モーツァルトを生で聞くと、管楽器の聞こえ方が違う。吹いている人が見えると自然にそちらの方に目がいって、管楽器の出番を確認しながら聴くので、はっきり意識しながら聞くことができる。全体の中での役割や音色も確かめながら聞けるのが本当にいい。木管楽器の中で一番出番が多く、かっこいいのはファゴットだということがよく分かる。クラリネットの出番は本当に少ないけれど、出てきたときの存在感の大きさ、その天国的な美しさにはほれぼれしてしまう。クラリネットの良さを最大限発揮するには、あれだけの限られた場面、限られた音楽でないとうまくいかないのかもしれません。
また新しい情報が入って、今年の計画を一部変更することになりました。愛南町では観自在寺の宿坊に泊まる予定だったのですが、昨年お世話になった民宿磯屋の素泊まりの値段が観自在寺と同じ3500円だと分かったので、今年も磯屋にすることにしました。磯屋の方が、当日、翌日の距離の差が少なくて都合がよい。今年は連休をはずしたから昨年のようなことはないだろう。
それ以外にもいくつか新しい情報を見つけました。宇和島市三間町に新しい民宿ができていました。宇和島市津島町の宿に泊まると、翌日、多くの人は仏木寺近くの「とうべや」に泊まるのですが、この距離が28km。20km前後の距離しか歩けない人にとってはちょっときつい、そういう人にとっては本当に都合の良い宿です。津島からだと23km,JR務田駅の近くにある「民宿みま」です、2食付き6500円、素泊まり4000円です。ぼくも、第1候補の「もやい」が満室の場合この宿に泊まることができる。磯屋からだと44kmになるけれど、不可能な距離ではないし、翌日の距離も上手く調整できる。
今年も5番は超難曲です。昨年の5番は音楽の構成そのものが難解ではあったけれど、逆にどのパートが何をやっているかもよく分からないのである程度のごまかしが利いたし、善し悪しを判定することもほとんど不可能のように思われた。それに比べて今年の5番は音楽の構成は分かりやすい、しかし演奏すること、指揮することは全く不可能ではないかと思われる。分かりやすいだけにごまかしが全く利かないのだ。細かい音符の細かい掛け合い、テンポが速く、シンコペーションでおまけに変拍子、これ以上合奏するのが難しくはできないような音楽の構成だ。昨年の関西大会では24チームの内5番を演奏したのは8団体、今年はおそらく0団体になるでしょう。聴く方からすれば分かりやすくておもしろいので、できるだけ多くの団体に演奏して欲しいのですが。
3番は技術的にはそう難しくはないけれど、中間部のサックスのソロはめちゃくちゃ怖い、木琴のリズムとバスーンのオブリガート、この3重奏の緊張に耐えられる指揮者がどれくらいいるか。リズムとメロディがちょっとでもずれるとすぐ分かる、音楽がたちまち崩壊しそうな危険を常にはらんでいる。
昨年の3番と5番は聴いていて本当につまらない曲だったけれど、今年の3番5番はむしろ他の曲より聴きたいおもしろみがある。でも実際演奏する団体は昨年より少なくなることは間違いない。
3日休むと、筋肉の張りもだいぶ和らいで、先月とはちょっと違った軽い歩きができました。18km歩いて、中間部分では時速6.85kmを出すことができました。この冬で最も速い速度です。
近畿5府県(奈良以外)の小学校3校、中学校9校、高校13校、計25団体が持ち時間7分でマーチングの演技を披露する。ほとんどの中学、高校は3年生が抜けて新チームでの最初の演技になるけれど、箕面自由学園高校と、向陽台高校は3年生も加わっています。少ないチームは30名くらいですが、武庫川女子大学附属中学校・高等学校などは5学年なので、100名近い大人数での出演、ステージの半分以上が人間で満たされて動きがかなり制限されている。
3000人の吹奏楽と比べると、やはり合同バンドでの演奏がないので相当精度が高い。そして音が全部きっちり聞こえるのが何といってもありがたい。京セラは屋根はあるけど、どうしても満足のいく音量やバランスはほとんど望めなかった。あれだけの大編成の大音量でも、実際客席に届く音はその半分にも満たないようなもので、音量を無駄に出しているような感じがしてやるせない思いをすることが常だった。京都会館はもちろんそんなことは一切なく出した音は全部客席に届く、ただ届きすぎて太鼓がうるさすぎてバランスを台無しにしているチームもいくつか見られた。あんな普通のホールで5台以上のバスドラムが思い切り叩いたらどうなるか、音楽性を全く理解しようとしないバンドがあったのはいくらマーチングバンドとはいえ残念だった。
そんな中、最高に創造的なマーチングを展開して見せたのが、箕面自由学園高校でした。箕面自由学園といえば7年連続日本一になったチアリーダー部が有名ですが、今回はバンドだけの出演。でもそのステップと振り付けの細かさ素早さは本当に舌を巻くくらい素晴らしいものでした、音楽とぴったり合った振り付けが留まることなく続いて全く飽きさせることがない。「アメリカ」「クール」「マンボ」それぞれの曲のリズム、拍子にぴったり合わせて(マーチングではなく)ダンスしながら演奏しているという感じです。一段上、二段上のマーチングを見せられたという感じです。こういうすごいマーチングを見せられると、今までのような普通のマーチングを見たときに、何も感じなくなってしまうのが怖い。大変な苦労や努力をしなければ一つのマーチングステージは完成しないことは、頭では分かっていても、最高のものを見てしまうと、どうしても失望したりけなしたくなってしまうのが人の常なのです。