WALKER’S 

歩く男の日日

13日目 (3) 岩本寺

2008-07-04 | 08年四国の旅
 最後の急坂、急階段も快調にとばし、昨年より1分早く七子峠に到着。11時14分、岩本寺までは2時間ほどだからたっぷり休まなくてはいけない。七子茶屋の前にあるベンチで休む。追い抜いてきた人たちが続々とやってくる。茶屋に入る人もあり、自動販売機の飲み物で一息入れる人、もってきたお弁当を食べる人、さまざまです。ぼくの隣に麦わら帽の男の人がやってきた。地図を広げて考え込んでいる。聞くと、大坂道を来ないで国道を来たという、大坂道の存在を知らなかったらしい、国道が大変だったので、ここから脇道があるか尋ねられる。ちょっと遠回りになるかもしれませんが、というと、そんなの構わない、と言う。よほど国道の往来の激しさに懲りたようだった。国道には歩道がないのだ。入り口を教えてあげる。彼以外にも国道を来たであろう(途中で追い越さなかった)人がやってくる。めがねをかけた若い人がすごい勢いで前を通り過ぎていった。
 充分休み、食事もとったので、茶屋の横にあるボックスで明後日の宿に予約を入れる。昨年初めて泊まった足摺の民宿北村に電話すると、何と廃業したとのこと、お父さんが亡くなって気力がなくなったと女将さんが言う。近くの民宿はっとを紹介される。15日目で初めて断られた、ちょっとショックを受けるが気を取り直して別の宿に連絡する。ぼくは足摺からの打ち戻りは東岸を行くので、金剛福寺に近い宿から順番に電話する。第2候補は足摺ユースホステルに決めていた、会員でなくても4000円以内で泊まれるはずだ。しかし、満室だった、空いているのは女性の相部屋だけということでした。第3候補は足摺八扇、しかしここも断られる、満室とは言われなかった、当日行ってみると入り口のシャッターが下りていた、連休の前日だったことからして廃業していると思われる。次、民宿うしお、こちらははっきり廃業したと言われる。次、民宿第一あしずり、こちらも廃業、金剛福寺からだんだん遠ざかっていく。6軒目は民宿田村、金剛福寺から900m離れたこの宿でようやくOKを貰える。もう汗びっしょり、峠を登ってくるくらいの汗をかいたような感じだ。もう少し早く発つつもりだったのに50分近くここに留まってしまった。ほかの歩きの人はもうほとんど出たあとだった。
 七子峠からの脇道の最初の部分が新たに舗装されて歩きやすくなっている。次の休憩地は脇道から国道に入ってすぐの遍路小屋、わずか3.5kmだけど、ほかに適当なところがない。残りは9.7kmなのでかなり変則的ですが、不思議なことにこの10kmはいつもとても短く感じるのです。昨年もそうだったし。今年もすごく快調でおもしろいくらい速く歩けている実感がある。七子峠を先に出ていった人たちを次々追い抜いていく、中には初めて見る顔もある。昨日トンネルの手前で見かけた男女ペアもいた。この日ぼくが追い抜いた歩きの人は16人、岩本寺で追いついた人が2人。岩本寺には2時12分に到着、昨年より30分出発を遅らせたのでちょうどいい時間だ。お参りを終えると、3日後の宿が気になったので予約を入れてみる。昨年行ったとき連休中でもほとんど客は来ないと、ご主人が言っていたのですが、事情は変わっていたようで、ほぼ満室だが何とか大丈夫、という返事をもらう。10分ほど休憩して宿に向かう。その前に郵便局でお金をおろす、13日間で6万2千円の支出、まだ2万円ほど残っているけれど、すぐ連休が始まるので6日先の分まで必要なのだ。コンビニで食料を仕入れ民宿村の家に着いたのは2時55分。玄関を入るとリュックが二つ置いてある。同宿の人が荷物を置いてから岩本寺へ向かったようだ。往復1kmほどですが1日の最後だから、できるのであれば楽したいというのも人情でしょうね。
 民宿村の家(むらのいえ)は4回目の投宿です。1回目はまるか旅館(素泊まり4500円)2回目は伊予屋旅館(素泊まり5000円)に泊まったのですが、どうしても値段が高いので3回目はこの民宿を見つけ、以来ずっとお世話になっています。素泊まり3500円、3室だけのこぢんまりした宿ですが、居心地はよくて女将さんもすごく優しい。朝はコーヒーとバナナをサービスしてくれます。

 13日目の歩行距離 30.3km
        歩行時間 4時間51分
        平均時速 6.25km