美術館は瀬戸田港から10分もかからない所にある。港から続く商店街を通り抜けていく、その商店総てに美術館のポスターが貼ってあった。6月から行われている企画展「旅のはじまり~そして今」のポスター、青年時代の麦わら帽をかぶった自画像が大写しに印刷されたポスター。この絵を見て平山郁夫の作品だと判る人がどれだけいるか、それほどこの絵はシルクロードの絵や、古都奈良の絵や、仏教画とはかけ離れている。彼のような大家でも、20代の頃は、どういう絵をどういう風に描くか、ということに関しては定まっていなかった。その壁を越えるのに相当苦しんだ、と玄関ホールの紹介ビデオの中で語っていました。彼の小学生時代、中学生時代の絵も展示されていたのですが、本当に想像を絶するうまさ。特に中学時代の武者絵の細かく的確な描写など、天才少年というしかない。でも上手いだけではテクニックだけでは本当のプロ、本当の画家にはなることができない、20代の絵はそのプロセスの絵、苦しみや迷いはぼくのような素人には読みとることはできない。でも、シルクロードの少女の絵を見ると、何の迷いもない、自信に漲った筆致であることははっきりと判る。自分の描きたいもの、どう描きたいかをはっきり見定めている、そのことは確実に読みとることはできる。
陰影に満ちた大きなラクダの絵(絲綢の路 パミール高原を行く)も印象的だったのですが、ぼくが一番気に入ったのは写真の絵。深い青に浮かび上がる橋の灯が胸に沁みる。
3つの展示室を見て回ったあとはハイビジョンルームで映像を楽しむ。時間がなくて全部見ることはできなかった。1本1本は短いけど本数が多いのだ。展示室はかなり広いけれど、収蔵品のほんの一部しか展示されていないという感じだった。何度も何度も見に来る意味のある美術館だと思う。
これで3日間にわたる青春18切符の旅は終わり。交通費8500円、宿泊費8000円、美術館4000円、食費315円(クオカードで払った分は含まず)。47番目の県は海の向こうだから青春18切符では行けない。いつのことになるやら。
陰影に満ちた大きなラクダの絵(絲綢の路 パミール高原を行く)も印象的だったのですが、ぼくが一番気に入ったのは写真の絵。深い青に浮かび上がる橋の灯が胸に沁みる。
3つの展示室を見て回ったあとはハイビジョンルームで映像を楽しむ。時間がなくて全部見ることはできなかった。1本1本は短いけど本数が多いのだ。展示室はかなり広いけれど、収蔵品のほんの一部しか展示されていないという感じだった。何度も何度も見に来る意味のある美術館だと思う。
これで3日間にわたる青春18切符の旅は終わり。交通費8500円、宿泊費8000円、美術館4000円、食費315円(クオカードで払った分は含まず)。47番目の県は海の向こうだから青春18切符では行けない。いつのことになるやら。