WALKER’S 

歩く男の日日

2月24日(日) 第19回大阪音楽大学学生オペラ ドン・ジョヴァンニ

2008-02-27 | 演奏会
 モーツァルトの3大オペラの中で「ドン・ジョヴァンニ」は、「魔笛」や「フィガロの結婚」に比べて有名なアリアが少ない。カタログの歌は有名だけれど、分かりやすく親しみやすいメロディとしては第1幕の二重唱「手に手を取り合って」くらいではないでしょうか。それでもこのオペラがたいへんな名作であることには違いない。でもこの差がどこからくるのか、不思議に思っていました。
 このオペラを上演するためにモーツァルトがプラハに向かったとき、まだ第1幕しかできていなかった。第1幕の練習をしながら第2幕を書いていた。しかもその練習も興行主や楽団や歌手のせいで思うように進まなかったという。上演予定日を過ぎても完成することなく、代わりに「フィガロ」を上演したという。さすがの彼でも、これくらい追い込まれると、本当に魅力的なメロディがおいそれとは産み出せなかったということでしょうか。その証拠に、第2幕の後半では「フィガロ」のあの有名なアリアが歌詞を変えただけでそのまま使われている。

 今週の土曜日には同志社女子大で「フィガロの結婚」が上演されます。1週間に2度も本物のオペラを見るのはもちろん初めて、これからもないことでしょう。

泣ける洋画

2008-02-19 | 日記
 スマステーションで発表された泣ける洋画30、そのうち26本見ていたのですが、ぼくが泣けたのは3本だけでした。「フィールドオブドリームス」と「ニューシネマパラダイス」と「シンドラーのリスト」。泣けるポイントというのはそれぞれ違って当然だから何の文句もないのだけれど、ぼくの大嫌いな映画が入っていたのは、ちょっとした驚きでした。「ダンサーインザダーク」は映画とは認めたくないくらい腹立たしい映画でした。この映画には救いがない。救いようのない悲劇は現実に満ち溢れている。こういう映画で同情の涙を流すのであれば、テレビでニュースを見ていれば毎日泣くことができる。ニュースと違うのは、その悲劇性をことさら大げさにデコレーションして見せたところ。悪趣味でしかないし、何の意味もない。ぼくの中では、C級ホラームービーよりも見たくない映画であり、今まで見た中で最低に近い映画でした。
「ライフイズビューティフル」もそれほどではないけれど、全く共感できない映画でした。嘘っぽい感じがしてなりませんでした。1位になった「タイタニック」はスペクタクル映画としては大いに楽しめたのですが、泣けるシーンは全くなかった。恋愛劇としてはあまりに型どおりでつまらなかったし、楽隊の人たちが最後まで演奏を続けていたのも、事実だったとしても無理矢理じゃないかと思いたくなる。
 ぼくが泣ける洋画としてまず思い浮かぶのは「ロレンツォのオイル」です。この映画は本編のうちは全く泣けるところはない。エンドロールが流れ始めると、いきなり涙があふれ出した。その間ずっと号泣でした。映っているのは子供たちの姿。水泳をしたり、野球をしたり、スケボーをしたりしている子供たちが細かい分割で何十人も映し出されている、ただそれだけで止めどなく涙が流れてくる。2時間10分の本編はこのエンドロールのためにあった。

ディーバ

2008-02-13 | 日記
 ぼくの英和辞典で引くと、オペラのプリマドンナ、花形女性歌手、歌姫、となっているこの言葉、現在では普通に使われますが、25年くらい前までは全く聞いたこともありませんでした。最初に聞いたのはこれをタイトルにした映画を見たときでした。フランスのジャン・ジャック・ベネックス監督の最初の作品です。ぼくはフランス映画はあまり好きではないのですが、この映画は全然違うという感じでした。サスペンスのタッチやテンポが非常にアメリカ的で見やすかった。そして何よりぼくの心をとらえたのが主役です。主役はディーバでもそれに憧れる郵便配達夫でもない。1本のカセットテープ、しかも、それがナカミチのカセットテープなのでした。マクセルでもTDKでもSONYでもない、ナカミチのあの『n』のマークが目に飛び込んできたときには本当にびっくりした。それだけでこの1本は忘れられない映画になったしまったどころか、ぼくが今まで見たフランス映画の中で2番目に好きな作品になってしまいました(1番はトリュフォーの「アメリカの夜」)。しかも脇役はNAGRAの小型録音機。ナグラという超高級音響機器メーカーの名を最初に見たときでもありました。
 昨年公開された邦画407本、洋画403本のうちこの作品のようにすこぶる個性的でおもしろい作品がどれくらいあったろうか。そういう作品に効率よく巡り会う方法があるのか、豊かになればなるほど本当に良い作品が埋もれていくようで寂しい限りです。

2月2日(土) 向陽台高等学校ウィンドバンド 第49回定期演奏会

2008-02-03 | 演奏会
第1部 フォーマルステージ
    サモン・ザ・ドラゴン      Pグレアム
    ドラゴン・ファイト        OMシュワルツ
    トロンボーン協奏曲      八木澤教司
    「天地創造」より        黛敏郎
第2部 ゲストステージ
    行進曲「フローレンティナー」  Jフチーク
    古いアメリカ舞曲による組曲  RRベネット
第3部 ジャパニーズステージ
    ボーイズバンド・マーチ     杉本幸一
    ブロックH2000         杉本幸一
    トゥワード・ザ・サン       杉本幸一
    元禄                櫛田てつ之扶
    歌い継がれる日本の叙情歌  杉浦邦弘編曲
    よさこいソーラン節        林直樹編曲
アンコール   千の風になって
         ピーチ
         グッドフェローシップマーチ

 第2部の演奏は阪急百貨店吹奏楽団です。
 トロンボーンの音を久しぶりに堪能しました。ぼくは高校の時トロンボーンを吹いていたのでそれなりの思い入れはあるのだけれど、日頃この楽器だけを聞くという事はまるでなかった。トロンボーン協奏曲というのも今までに2回くらいしか聞いていません。81年の創価学会関西吹奏楽団と88年の関西学院大学、いずれもRコルサコフでした。あと1回デメイのTボーン協奏曲を聴いた記憶があるけれど、それがいつ頃でどのバンドの演奏だったかは全く失念してしまいました。
 今回の独奏は大阪シンフォニカの矢巻正輝氏、トロンボーンというのはこんなにも魅力的な楽器だったのだと思い知らされました。曲もとても分かりやすく魅力的でした。作曲者の八木澤氏も会場に来られていました。
 日本の叙情歌では「花」「夏の思い出」「小さい秋みつけた」「荒城の月」「ペチカ」「故郷」が歌われ、「この道」「浜辺の歌」が演奏されました。合唱は半分くらいのメンバーがその場で立ち上がって歌い、時折ハーモニーも入れてバンドのとのバランスも良くてとても心にしみいりました。歌の力はやはり大きいです。吹奏楽の演奏会だから吹奏楽だけでもいいのだけれど、こういう風に声が入ると目先が変わって、ストレートに音楽の力を感じることもできてすごくいい。ぼくは聞きながら、それぞれの唱歌の故郷を訪ねたときのことを思い出したりしていました。
 
 

早春賦の季節

2008-02-01 | 日記
 おはようパーソナリティの「2月の暦」の冒頭に流れたのは「早春賦」。今年初めて聞く早春賦です。この曲を聞くとほっとします。まだまだ真冬の寒さが続く、それでも、春は確実に近づいている、そのことを思い起こさせてくれます。日本から四季がなくならない限りこの曲が忘れ去られることもないでしょう。作曲は中田章、「夏の思い出」や「雪の降るまちを」を作曲した中田喜直のお父さんです。作詞は東京音楽学校教授、吉丸一昌です。