WALKER’S 

歩く男の日日

13日目 (1) 土佐久礼のバス停

2008-07-02 | 08年四国の旅
 柳屋旅館の素晴らしいところは、何といっても女将さんの人柄と気遣い。今年も、離れの部屋を一人で使ってくださいと、案内してくれる。部屋に通ると、お風呂は早い方がいいですよね、「はい」、すぐ用意します。このお風呂がまた素晴らしい。今まで泊まった中で最も気持ちの良い大好きなお風呂です。母屋の部屋は歴史を感じさせる趣のある作りですが、風呂は完全リフォーム、一人風呂としては十分な広さで、明るく清潔感があります。いつまでも入っていたいという気になる。去りがたいお風呂というのはここだけです。同宿の人はまだ来ていないので、いつもより時間をかけてゆっくり楽しむ。
 5時を過ぎると同宿の男の人がやってきた。女将さんが慌ててやってくる。何でも女のお遍路さんの予約を受けていたのを忘れていたとかで、男の人をぼくの隣の部屋に泊めさせてほしいということだった。もちろん何の問題もないので気持ちよく同意する、せっかく一人でゆっくりして貰おうと思っていたのに申し訳ないと平謝り、そんなに気にすることもないのに、女将さんは恐縮しっぱなし。その気持ちだけで充分ありがたい。
 翌日は朝8時の出発、今日歩く距離は30kmなのでゆっくりです。帳場に行って支払いをすると、昨日のことが申し訳ないと300円おまけしてくれる。そんなに気にすることもないと思うけれど、気持ちですからありがたく頂くことにする。あわせてバナナとお茶も持たせてくれる。お茶は綾鷹350ccボトル、前から飲みたいと思っていたお茶だ、本当に何から何までありがたい、暖かい遍路宿です。去りがたいけど、行くしかない、玄関で何度も何度もお礼を言ってようやく37番へ向かう。離れていくのではない、来年ここに戻ってくるのだから、歩けば歩くほど近づいているのだと思い直しながら歩を進める。
 同宿の人たちは1時間くらい早く出ている、須崎に泊まったに人も安和に泊まった人にも、なかなか追いつかないだろう。