WALKER’S 

歩く男の日日

11月29日(木) 第22回 ピアノ・グランド・コンサート

2007-11-30 | 演奏会
 2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 k365 モーツァルト
 ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op37        ベートーヴェン
 ピアノ協奏曲イ短調 op16            グリーグ

 今年最後の大阪音楽大学学生による演奏会です。まだ、学生オーケストラによるマーラーのシンフォニーや、楽器別のオーケストラによる演奏会はあるのですが、ぼくが行くのはこれが最後。それらは有料です。高くはないのですが、交通費がその2倍以上かかるのでおいそれとは行けない。この演奏会は無料な上にオーケストラはプロ、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団はどういう成り立ちのオーケストラかよく分からないのですが、非常に堅実な密度の濃い演奏を毎回聴かせてくれます。人数の割によく鳴っているし、バランスも申し分ない。弦と管のバランスもいいし、ピアノとオーケストラのバランスもいい。ぼくは以前プロのオーケストラでもっとバランスの悪い演奏を聴いたことがあります。こういう優れたオーケストラを無料で1年に何度も聞くことができるのだから、大阪の人はもっと活用しなきゃだめだと思う。その程度の余裕も持てない人が多いからプロのオーケストラも育たない。大阪に4つのオーケストラ、土台無理な話です。

11月25日(日) 姫路交響楽団 第58回定期演奏会

2007-11-26 | 演奏会
 交響曲第2番ロ短調      ボロディン
 交響組曲「シェエラザード」  Rコルサコフ

 姫路交響楽団はアマチュアのオーケストラです。入場料は無料です。だから、プロの演奏と比べてどうだというようなことは、全く意味のないことです。誰にも迷惑をかけていない。こういうレベルで満足できない人は来なければいいのだし、録音を聴くなりプロの演奏会に行けばいいことです。
 バブルの頃に創られたプロのオーケストラはその存在意義が問われている。月収30万円だったのが20万円に削られて、それが不満なら解散するしかない、というところまで追い込まれているオーケストラもあるそうです。実際、世の中のほとんどの人にとってオーケストラなど必要のないものです。ぼくのようなクラシックファンでも生の演奏会には1年に数度しか行かない。それとてほんの限られたオーケストラだからそれ以外のオーケストラはなくても困らない。全部のオーケストラが日本から消えたところで、録音がいっぱいあるから何も困らない。クラシック音楽というのは、本当にマイナーな社会の片隅でやっと生き延びている音楽です。相当な才能があったとしてもその中で生きていけるものではない。プロのオーケストラとして現代日本が許容できる数は今ある数の半分以下かもしれない。

11月22日(木) 第18回 ザ・カレッジ・コンサート

2007-11-23 | 演奏会
選抜学生によるジョイント・リサイタル

という副題の通りオーディションで選ばれた大阪音楽大学の学生が腕前を披露します。クラリネットとソプラノ(声楽)と打楽器の3人です。ぼくはそのうちクラリネットだけを聴いて帰ってきました。曲はロッシーニの「序奏、主題と変奏曲」と、プーランクの「クラリネットとピアノのためのソナタ」です。両方とも、少しだけ練習したことがあるので、なじみ深い曲です。演奏は、さすがというべきテクニックでした。動きによどみは全く見られません。でも、高音の音程と音色がちょっと気になる。いいのかな、いいのかもしれないけど、という感じが常につきまとっていました。でもこれだけクラリネットの音色をたっぷり楽しめることなどあまりないから、とても嬉しい、ありがたいステージでした。

11月21日(水) 第19回 ザ・コンチェルト・コンサート

2007-11-22 | 演奏会
ー選抜学生による協奏曲演奏会ー

 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64  メンデルスゾーン
 クラリネット協奏曲 イ長調 K622  モーツァルト
 ヴァイオリン協奏曲 二短調 作品47  シベリウス

 大阪音楽大学の学生がソロをつとめます。オーケストラはザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団。
 メンデルスゾーンの最初の音が鳴ったときちょっと驚きました。自分のイメージしている音よりはるかに箱がよく鳴っている。しかも音色もぼくのイメージとは違った艶と輝きに満ちたものでした。十分鑑賞に堪えるものです。いや、それ以上の自信に満ちた演奏です。さすが音大のトップともなると、というような演奏です。オーケストラは10,8,6,4,3の弦ですが、非常によく鳴っていてアンサンブルの良い充実した演奏です。ぼくが前に聴いたアンサンブル金沢や京都市交響楽団や大阪シンフォニカなどより満足度は高かった。
 モーツァルトは14種類の録音を持っているのですが、改めて聞くことはほとんどありません。でもこうして生で聞くと格別です。録音では聞こえない音が聞こえて新鮮です。ホルンがよく聞こえる。このホルンはかなり難しい。これだけの高音だとやはり音量までコントロールするのは難しいのでしょう。録音ではスイッチ一つでどうにでもなる。そして協奏曲の意味が如実に分かる。ソロを聴かせるためだけの音楽ではない。オーケストラとの絡み具合のおもしろみ、本当に絶妙と言うしかありません。そしてクラリネットという楽器のおもしろみと表現力の豊かさ。生で聞く機会は滅多にないけれど、また聞きたいと思いました。

1812年とスラブ行進曲

2007-11-20 | 演奏会
 昨日のFMでこの2曲が同じ番組で流れました。クラウディオアバド指揮ベルリンフィルの演奏。12種と9種の録音を持っていますが、初めて聴く録音でした。このペアリングもありそうでなかった。このペアはぼくにとって格別の意味を持つものです。1812年は大学4年の定期演奏会のメイン、スラブ行進曲は高校3年の時の文化祭のメインでした。両方ともぼくがやりたくてやったものではありません。スラブ行進曲は2年先輩指揮者の毛利さんが推薦してくれた。当時のライブラリーは極端に貧弱なものだったから選択の余地はなかった。1812年は定演の選曲委員会でトランペットの小山田が推薦したもので、ごくすんなり決まった。この時のプログラムには半分くらいぼくの推薦したものが入ったのですが、メインに関しては全く推す曲がなかったのでぼくも賛同しました。でも決まった後でも、OBからはものすごく反対されました。あからさまに変更せよ、と迫る人も居たくらいです。大学の定演では、もっと革新的な、挑戦的な、高度な、斬新な曲を選ぶべきだという考えがはびこっていたようです。でも、数年前にはこの曲を定演のメインでやっているのですよ。訳がわかんないので、あっさり受け流しました。正解でした。聴衆には最高に受け入れられたのです。アンケートは例年の1.5倍も返ってきたし、その中でダントツに人気があったのがこの1812年でした。聴衆は高度な革新的なものを求めてはいない。新しくなくてもいい。べたなものが大好き。分かりやすくて盛り上がれて楽しめるものこそを求めている。

朝日に栄光あれ

2007-11-18 | 日記
 久しぶりにテレビで行進曲を聞きました。夏の高校野球以来です。野口みずき選手が国立競技場に帰ってきたときに演奏されたのは「朝日に栄光あれ」というTV朝日のスポーツ番組のテーマ曲。関西にいるせいかこの曲をテレビで聞くのは初めてです。作曲は神津善行、この曲の好きなところは、トリオでヘンデルが使われているところ。勇者は還りぬ(得賞歌)のメロディが心地いい。
 それにしても、行進曲がいかにマイナーな音楽であるかを改めて考えさせられました。ほとんど必要のない音楽と言ってもいい。吹奏楽自体もほとんど必要のないものかもしれない。国体ではいまだに吹奏楽が行進曲を演奏しているけれど、オリンピックではもう必要とはされていない。でも、あらゆる音楽はある特定の人のためにだけ役立っていて、万人が必要不可欠としている音楽など存在しない。だからこのマイナーさは全く卑下することもないのでしょう。


来年の足

2007-11-16 | 日記
 高野山の帰り、淀屋橋のミズノ本店で来年の足を買うことができました。ネットのミズノショップではずっと売り切れ状態で、三番街のミズノショップにもなく、地元の大きなスポーツ用品店2軒にも置いてなかった、ミズノフリーウォークOD400GTX2です。これで来年四国1200kmを歩きます。今年使ったOD100GTX3もすごく調子が良かったのですが、思った以上に踵がすり減ってしまったので、ワンランク上(2000円高い)のモデルを試すことにしました。

11月12日(月) 関西学院大学応援団総部吹奏楽部 第46回定期演奏会

2007-11-14 | 演奏会
〈1部〉 A SONG FOR KWANSEI    山田耕筰
     三日月にかかるヤコブのはしご    真島俊夫
     ヨークシャー・バラード          J・バーンズ
     「ダフニスとクロエ」第2組曲より    M・ラヴェル

〈2部〉 フェスティヴァル・ヴァリエーションズ  C・T・スミス
     バレエ組曲「シバの女王ベルキス」  O・レスピーギ

アンコール  歌劇「トスカ」より、         プッチーニ
        「天国と地獄」序曲 後半部分  オッフェンバック

 昨年入れなかった関学の定演ですが、さすがフェスティバルホール、当日券の販売もありました。でも、満席にはならなかったものの2階席は7割以上の席が埋まりました。2000人は軽く超えていたでしょう。そして今回は自由席、ありがたい。このホールの1階と2階とではまさに天国と地獄。天国に座るのは何年ぶりでしょう。早く来た人順に好きな席に座るというのが最も公平なことではないでしょうか。それに座席券交換の無駄な手間暇。たかだか学生バンドの演奏会に座席指定など必要なのでしょうか。招待者や団体に良い席を確保しておきたい、という意味があるのでしょうが、それこそ差別以外の何物でもありません。今回は近畿大学のためにある一角が確保されていましたが、そういうやり方で十分でしょう。淀川工科高校のように4回総てが満席になるのであれば、整理のために必要なことになるのでしょうが。
 1部は学生の指揮で、うまくないところが目立ちました。3年生だったのですが、打点のはっきりしない雰囲気重視の指揮でした。だから吹いてる方は合わせにくいし、余分なことに神経を使って生き生きした演奏がしにくくなる、という印象でした。腰から下も安定していなくて、絶えず左右にステップしながら振っていました。全く無意味な動きです。素人は、まず奏者が吹きやすくなる指揮を第一に考えるべきでしょう。
 2部は明らかに練習量が違うという印象。力強さの際だった演奏です。ただそのせいで、バランスの悪いところも目立ちました。意識的にもっと押さえれば木管がもっと聞こえたのにというところがあった。打楽器で首をひねったのはベルキスの2楽章の大太鼓ペアと、3楽章の小脇に抱えた太鼓(名前は不明)。両方とも耳障りな音色で、音楽の枠からはずれているように感じた。そっちばっかり気になってほかの音が聞こえなくなってしまった。
 エンディングの賛美歌はまだだいじょうぶです。この曲を聞くために30年通い続けている、と言ってもいいくらいです。終わり良ければ総て良し、という感じで今年もうきうきしながら家路につくことができました。


極楽橋から

2007-11-13 | 日記

 南海高野線終点の極楽橋から総本山高野山金剛峯寺へ行くには、ケーブルカーとバスを乗り継いで30分。でもぼくはケーブルには乗りません。300円もするし、ちゃんと歩いて登る道が通じてもいる。わずか3300mです。しかもこの道は高野山への表参道だったと思われる。電車が通じるまで、総てのお遍路さんやその他の参拝客もこの山道を登ったに違いない。さらにさかのぼること1100年、弘法大師もこの道を登って大仏教都市を築いたのかもしれない。そういうことを考えると気軽に文明の利器を使うのはどうか、という気になる。でも2両編成の電車で一緒に来た総ての乗客は迷わずケーブル乗り場へ、一人山道を登り始めたのですが、容易ではありませんでした。あの急勾配のケーブルカーが5分もかかる山の上ですから、無理もない。さすが1100年の歴史を誇る表参道だけあって、幅も広くよく整備された道で登りやすいのですが、とにかく坂がきつく、全く平らなところがない。思わず半年前歩いた四国の山道を思い出す。35分かかって漸く最高所、女人堂に到着、2400mの距離だから時速は4.1km。普通の人は50分かかるというから、ケーブルに乗るのはむしろ当然。女人堂から金剛峯寺までは1km、やや下りの広い道を駆けるように8分ほどで到着。半年ぶりに般若心経をあげる。総本山であげるのは格別、気持ちが引き締まります。ここから弘法大師がおられる御廟、奥の院までは2600m、その3分の2を占める一の橋から御廟まではお墓の中の道です。戦国武将や有名な大名の巨大な墓石を見学しながら歩を進める。それらの大名のお墓は地元の菩提寺にあるはずなのに、なぜにここに一堂に会しているのか全く不思議です。
 御廟では脱帽、撮影録音不可、本当の聖域です。四国を歩いた人は皆ここに来る。御朱印を貰わなければ納経帳が完成しないからだと思っていたのですが、むしろ、この大師の前で般若心経をあげないと遍路は完成しない、そういうことなのだと思い知らされました。

11月11日(日) 姫路市吹奏楽団 秋パルナソスの午後17

2007-11-11 | 演奏会
第1部  ポップス描写曲 メインストリートで    岩井直溥
      森の贈り物                   酒井格
      太陽への讃歌ー大地の鼓動      八木澤教司

第2部  祈り そして 戯れ ~光のもとの~    保科洋

第3部  バレエ音楽「火の鳥」組曲     ストラビンスキー

 2部のオーボエ協奏曲は最初ピアノとオーボエのために作られ、後に神奈川大学吹奏楽部のためにバンド用に編曲されたものです。
 木管楽器の協奏曲は吹奏楽には無理があるとずっと思い続けているのですが、今回はその典型的な一例となりました。バンドのメンバーは34名と半分くらいに減らしてはいるのですが、それでも音量は十分すぎるくらいでした。管楽器が響くホールなので、ピアノでもオーボエの音はほとんど聞こえなくなってしまう。吹いていることは分かるけど何を吹いているのかはほとんど分からない。ほとんどバンドが主役といってもいいほどでした。ちょっと残念な結果です。


冬の輪舞

2007-11-09 | 日記
 歯が相当痛んできたので、1年半ぶりに行きつけの歯科医院に行きます。黒坂歯科診療所はフジテレビの昼のドラマ「冬の輪舞」で主演した黒坂真美さんの実家です。数少ない姫路出身の有名人。ぼくが小学校2年の時初めて歯の治療をしてもらったのは彼女のおじいさん。そのとき詰めてもらったものが35年後にはずれて、改めて詰め直してもらったのがお父さんです。


姫路ミュージック・ストリート  続き

2007-11-05 | 演奏会
 10分の休憩中、パフォーマンスと曲目解説で助演している作曲家の福井とも子さんが座席の後の壁の陰で、フロアにペタンと座っておもちゃのピアノを一心に叩いている。同じ不協和音を飽きずに繰り返している。これも立派なBGMのつもりで叩いている。ちょっとあり得ない奇妙な光景、でも笑みのこぼれてくるようなおかしみのある光景でもある。そのピアノの音が消えると2部の始まり、上田さんが現れ舞台正面に立つ。クラリネットを構える、が、マウスピースに口は付けない。静寂、しばらくすると舞台横のアンプから時折妙な雑音が聞こえてくる。客席はさらに静まりかえる。タイトルは「3’44”」、これはジョンケージのあの静寂の音楽であることに初めて気づく。奏者は一切音を出さない、その場で起きる客席の様々な音こそが偶然の音楽そのものである、というあまりに有名な現代音楽「4’33”」のアレンジ版だったのです。原曲はピアノ曲(といってもピアノの音は出ない)ですが、こういうところでジョンケージを生で体験できるなどとは思っても見ないことでした。全く貴重な体験。
 そして、次の曲はそれ以上に聴衆が主役になる「Falling Event」です。福井さんが舞台の横に大きな脚立を持ってくる。そこに上がって演奏の間中様々なボールを投げ落とすのです。聴衆もあらかじめ風船を1個ずつ配られていて、演奏の途中に投げる。みんな演奏(亡き王女へのパヴァーヌ)を聴くこと以上にいつどのように投げようかと、そちらの方に神経を使ってしまう。ぼくの横にいる子供は絶えず風船を投げたり叩いたりしてじゃれている。普通の演奏会では絶対許されないことがおおっぴらにできるので、のびのび暴れている。これも、音楽や演奏会に対する一つの表現である、ということなのでしょう。作曲は塩見允枝子、1963年の作品です。
 そして、最後の曲が、これまた度肝を抜くような超難曲、日本で演奏したことがあるのは彼女を含めて2~3人、最初彼女が演奏したとき病気になったという恐ろしい曲。Vinko Globokar作曲の「Vo
ix Instrumentalisee」です。バスクラの独奏曲です。しかし、マウスピースもリードも使わない。どうやって音を出すのだ、と思うでしょう。いろんな事をして音を出すのです。これは、バスクラと奏者の壮絶な戦いといってもいいでしょう。感動です。演奏家の音楽に対する謙虚で真摯な取り組みに大いに心打たれる。そして、そこに本当の音楽があることを実感できるのです。

11月4日(日) 第10回 姫路ミュージック・ストリート

2007-11-05 | 演奏会
 姫路の中心部5つの会場で7つのコンサートが行われました。ぼくが見たのは、クラリネットの上田希さんのソロコンサートです。県立歴史博物館のロビーで行われました。昨年の出演はなかったのですが、彼女の演奏をこの企画で見るのは5回目です。彼女は演奏会を料理のコースにたとえます。今回のメニューはスパイスが主役。スパイスとは特殊奏法。フラッター・タンギング、カラートリル、四分の一音、声、息音、キッスィングトーン、スラップタンギング、キー・パーカッション、重音。これらの奏法は本当に特殊で、ぼくが大学の4年間で楽譜で見たことがあるのはフラッターだけだし、実際にその奏法を聴いたのは重音だけだと思います重音はメシアンの曲で出てきたように思う。これらの奏法を一つ一つ解説しながら実際に演奏してみせてくれる。「声」は本当にすごい。歌(ハミングのようなもの)を歌いながらクラの音も同時に出す。口は閉じたままだから声は聞こえにくくなることも多いのですが、こんな事ができるだけでびっくりです。
 これらの奏法ばかりをふんだんに使った超難曲、ヘルムート・ラッヘンマン(ドイツの高名な現代作曲家)の「ダル・ニエンテ」が1部の最後に演奏されました。クラリネットの表現力を最大限に提示してみせる曲です。クラリネットの可能性だけでなく、音楽そのものの可能性を問う作品でもあります。
   続きは明日。


近畿大学金賞獲得

2007-11-04 | 演奏会
 あの演奏なら金賞は間違いない、駒澤大学と文教大学がお休みだからさらに確率は高い、とは思っても結果を見るまでは安心できないのがコンクール。99年以来8年ぶりの金賞はぼくのような1ファンにとっても本当に長かった。関西大会の結果発表の時の歓声の大きさを思うと、今回の喜びはその何倍もの大きさだったろうと思われる。8年分の喜びが長野の空に爆発したに違いない。


11月2日(金) パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団 姫路公演

2007-11-03 | 演奏会
 ローマの謝肉祭序曲      ベルリオーズ
 歌劇「トゥーランドット」      プッチーニ
 「ダフニスとクロエ」第2組曲   ラヴェル
 「カルメン」組曲           ビゼー
 ラ・ヴァルス             ラヴェル
 ボレロ                ラヴェル

 これは吹奏楽ではありません。オーケストラです。ヴァイオリンを担当する20人のクラリネットとは別に、ひな壇の上にはクラリネットだけを担当する3人のクラリネット。その前に並んだ3人のフルートもフルートのパートしか吹かない。オーボエも弦のパートは吹かない。弦のパートはクラとサックス、ユーフォだけ。この完全分業は金管楽器も少なくてバランスもよく、オーケストラのように耳に優しくて疲れない。ただ、日頃耳にしている吹奏楽部の演奏に比べると、ボリューム感に欠けるし、迫力も感じることができない。力がないとコンクールでは勝てない。勝てる演奏、すなわち力のある演奏こそがよい演奏だと思い込んでいるので、それとは異質のこういう演奏を聴くと、物足りなさを感じてしまう。3年前聴いたイーストマンWEや今年の春聴いたワシントン大学WEのような満足感、充実感も味わえなかった。何が違うのだろう、自分の求めているものと違っただけなのか、46年前の伝説の初来日の時もこういう演奏だったのだろうか。無駄とは分かっていてもそのときの録音を改めて聞き直してしまうのでした。