブログを見つけて以来毎日欠かさずチェックしている。お遍路ブログは数えきれないくらいあるけれど彼女のをお気に入りに登録した理由は一つ、宿の料金が細かく記載されて確実に参考になったから。アルコールと宿代をまとめて記載する人が多い中、彼女はきっちり分けていたので宿代を確実に把握することができた。お気に入りに登録しているもう一人の人も同じ理由から、宿代を記載しないブログに用はない。そして二人とも現在も歩き続けているから今の宿の料金がチェックできる。どんなに素晴らしい見事なブログでも1回きりのお遍路となるとどんどん古くなって宿の料金などは全く参考にも何もならなくなってしまう。今生きているブログでないとお遍路ブログとしては価値がないとぼくは認識している。
 東京からでも区切りで何巡もしている人は少なくない、けれど彼女がすごいのは四国と並行して西国も全部歩いて巡っている。四国の3巡目は18年3月に始めて24年3月に結願、間にコロナがあったのでずいぶん時間がかかったように見えますが、19年3月から西国歩きを始めて24年2月で32番観音正寺まで進んであと60kmほどを残すのみ。つまり1300kmほどをすでに歩いている。西国を歩いて巡る人は極めて少ない。歩いて巡る場合ほとんどの人が泊まるという与謝野町の旅館で聞いたところによると、全部歩いて巡る人は1年に10人ほどだとか。それを東京からの区切りでとなると稀中の稀。さらに彼女は16年2月から22年10月まで東海道も全部歩いている。四国の2巡目は16年9月から18年3月まででこれは別格も含めて乗り物は一切使わず歩ききっている。1巡目は14年9月から15年5月までの10回の区切り、しかも往復はほとんど夜行バスだ。このバイタリティにはとてもかなわない。
 そんな彼女も6月7月8月には歩いていない。
   女子一人完全歩きお遍路旅!


帰宅して1ヵ月

2024-06-08 | 日記

 明日で帰宅して30日、最初の1週間は毎日四国を歩いている夢を見た。ふと目が覚めてここはどこの宿?と思ったこともある。実績の印刷も終わってクリアファイルに放り込んだ、20ポケットの新しく買ったファイルに今までの実績を入れなおすと満杯になった。最初の3回分はちゃんとタイムを記録していなかったから20巡分のタイム記録がきれいに収まったという次第。それにしても今回のタイムは異常だと見直しながらつくづく思う。逆の見方をすれば昨年までのここ数年の歩きは10年前15年前から比べれば確実に衰えていたのだとはっきりした。毎日10km歩いているからそれで十分、四国に入って40km歩いて足を痛めることもないからそれで十分だろうとずっと同じようにやってきたけれど、老いや衰えはほとんど目には見えないものの確実に忍び込んでいたということ。今年の正月からウォーキング以外の運動を加えたことによってその加齢ダメージを大分払拭できたと数字が物語っている。いつもと違う歩きができているという実感はあったけれどここまでとは思わなかった。ベストタイを出そうとすれば時速6.45~6.65kmで歩かねばならない。厳しいところと楽なところがある。厳しいところでは少し意識しなければならなかったけれどそうでないところでは普通に歩いてベストタイだった。足が自然に前へ前へと出てくれる感じ。股関節周りの筋肉の動きがより滑らかになったと実感する。大殿筋と中殿筋をしっかり鍛えると坂登りが本当に楽になる。焼山寺でも雲辺寺でも一度も立ち止まって息を整えることはなかった。最後の日も20km休みなしで歩いて全然疲れなかった。バランスよく筋肉がついてくれると本当に疲れないし関節を痛めることもない。
 それでも力の出せなかったところもあります。一番ひどかったのは下坂場峠とその先のひわ田峠、公式記録では24℃だったけれどそれでも暑さがこたえて水も塩も山道に入る前に切れてしまった。雨の足摺もひどいものだった、風も強くて9kmの区間でベストより15分も遅れるとは。そして天気がよくても調子がよくても絶対にタイムが出ない山下り、鶴林寺、峠御堂、横峰寺、雲辺寺。今回も完全にお手上げだった。 それぞれ5分以上の遅れ、それなりに体は動いているはずなのに全く太刀打ちできない。下りは経験を積めば積むほど怖くなって知らずのうちに慎重に及び腰になってしまうようだ。


24年春遍路の実績

2024-06-05 | 日記











  ◎   ベストタイム更新
  =   ベストタイ
  ー1  ベストより1分遅れ
  空白  ベストの記録がない区間

 ベストタイ以上で歩けたのは96の区間で全体の59%、この15年でベストタイが5割を超えたのは今回だけではなかったかと思います。
 昨年の秋はベストタイで歩けたのは30の区間で全体の2割に満たなかった。わずか半年でこの大きな違い。


春遍路 香川の宿②

2024-06-03 | 日記


28日目の宿は80番国分寺の東3.3kmのところにある「お遍路ハウス三条」、5年ぶり2回目の投宿です。遍路道からかなり離れているので使いにくいけれど料金が2800円なので捨てがたい。今回は八十場から端岡まで電車に乗りました。前回来た時と部屋のレイアウトが違っているような感じ、リノベしたのか記憶が曖昧だったのか。いずれにせよ設備は十分で快適でした。詳しい場所はお遍路ハウスのサイトから。Wi-Fi あり、ウォシュレットあり、洗濯+乾燥300円、浴衣なし、テレビは居間にあります。




29日目は高松の中心、琴電花園駅の近くにある「ゲストハウス若葉屋」、7回目の投宿です。ゲストハウスだけどちゃんと湯船もあるし和室の個室で4000円、高松でゆっくりできる宿はここ以外思いつかない。Wi-Fi あり、ウォシュレットあり、洗濯100円乾燥なし、浴衣なし、テレビは居間にあります。




30日目の宿は志度寺の550m手前にある「たいや旅館」、初めての投宿です。素泊まり3800円、Wi-Fi あり、ウォシュレットあり、洗濯無料乾燥200円、浴衣あり、テレビあり。夕食はないので同宿の人との語らいはありません。お遍路さんは3人くらい泊っていたようです。




31日目最終日の宿は引田駅の近くにある「お宿&カフェバー もか」、初めての投宿です。

予約したときは素泊まりのみだったのですが途中でメールが入って2食付きになりました。おかずの量がちょうど良くてごはんが大盛2杯食べられて大満足。同宿はありませんでした。お母さんの伊藤陽子さんに宿案内のプリントを渡してくださいと託しました。伊藤陽子さんには昨年の11月2日、大岐の浜の近くで会っていた、その時はすれ違って挨拶しただけ、もちろん伊藤さんかどうかも分からなかったけれど帰宅してInstagram をチェックしていたら彼女のザックの色で間違いないと確認できた。そのことを話したらご主人が電話で伝えてくれてすごくびっくりしていたとのこと。これでライブでチャットしている人8人に会ったことになる。

朝食も山盛り2杯食べるのにちょうどいい感じで大満足でした。
2食付き6000円は安い、今どき6000円台の遍路宿を探すのは容易でなくなってきている。Wi-Fi あり、ウォシュレットあり、洗濯無料乾燥なし、浴衣なし、テレビは食堂にあります。


春遍路 香川の宿①

2024-06-02 | 日記


27日目の宿は琴平駅から1.4kmのところにある「お遍路ハウス象頭の里ことひら」、3回目の投宿です。本山駅まで歩いて14時43分の電車で琴平まで来ました。この家1組限定1棟貸しで1人当たり3000円(素泊まり)です。素泊まりとはいえ朝食おにぎりのお接待があります。夕食は600円。3600円で1棟貸しで2食付き、破格中の破格です。琴平駅まで送迎もあります。Wi-Fi あり、ウォシュレットあり、洗濯乾燥300円、浴衣なし、テレビあり。
 民宿岡田に泊まると次の日大半の人が観音寺の近くの宿に泊まる、そしてその翌日は善通寺の近くの宿になる。善通寺の宿坊は歩き遍路さんなら1度は泊まってみたい。でも近頃は団体の予約が入っていて満室だと断られることが多い。でもそれは嘘で、実際は団体の予約が入っていないので断られる。大浴場がめちゃくちゃ大きいので一人二人の予約では受けられない、この話は公認先達さんに直接聞いた話だから間違いない。宿坊がだめだと善通寺の近くには二つのホテルがあるけれどこれははっきり言ってお勧めできる宿ではない。とにかく設備が古くて使いにくいしステーションホテルには Wi-Fi もない。安心して泊まれる宿は「風のくぐる」だけです。風のくぐるは部屋数が多くなくて観光の人も多く利用するので数日前の予約では満室になることも珍しくない。そういう時こそ1駅電車に乗ってこの宿に行ってほしい。満室でなくても第1候補でも行ってほしい。風のくぐるは個室で素泊まり4000円、象頭の里は2食付きで3600円。地図に載っていないからほとんどのお遍路さんが知らない、お遍路ハウスは外国人お遍路さんはよく知っているけれど日本人には全くといっていいほど認識されていない。大半のお遍路ハウスはへんろ地図に載っているからそれと知らずに利用されることは多いけれど、この「象頭の里ことひら」「ティコゼ」「そふぃあ」「三条」などは地図に載っていないからその存在すらいまだに認識されていない。もったいないと思いませんか。
 いますぐお遍路ハウスの会員登録をして下さい。そして善通寺に行ったら先ず「象頭の里ことひら」に予約を入れてみましょう。
     お遍路ハウス会員登録(アカウント作成)は無料


春遍路 民宿岡田(さらに)

2024-06-02 | 日記

 夕食が一段落しかけたところで宿案内のプリントを同宿の3人に渡す、明さんには以前渡していたけれど今回だいぶ値段の変更があったので新しのと前のとを交換する。写真に撮っていかれるお遍路さんがいると話してくれた。ここまで来るとあとは香川県だけだからそんなに必要ないと思ったけれど、もう1巡するときに重宝する人もいる。実際ここで写真を撮った人に会ったことがある。その人は九州の人で43番から順打ちで歩き始めたので岡田はまだ前半だからかなり使えると思った、宍喰のコンビニでプリントを渡したらそういうことを話してくれて実際に制作者に会えたと感激してくれた。
 隣に座った逆打ちの女性にぼくのブログを紹介したら、walker’s さんですか?Twitter で見たことあります、と。でもブログの方は知らなかったみたい。Twitter にも Instagram にもブログのリンクは張り付けてあるけどなかなか跳んでくれる人は少ないようだ。ブログに辿りついてもスマホ版で出ることが多いからブックマークやカテゴリでより多くの情報まで行けていない人がほとんどというのはちょっと歯がゆく感じることもある。
 明さんから中務茂兵衛や衛門三郎の詳しい話が聞けて同宿の3人は大いに感心していた、すねどらさんはライブでも話題になっていた免許更新のときの認知症テストの話を尋ねて明さんが面白おかしく話すものだから一同大盛り上がり。前回来た時千鶴さんと話したように、4人くらいまでが十分なお世話をしたり夕食の時にお話をするのにちょうど良いというのは本当に納得のいくところ。シーズン中だとあぶれる人のほうが多いということにはなるけれどそれはもう仕方のないところでしょう。ゴールデンウィーク以外であれば1か月半前にすれば大体予約はとれるはず、オフシーズンだと1週間くらい前でもとれることはあるようです。

朝食のときに明さんから「次はいつ来るの」と訊かれた。11月下旬にまた来ますと即座に返答する。このお宿でそういうことを訊かれるお遍路さんはそうはいない、百人に一人もいないかもしれない。ここに来るのを楽しみにしているお遍路さんは何百人もいるけれど、来るのを楽しみにしていると言われるお遍路さんはほんの一握りだろう、とても光栄でありがたいことです。元気に戻ってこられるようあと半年練習もしっかりして食事もきちんとして健やかにすごさねばと身の引き締まる思い。