WALKER’S 

歩く男の日日

16日目 (2) 三原村

2008-07-12 | 08年四国の旅
 金剛福寺から2kmほどで最初の人とすれ違う、見るからに野宿遍路、接待所で泊まったに違いない。次は津呂の集落に入ったところで、竹林寺で会った女の人が来た。挨拶しようとしたら、先に向こうから「おはようございます」と言ってくれた。あのときとはちょっと印象が違った。そのあとは窪津の町へ下りていく短絡路に入るところで、麦わら帽の男の人がやってくる。彼と会うのは4回目だ、健闘をたたえ合って別れる。窪津の町を過ぎたところでは、雪蹊寺で会った女の人が来た。大柄な女の人と二人連れ、向こうもぼくのことを覚えていたようで、笑顔で挨拶を交わす。そのあとも4人くらいの人とすれ違うけれど、初めて見た顔ばかり、そして、県道を離れて短絡路に入っていくところで、中村の手前のダイソーで会った人が来る。山道は滑りやすいから気を付けて、と注意してくれる。でも、いやな予感がした。この道を行くのは、行きが6回目、帰りが2回目、こんなベテランをつかまえて、と思ったらもう負け、案の定下りの山道で足を滑らせてしりもちを付く。
 以布利漁港で手洗いを済ませ、最後の坂道も気合いを入れて登ったけれど、幡陽小学校に着いたのは1分遅れだった。足の調子は悪くはなかったけれど、去年のような抜群という感じではなかったし、やはり天気が良すぎて午前中ながら気温もかなり上がったのが影響したかもしれない。14km歩いて1分だから誤差の範囲ともいえるけれど、歩いた感じは確かに違ったのでした。20分の休憩で久百々へ向けて出発、さらに気温が上がっている、力を入れるほど汗が噴き出す。とても快適な歩きとはいえず、こんどは6km弱で1分の遅れ。ボックスで4日後の宿、大瀬の館に予約を入れるものの満室、この宿は1日1組しか泊まれないから仕方ないともいえるけれど、連休は終わっているし4日前だし、と愚痴もこぼれようというもの。代わりの宿は落ち着いてから考えることにする。
 相当汗をかいて疲れたので、ここでは30分の休憩、10時30分に出発する。1kmほど行くと、前から外人の男の人がやってくる。両手に登山用のステッキを持って相当疲れた表情だ、橋の上でも杖をついている、そういう細かいマナーはなかなか知る機会もないかもしれない。挨拶をしたが返してくれなかった。ぼくは毎年1組は外人のお遍路さんに会って挨拶をしたけれど、みんな日本語で「こんにちは」と返してくれた。挨拶してくれなかったのは初めてだった。下の加江のコンビニでは余程休もうかと思ったけれど、出てきた勢いがなくなるのがいやだったのでそのまま行きすぎる。しばらく行くと、土佐久礼の駅前で道を訊いていた二人組がやってくる、相変わらず無愛想。そのあとはブルーのシャツの男の人が来る、もう38番へ行って来たの、とびっくりした表情。彼らは今日は中村の近くから来たようだ、岩本寺から中村までの43kmを2日で来たことになる、岩本寺からは2日で中村まで行く人と、安宿か久百々まで行く人に別れる、久百々までだと60kmくらいだから1日30km。
 ドライブイン水車に着いたのも昨年より1分遅れ、もう正午が近くこの暑さでは仕方のないところだろう。25分の休憩の間に750ccの水を流し込む。今日の休憩はあと1回なので水の補給は500ccだけにする。ここまでにすれ違った歩き遍路は30人、昨年より8人少なかった。