WALKER’S 

歩く男の日日

早稲田摂陵高校ウィンドバンド 第59回定期演奏会

2018-02-27 | 演奏会

第1部 フォーマルステージ
  ブライト・ライツ      R・シェルドン
  エッセンス・オブ・ユース  S・ルールス
  歌劇「アンドレア・シェニエ」U・ジョルダーノ
第2部 ゲストステージ  Brass Band H.B.B.
  スルー・ザ・フレームズ   P・ロヴァット=クーパー
  キャッツ・テイルズ     P・グレイアム
   1,カタロニア(エルマー・バーンスタインのために)
   2,キャット・ウォーク(ヘンリー・マンシーニのために)
   3,スキャット(ソニー・ロリンズのために)
   4,キャットメナップ(ジョージ・ガーシュインのために)
   5,トッカータ(レナード・バーンスタインのために)
第3部 コーラスステージ
  おしゃれな気分できれいに歩こう 横山潤子作曲 さねよしいさ子作詞
  南の絵本            横山潤子作曲 岸田衿子作詞
第4部 カジュアルステージ
  カーテン・アップ      A・リード
  リトルプリンスメドレー   高田浩
  サンダーバード       B・グレイ
  雷神            J・P・スーザ
  ローリング・サンダー    H・フィルモア
  ビバ!チャイコフスキー   鈴木竹男 編曲
アンコール
  ステージマーチング 
    スーザメドレー 士官候補生~雷神~ワシントンポスト~忠誠
            ~エルカピタン~海を越える握手~キングコットン
            ~星条旗よ永遠なれ~マンハッタンビーチ
  エピカニクス~虹~勇気100%
  グッドフェローシップマーチ

 ぼくの席は前から3列目、目の前は3rdクラリネットのすぐ後ろにあるハープ。だからクラの音が一番ダイレクトにはっきり聞こえました。生のクラの音がこれだけのバランスで聞こえることなど滅多にないから、すごく嬉しかった。しかもクラは12本、61人の編成で12本は近頃見かけないバランス。終始クラの細かい動きがはっきり聞こえて楽しめたし、雷神では3番クラの裏のメロディを初めて耳にして新鮮な驚き、雷神は大学時代の暗譜のマーチで依頼演奏やパレードなどで何百回と演奏したけれど3番があんなメロディを吹いているとは思いもしなかった。バイトではメンバーが十分揃わないことが多くて1番を吹くのが常でした。
 チャイコフスキーの最後の部分はスラブ行進曲の最後の部分が演奏されます。クラリネットのかわいいメロディから始まってコーダへ向かう、高校時代、指揮者として一番しっかり練習した曲がスラブ行進曲だったので本当に懐かしく聴きました、しかもあのクラのメロディの所が一番好きだった。そしてその曲がコーダに入ろうとするところで、3年生がタンバリンを持って舞台の最前列に横一列、マーチングなどで時々見られるタンバリンダンスを見せてくれます、淀川工科高校の乾杯よりもずっと感動的でした、鈴木先生のアレンジだし、これぞ阪急という振り付けだし、ぼくの一番の想い出の曲でもある。それらがないまぜになって曲が終わるときには自然に涙がこぼれてきました。
 そして、これが本当の大とり、マーチングも全てがぼくの中学、高校、大学での想い出の曲ということもあって、涙ものでした。吹奏楽の一番楽しいところ、良いところをはっきりくっきり見せて貰って本当に嬉しくありがたい思いで帰路につくことができました。 


淀川工科高校吹奏楽部 第46回グリーンコンサート

2018-01-23 | 演奏会

 祝典序曲          ショスタコーヴィチ 星組
 翼を下さい         宮川あきら 編曲  星組
 カーペンターズフォーエバー 真島俊夫  編曲  3年生
 大阪俗謡による幻想曲    大栗裕       2年生
 ボレロ           岩井直溥  編曲  OB
 星条旗よ永遠なれ      スーザ       1年生
 ディズニーメドレー     岩井直溥  編曲  1年生

 
  ソウルシンフォニー         岩井直溥   編曲  2-3年生
 アルメニアンダンス パート1    A・リード         2-3年生 
 ふるさと                 立田浩介   編曲  2-3年生
 アイーダより凱旋行進曲      ヴェルディ        2-3年生
 ザ・ヒット・パレード                        2-3年生

 今年は3年生51名、2年生56名、1年生76名、3年生と2年生は例年に比べてちょっと少ないので、3年生のバンドには2年生が数名、2年生のバンドには1年生が数名応援に入っていました。
 先ず書いておかねばならないのは1年生の星条旗、トリオのピッコロは6名、経験者は1人なのにきっちりはっきりよく吹けているどころか、リピートして金管が全部加わった状態でもはっきり聞こえていました、見事。
 アイーダは淀工の演奏で今まで何回か聞いているけれど、何度聴いてもやっぱり惚れ惚れ、金管がどれだけ鳴っても木管は聞こえてくる、トランペット22本にクラリネット16本だけど負けていないし、バランスは全ての場面で心地よく響いてくれます。バンダはOB25名が加わったのですが2階の一番前の方だったので3階で聴いている分にはサラウンド効果や迫力はいまいち感じられませんでした。とにかく広いですから。130名が思い切り鳴らしたフィナーレでも本当に上品で美しい響き、この曲だけは身体の芯からグ~っとこみ上げてくるものが押さえきれない感じです。
 1年生のクイズコーナーでバリトンサックスの男子が紹介されると、彼の二人のお姉さんも淀工でサックスを吹いていた、さらにお母さんもサックスの経験者、家でサックスカルテットができる。ホルンの女の子は東京の中学校出身、中学の時に淀工と交流があって、どうしても淀工で吹きたいとお母さんと二人で大阪へ移り住んできた、その他にも親子で淀工という人もいるし、兄弟で淀工というのは本当に多くなったと二人の先生が語っていました。丸谷先生72才、司会の田頭先生80才、45年前から変わらぬコンビです。


花祭り

2017-04-09 | 演奏会


 昨日は花祭り、お釈迦様の誕生日、各地で桜の開花が1週間前後遅れて、ちょうど満開になったところが多かったとか。ぼくの近所の並木でも一気に満開になりました。でもあいにくのお天気。
 昨日は大阪でクラリネット奏者の北村英治さんのコンサートがありました。宝塚から続きを歩いてその帰りに大阪に行けば電車賃が1500円ほどうくので、そのつもりで朝早く出かけたのですが、天気予報は大いにはずれてしっかりした雨が降っていて霧も出ていたので、宝塚に着く手前で歩くのは諦めて、そのまま宝塚線で大阪に向かい7時間ほど梅田界隈で時間をつぶすことになりました。4年前四国で歩けなくなったときは時間をつぶすのが大変だったけれど、梅田はワンダーランドですから時間はあっという間に過ぎていきます。ヨドバシカメラから大丸内の東急ハンズ、大阪駅の時空の広場で少し休んでその後は紀伊国屋、日頃田舎で暮らしているから人混み雑踏が刺激的で嫌な感じはしませんでした。
 昨日は北村英治さんの誕生日でもありました、昭和4年生まれですから満88才の誕生日、タイトルも米寿記念バースデースペシャルコンサート、こんなに大きな大切なコンサートをどうして大阪で開催されたのかまだ分かりません。東京生まれの慶応ボーイなのに。ザシンフォニーホールは超満員、最初から最後まで会場中が本当に大盛りあがりでした、ゲストの日野てる正さんが、この歳でこんなにばりばり吹いてる人は世界中の何処にもいませんよ、と言われた通り、年齢を全く感じさせない華やかでエネルギッシュな演奏が続きました。ぼくは改めて楽器の中でクラリネットが一番好きだわと、しみじみ感じ入るほどでした。ジャズといえば、サックス、トランペットが主役だと考える人が多いけれど、クラリネットの表現力の豊かさ音色の美しさ、かわいさ、これ以上の楽器はないと断定したいくらいです。


早稲田摂陵高等学校ウィンドバンド 第58回定期演奏会

2017-02-19 | 演奏会



 第1部 フォーマルステージ
      スカイライナー                O・M・シュワルツ
      セレブレーション               P・スパーク
      恋は魔術師より火祭りの踊り       M・ファリャ
      三角帽子より粉屋の踊り、終幕の踊り  M・ファリャ
 第2部 コーラスステージ
      さくら          御徒町凧        作詞  森山直太朗 作曲
      さびしいカシの木  やなせたかし   作詞  木下牧子   作曲
      めばえ         みずかみかずよ 作詞  木下牧子  作曲
      瑠璃色の地球    松本隆       作詞  平井夏美  作曲
 第3部 カジュアルステージ
      マンマ・ミーア             B・ウルバース
      ベルギー落下傘兵行進曲     P・リーマンス
      イングレジーナ            D・チェーゼ
      ヒズオーナー             H・フィルモア
      ミシシッピ音楽の旅
         ミシシッピ組曲~セントルイスブルースマーチ~テネシーワルツ
           ~聖者の行進
 アンコール  ステージマーチングショー
            エスパニアカーニ
            ドレミの歌
            スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
            愛の挨拶
            威風堂々第1番
          グッドフェローシップマーチ

 今年も大阪まで鈴木竹男先生に会いに行って来ました。名前が変わっても学校が二度も変わっても、このバンドだけは常に鈴木先生の音楽に満ちたうれしい楽しいひとときを味わわせてくれます。
 今年も昨年に続き最前列Aの席が当たってしまいました。昨年はチューバの真ん前だったのですが、今年は3rdクラリネットのちょっと後ろ、1部ではハープが、3部ではチャイムが目の前1mのところにありました。最前列は全体のバランスや奏者の姿が一部しか見えないというハンデがあるように思われますが、それはそれで普通の席以上のおもしろみや楽しみ方があるものです。今回はクラの細かい音がダイレクトによく聞こえてくるのが先ず最高でした。ヒズオーナーのトリオのオブリガートなどメロディ以上にたっぷり聞こえて、今まで録音では聴いたことのないような痛快さで、自分もいっしょに吹きたいと本気で思いました。
 第2部は例年はゲストステージですが今年は初めてコーラス、これもぼくは大好きです。昨年はアンコールだったのが格上げになりました。周りに迷惑にならない程度にいっしょに歌いました。全部終わったときのピアノ伴奏の1stクラの女の子のはじけるような笑顔がなんとも印象的でした。笑顔といえばマンマミーアでドラムセットを叩いていた子も終わったときの笑顔が本当に良かった。タンバリンやカスタネットやバスドラムを叩いていた子は鍵盤の時以外は演奏中も終始笑顔で、本当に楽しんでいる感じがこちらにも伝わってきてうれしくなります。
 そして、やっぱりマーチングは最高です。目の前50cmの所でステップやなんかが行われる、半分こちらも参加してるような気分になって、大好きな曲ばかりが続いたこともあって、勝手に盛り上がって汗をかいちゃいました。ラストのグッドフェローシップマーチではこれで終わってしまうのが残念で悲しくて泣きそうになったくらいです。
 これこそが音楽なのだということを改めて思い起こさせるようなひとときでした。1年後が終わった瞬間から楽しみになるような演奏会、それ以上の演奏会があるでしょうか。


近畿大学吹奏楽部 第40回ポップスコンサート

2016-05-03 | 演奏会




 四国の旅の途中ですが、一旦カテゴリーを離れて昨日の演奏会の報告です。
 演奏会の昼の部は14時からだったのですが、その前にグランフロント大阪で「今を描く浮世絵」展があったので、そちらを先に見てきました。富嶽三十六景が全部刷りたてのきれいな色彩で見られたのが先ずうれしいことでした。江戸時代に刷られた本物を何枚か見たことはありますが、浮世絵の本物はどうしても色落ちが激しいので、現代に刷られたものの方が本物に近い色彩で楽しめるという、逆転の現象が起こります。そして、先ず、引きつけられる鉄腕アトムとリボンの騎士とブラックジャック、40000円の値段が付いていたこの3枚だけが売り切れの札が貼られていました。40000円ならぼくだってほしくなります。もちろん手塚治虫の直筆ではないのですが、手塚プロ監修によるものなので直筆の版画、ほぼ本物とみてもいい。ドラえもんと北斎がコラボしたものは販売されていませんでした。富嶽三十六景は28000円、まことちゃんも販売されていましたがこちらは楳図先生の直筆サイン入りですがあまり欲しいとは思わない。
 グランフロントをあとに、上六の大阪国際交流センターまで徒歩で向かいます。時間はたっぷりあるし、足の調子もほぼ完治に近い状態です。むくみは帰宅して5日ほどで完全に消え、痛みも2週間で消えました。3年前途中帰宅したときはおそらく部分的な肉離れを起こしていたと思うのですが、今回はそれほど深刻ではないことは最後の日に20km歩けたことでも判っていました。ただ、横峰を登る自信はなかったし、お参りも途中で諦めるしかなかったので、今回の選択は仕方のないところ。
 ヨドバシで少しPCを見て、プチシャンホワイティを抜け東梅田の所で地上へ出て御堂筋を南下、御堂筋を歩くのは何年ぶりのことでしょう。淀屋橋まではミズノでシューズを買ったり、京阪に乗ったりしたので数年前に歩いたことは覚えていますが、そこから南はおそらくもう何十年も歩いていない。御堂会館は大学時代一度エキストラで演奏をしたことがある。長堀の地下駐車場まで来ると左折して心斎橋筋を歩く、大型連休の最中で混雑しているのは判っていても久しぶりの心斎橋は見ておきたい。三木楽器はあったけれどYAMAHAは消えていた。(検索してみると、昨年の3月、地下鉄四つ橋駅から南へ徒歩3分の所に移転していました)。大学時代に何度も通った戎橋劇場、キリン会館はH&Mに、道頓堀も人混み以上に店構えや装飾がごたごたして隔世の感。堺筋に出ると右折して日本橋の交差点、左折して千日前通りを東へ、この道を歩くのは初めてです。大阪国際交流センターに行くのは2度目ですが、前回は確か谷九まで地下鉄に乗ったはず。

 プログラムにはありませんが、オープニングは岩井直溥作曲「行進曲近畿大学」が演奏されました。ぼくはこの曲が(おそらく)初演されたとき(31年前)の録音を持っていて何10回何100回とことあるごとに聞いてきました。近大の録音はそれこそ何100曲と所有していますが、その中で一番多く聞いてきたのがこの曲です、それくらい近畿大学の校歌が好きだし、岩井先生のこのオーケストレーションも大好きです。吹奏楽を知り尽くしている先生だけに全ての楽器が十二分に生かされてかっこいいし、聞いていて惚れ惚れする。その時の演奏がまたすごい。木管のスピードが最近の演奏ではほとんど聞けなくなったぐらい、力強い。金管群が思い切り鳴らしていても、全然負けていないし陰に隠れることもない。常に木管が聞こえることほど、元クラリネット奏者のぼくにとって痛快なことはありません。
 今回の演奏もなかなか良かったのですが、指揮がちょっと物足りない、近畿、近畿、近畿、の3回リフレインするところはもっと魂のこもった力強い表現がないと盛り上がらない。この曲は指揮者にとってもかっこいい表現がいくらでもできる曲だから、もう少し盛り上げて欲しかった。岩井先生の作品としてはもうひとつ近畿大学讃歌という曲もあります。こちらもまた素晴らしい。ぼくの希望としては定期演奏会のオープニングでは讃歌を、ポップスの方では行進曲を毎回演奏してもらいたい。そうすれば毎回必ず大阪まで出ていってもいいとすら思います。
 第2部ではなんといっても「クインテット」が秀逸。03年から13年までEテレで放送された音楽番組。宮川氏と人形のクインテットが演奏を繰り広げる。ぼくも何回か見たことがある。人形の動きと演奏がすごく自然で聞き入ってしまうこともしばしば。今回は学生たちのたっての希望でプログラムに加えられました。テレビでの編成はクラリネット、トランペット、バイオリン、チェロ。打楽器の五重奏に宮川氏のピアノが加わる、この舞台ではクラリネット、トランペット、アルとサックス、テナーサックス、コントラバスの特別編成、もちろん宮川氏の特別アレンジです。それ以外のメンバーは全員合唱隊で盛り上げます。音楽というのは本当に楽しいものだと今更ながら感じさせてもらいました。本物ですからね、テレビで見ていたその人が目の前でピアノを弾いている、部員たちも、特に演奏している5人は自分たちが見ていたテレビを自分たちが演奏できているというのは本当にうれしかったと思います。


早稲田摂陵高等学校ウィンドバンド 第57回定期演奏会

2016-02-21 | 演奏会

第1部 若草山のファンファーレ    酒井格
    中国の不思議な役人      バルトーク
    クラリネット小協奏曲     ウェーバー
    カレリア組曲より行進曲風に  シベリウス
    ダッタン人の踊り       ボロディン
第2部 ゲストステージ Brass Band H.B.B.
     雷鳴が轟くとき       クーパー
     ファイアーインザブラッド  クーパー
第3部 ブリリアントルビー2003  杉本幸一
    フローレンティナー行進曲   フチーク
    サンブルエミューズ連隊    ラウスキー
    アンパリトロカ        テキシドール
    ダンス・ダンス・ダンス
アンコール
 合唱 
        サッカーによせて
        おんがく
      ステージマーチングショー   
 
            東京キッド
            お祭りマンボ
            真っ赤な太陽
            愛燦々
            河の流れのように
         グッドフェローシップマーチ

 パンフレットをもらって受け付けを抜けると、正面の階段を上がったところに阪急少年音楽隊の色あせた歴史の重みを感じさせるマーチングの先頭を飾る横断幕が飾られていました。階段の下、左手には阪急ウィンドバンドと向陽台ハイスクールの横断幕。名前は早稲田ではあるけれど、阪急の演奏会であることには違いありません。回数にもその歴史が受け継がれていることがはっきりとみてとれます。阪急ウィンドバンドから向陽台高校に変わる年が1期生が定年退職された年、つまり第43回、14年前のことでした。2部のゲスト,H.B.B.は阪急少年音楽隊のOBを中心に98年に結成されたブリティッシュスタイルの金管バンドです。阪急ボーイズバンドの頭文字であることはいうまでもありません。
 ぼくの座席は最前列の31番、目の前3mのところにチューバがいます。チューバは6人で前列と後列のちょうど中間です。昨年チューバのことをすごくほめたからこの座席が当たったのかというくらいこれ以上ないBASSの指定席です。チューバも昨年に劣らずきれいにまとまっていて良かったのですが、今回はその後ろにいたコントラバスの2人に終始釘付けになってしまいました。なにせ、吹奏楽の演奏会でコントラバスの音を直に聞くことなど滅多にない。ほとんどチュ-バやバスパートとユニゾンで遠くでは埋もれがちになってしまう。
 ダッタン人の出だしではまるでずっとソロのようでした。チュ-バは休みで、コントラバスももう一人は休みなのですがユニゾンで吹いているほかのパートがあるにもかかわらず、ぼくの耳にはコントラバスだけ。
 プログラムの最後のメドレーの中で出てくるボレロでもずっとソロのようでした。メロディーのソロより目立っている。ボレロといえばスネアドラムのソロが最初から最後まで同じことを繰り返していて、その表情だけをとらえ続けた映画なども作られたくらいですが、その映画を見るようにコントラバスの音を楽しむことができました。その他の曲でチューバが全員同じ音を奏しているときにアルコの音もきっちり聞こえることがあってそれは感動的でした。
 もっと感動的だったのは、アンコールの最後で笑みを浮かべながら演奏していたことです。コントラバスは口を使わないから笑いながら奏することも不可能ではないのですが、チューバの方を見るとチューバも笑いながら吹いていました、隣と顔を見合わせながら身体を揺すりながら笑っています。こんなに楽しいことはないというように身体全体で表現しています。この曲は友情という曲であり阪急のテーマソングの一つであり、曲の途中で歓声が上がるところもありそういう風にしようという決まりがあるのかもしれないけれど、本当にすごいと呆気にとられる思いで見ていました。年間50回近い本番ステージをこなし、そのための厳しい練習を3年間続けてきた彼女たちだからこそできる本物の笑顔なのだと、こちらは涙がこぼれそうになりました。

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早稲田摂陵高等学校ウィンドバンド 第56回定期演奏会

2015-02-21 | 演奏会

第1部 チャンピオンのためのファンファーレ OMシュワルツ
    交響的序曲          Jバーンズ
    交響詩「英雄の生涯」     Rシュトラウス
    ハンガリー舞曲第1番     Jブラームス

第2部 アメリカン・サリュート    Mグールド
    ウエスト・サイド・ストーリー Lバーンスタイン
    ラデツキー行進曲       Jシュトラウス

第3部 ミュージカル映画「アニー」  Cストラウス
    行進曲「美中の美」      JPスーザ
    行進曲「ワシントンポスト」  JPスーザ
    行進曲「星条旗よ永遠なれ」  JPスーザ
    世界の民謡メドレー

アンコール  花は咲く
       ステージマーチング
       グッドフェローシップマーチ (第2部はOBの演奏)

 2年ぶりに阪急の演奏を聴いてきました。名前は2度3度変わっても、やっぱり阪急の演奏に違いありません。鈴木竹男先生が亡くなられてもう10年にもなるけれど鈴木イズムは全くあせることなく息づいています。とにかくかっこいい、ぼくが高校3年のとき初めて見て、あこがれのまなざしで見つめていたときと、全く同じ気持ちで見ていました。5~6年前来たときは30名くらいで曲目ごとに各パートから打楽器に持ち替えていたくらいだったのに、今回は70名以上で堂々たる編成です。各パートのスピードも文句なく特にホルンの迫力はなかなかのものでした。今回特に気に入ったのはチューバでした。6人の息がピッタリで音程もきれいに聞こえてすごく楽しい。これだけチューバが楽しめる演奏会というのは滅多にありません。あまりに気持ちよくて涙がこぼれてくるほどでした。


関西学院大学応援団総部吹奏楽部 第53回定期演奏会

2014-12-01 | 演奏会

 昨年の春以来の関学の演奏会です。スパークの世界初演「THE UNKOWN JOURNEY」は見事な演奏でした。もちろん初めて聴く曲ですが全てのパートがはっきり主張して説得力十分で、かつ圧力十分でぐいぐい迫ってきました。世界初演に恥じない立派な演奏でした。この演奏を聴けただけでも来て良かったと思いました。でも、この曲に力を入れすぎたせいなのか学生が指揮した3曲と大学祝典序曲は全く感心しませんでした。同じバンドが演奏しているとは思えないほど音楽が見えてきませんでした。何を言いたいのかがよく分からない自信のない音楽のようにしか聞こえませんでした。それも仕方ないと思います、世界初演にどれだけ力を入れすぎても入れすぎるということはない、そのために他の曲に時間を掛けられずそれなりの音楽しか作れないのはアマチュアとしてはむしろ普通のことです。
 アンコールはディズニーメドレー2とジェイガーの行進曲[TOUR DE FORCE」でした。そしてエンディングの賛美歌はナレーションが初めから泣き出してどっちらけでした。ナレーションが無機質であってこそ聴衆の感情が高まって泣けるのに、先に泣かれてしまってはどうしようもありません。しかも賛美歌はアレンジがちょっと変更されていました。2,4,6小節目の3泊4泊の8分音符のアルペジオがなくなって、代わりに鐘が鳴りました。初めて聞く人なら違和感はないかもしれませんが39年前から少なくとも40回以上は聞き続けている者にとってはあのアルペジオがないだけでもう別の曲です。関学のどのOBOGよりたくさん聞いているはずだし、あの楽譜を借りて先輩の結婚式で演奏したこともある、だれよりも思い入れがあるし、あの曲を聞かんがために演奏会に通い続けたといっても過言ではありません。それを簡単に変えられては、やはりうれしくはありません。


2014 関西マーチングコンテスト

2014-09-24 | 演奏会

 会津散歩の途中なのですが、昨日は関西マーチングコンテスト(高校以上)を見てきたのでその感想を書いておきます。
 審査結果を見る前に思ったのは、代表が5校であれば、ほとんど迷うことなく、大阪桐蔭、淀川工科、箕面自由学園、京都橘、早稲田摂陵、の5校で間違いないだろうと感じながら、会場を後にしたのですが、4校だとこの中からどの学校がはずれるのか全く見当もつかないほどでした。それぞれ特徴があって、確実にきれいに仕上げてきていました。この中で昨年全国に行けなかった京都橘は、昨年前半の直角ターンのマーチの部分が見所がなく音楽も弱くて銀賞レベル、どんなに後半のシングのステップが素晴らしくても代表になれなかったのは仕方がないと、このブログで書いたのですが、今回はその前半部分もガッチリ仕上げて、さらに後半のステップも例年以上の美しい仕上がりで、これははずすわけにはいかないという感じ。個人的に思い入れのある(先達お遍路の竹下さんのお孫さんが在籍している)早稲田摂陵も本当にお手本以上のきびきびとしたターン、ステップで見惚れるばかり。淀川工科は音楽が本当に美しい。どちらの方向を向いてもまるで普通のコンサートホールで吹いているような素晴らしいバランスとまとまり、木管の音が常にたっぷり聞こえています。箕面自由学園はやっぱりシンレッドラインが美しくて大好きです。大阪桐蔭は昨年全国でも金賞だったので貫禄の演奏でこれは間違いないと思っていたのですが、審査結果は代表をはずれてしまいました。意外だったのですが、納得できる部分もあります。ぼくの感じでは曲が難しすぎた(サン=サーンスのサムソンとデリラ)というのと、他の4校に比べて楽しくなかったというのがありました。


淀川工科高校吹奏楽部 グリーンコンサート

2014-01-19 | 演奏会




 ハイデクスブルク万歳     (ヘルツァー)     2年生(74名)
 カーペンターズフォーエバー (真島俊夫 編曲)   3年生(58名)
 大阪俗謡による幻想曲    (大栗裕)       コンクールメンバー(55名)
 アメリカングラフィティー15  (岩井直ひろ 編曲) OB(108名)
 星条旗よ永遠なれ       (スーザ)        1年生(71名)
   楽器紹介(曲名クイズ)                 〃
 ディズニーメドレー       (岩井直ひろ 編曲)   〃

 ソウルシンフォニー    (岩井直ひろ 編曲)    2,3年生(132名)
 アルメニアンダンスP1  (Aリード)           〃
 ふるさと           (立田浩介 編曲)      〃
 大序曲1812年      (チャイコフスキー)     〃 +バンダ(OB39名)
 ザ・ヒットパレード                      〃


大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニー Vol.10

2013-11-08 | 演奏会

  昨日はザ・シンフォニーホールで大阪フィルの演奏を聴いてきました。
 指揮は井上道義、来年4月から大フィル首席指揮者に就任します。


   管弦楽のための『映像』から「イベリア」 (ドビュッシー)

   「3つのジムノペディ」から第1番、第3番 (サティ)
   スペイン狂詩曲                (ラベル)
   ボレロ                      (ラベル)

 なんといってもボレロがおもしろかったです。映画でもテレビでも見ていて、録音は18種類持っているし、吹奏楽でも岩井直博先生のポップスアレンジも普通のアレンジも生で聴いているけれど、生のオーケストラでこの曲を聴くのは生まれて初めてです。初めて見て本当に何も知らなかったことを痛感しました。聴いただけでは全部を見たことにはならない。全部見て一番おもしろかったのはビオラです。ビオラを見ているだけで全然飽きなかった。見方によってはビオラが終始主役ではなかったかと思えるほどです。
 こういう演奏を聴くと3ヶ月に1回は生のオーケストラを聴かねばと思ったりします。来年のマチネコンサートは5月がベートーヴェンのバイオリン協奏曲とブラームスの交響曲第2番、11月がベートーヴェンの交響曲第5番とドヴォルザークのチェロ協奏曲です。バイオリンコンチェルトを生で聴くのは初めてですごく楽しみです。


関西マーチングコンテスト

2013-09-23 | 演奏会

 昨年は京都橘高校に対する思い入れが強すぎて、冷静で公平な評価ができず、審査結果に感情的になってしまったのですが、審査が充分公正なものだったことはビデオを何回も繰り返し見て確認できました。今年はそういうことのないようできるだけ冷静に鑑賞するように心がけました。
 代表に選ばれたのは、昨年全国大会で金賞を獲得した、大阪桐蔭、箕面自由学園、滝川第二の3校(淀川工科高校は3出でお休み)と早稲田摂陵高校(元は阪急商業学園、阪急少年音楽隊)でした。京都橘高校は今年も代表になれない金賞でした。この審査結果は発表される前のぼくの評価と合致していました。
 橘のシングは完璧でした。昨年のような歯抜けもなかったし、ステップは終始ピッタリで乱れは全く見られませんでした。代表の4団体にも全く引けをとらないどころかそれ以上だと言ってもいいくらいの見事なものでした。でも、前半の外周マーチ直角ターン4回は、少し物足りないものを感じました。音楽が迫ってこないし、ターンのパターンも代表の4団体に比べて魅せ場が弱いと感じました。箕面のシンレッドラインは迫力たっぷりだし、早稲田のベートーベンは吸い込まれるような魅力のマーチ、滝川二はスピード感あふれる動きでも全くラインが乱れない。


第60回兵庫県吹奏楽コンクール 西播地区大会

2013-08-01 | 演奏会

 2日目の最後に聴いた姫路高校の演奏は2日間を通じて最高の演奏でした。この演奏を聴けただけでも2日間通った意義があったというものです。昨年まで7年連続で関西大会に進出、昨年は関西でも金賞を獲得した琴丘高校の方が審査員の評価は高かったかもしれません。でも、ぼくは姫路の方がはるかに好感が持てました。表現力が素晴らしい、音楽が何を言いたいか表現したいかが全てはっきり解ります。各パートのまとまりやバランスも申し分なくて、本当に上質の音楽を味わっているという感じです。姫路高校は昨年まで10年連続で県大会に進出しているものの、県大会では銀賞9回、銅賞1回で金賞は一度もありません。西播では完璧で県大会に行っても金賞は大丈夫と感じたことは何回かあるのですが、いざ尼崎で聴くと有力校に比べると聴き劣りがしたり弱さが目立つことになって金賞には届きませんでした。今回は、そのときとは明らかに違うように感じました。賞などはどうでもよい、このすごい演奏を尼崎でも思い切り聞かせて兵庫県の客席の度肝を抜いて欲しい、賞などは後からついてくる。


早稲田摂陵高等学校ウインドバンド 第54回定期演奏会

2013-02-24 | 演奏会



 第1部  雷鳴の轟く時           P・R=クーパー
       ファイアー・イン・ザ・ブラッド  P・R=クーパー
       歌劇「ばらの騎士」組曲     R・シュトラウス
       ポルカ「雷鳴と稲妻」       J・シュトラウス

 第2部  行進曲「ジュビリー」          E・F・ゴールドマン
       ルロイ・アンダーソン・ポートレイト  L・アンダーソン
       ラデツキー行進曲           J・シュトラウス

 第3部  トゥーランドット         G・プッチーニ
       子供のマーチ          E・F・ゴールドマン
       ケンタッキー           E・F・ゴールドマン
       ダニー               E・F・ゴールドマン
       美しきドゥーン川の岸辺    P・グレンジャー
       アイルランド組曲        L・アンダーソン編曲
       アイリッシュ・ソングス      R・W・スミス編曲
       ロード・オブ・ザ・ダンス     R・ハーディマン

 アンコール  合唱「花は咲く」
          ステージマーチング「ベルサイユの薔薇」
          グッド・フェローシップ・マーチ

  第2部は阪急百貨店吹奏楽団とOB,OGの合同演奏。
阪急(前身は向陽台高校、その前は阪急商業学園、その前は阪急少年音楽隊)の演奏はいつ見てもきびきびしていて気持ちがいい。そして他のどんな演奏会よりも素晴らしいアンコール。アンコールが一番盛り上がると言ってもいいくらいだ。今年は例年よりメンバーが多く64名でなかなか大きな動きは難しいけれど、それでも見応え十分のマーチングショーだった。 
 


近畿大学吹奏楽部 第52回定期演奏会

2012-11-27 | 演奏会

1部  交響的序曲                 J・バーンズ
     交響詩「ドン・ファン」            R・シュトラウス

2部  アルメニア狂詩曲第1番          A・コミタス
     トランペット協奏曲              A・リード
     ウェーバーの主題による交響的変容  P・ヒンデミット

アンコール  ダッタン人の踊り          A・P・ボロディン
         大河ドラマ「秀吉」         小六禮次郎
         サーカス・ビー            H・フィルモア

 ぼくの座席は1階B列21番、前から2列目でステージに手が届きそうなくらい近い。しかもど真ん中で無理をすれば指揮者にさわることすらできそうだ。こんな前の席に当たることは滅多にないけれど、一度だけ経験がある。チケットを調べてみると14年前の同じく近畿大学の定期演奏会だった。そのときもB列で少しサイドの13番、そのときの印象がかなり悪かったので、最悪だぁ~と少しがっかりして席に着いたけれど、演奏が始まってみるとそんなに悪くなかった。というより、むしろ例年以上に楽しむことができた。とにかく1番クラとフルートとアルトサックスの1番しかぼくの目に入らない。そしてそれらの音がダイレクトに生に飛び込んでくる。それが気持ちいい。このホールは金管の残響で木管の音があまり聞こえないということがよくある。クラの音が聞こえなくて何度も地団駄を踏んだ。今回はそういう欲求不満は全く感じない。金管や打楽器のメンバーの姿は全く見えないし音も向こうの方から聞こえてくるのでまるでバンダでやっているような感じすらした。ぼくはフルートのトップとクラリネットのトップの顔しか見なくなった。途中でこれは木管の室内楽ではないかという気になってきた。この二人はさすが関西のトップのバンドのトップだけあって、全ての曲のトップを演奏して全くミスなく、アンサンブルも音程も文句なし。平然と楽々と難曲をこなしているように見えた。ヒンデミットの4楽章でホルンのメロディのオブリガートの3連符をこの二人が吹いたとき笑ってしまった。もちろん声を上げて笑ったのではなく、自然に笑みがこぼれてしまったのだ。あまりにピッタリで心地よくて、ホルンのメロディより目立っていて痛快この上ない。3連符で楽しくなってしまう、これぞ音楽の醍醐味という感じがした。帰宅したのは23時を過ぎていたけれど帰りの電車の中でもずっとうきうきした気分だった。