WALKER’S 

歩く男の日日

19日目 (2) 大洲城

2008-07-21 | 08年四国の旅
 お大師さんの前で休んでいたら、60代と思われる男の人がやってきて声をかけてくれる。聞けば300m先にある民宿みやこのご主人、この遍路小屋を造った人だった。水道もご自分の裁量で引かれたという、今は市が管理しているということでした。昨年は29日で巡ったというと、大変驚かれた。普通は40日~45日で巡る人が多い、遅い人になると50日以上かかることもある。でもぼくより早い26日で巡るという人がいたそうだ。1日平均42km、ごく軽い荷物を背負ってジョギングで廻っていたという。次回は23日で巡る計画を立てていたそうです。完全なスポーツ遍路ですね、前に一度同じような感じの人を見たことがあります。ぼくぐらいのスピードでも味わいが薄くなるといわれるのだから、ジョギング遍路はもっと薄いでしょうね。見えるものは明らかに少なくなるでしょうし、でもそれはそれで納得ずくのことなのだから批判することはできない。迷惑さえかけなければどんな遍路も認められる。信心がなくても、スポーツでもレジャーでも観光でも構わない。それだけの懐の深さを四国は持っている。
 ぼくはこれ以上速く歩く気はありません、と言うと、大きくうなずいて「そう、無理しないでゆっくり行く方がいいよ」と言って、お大師さんの周りの掃除を始められた。思いがけず25分も話し込んでしまった。水道を作って頂いたお礼を言って明石寺に向かう。歯長峠越えは1分の遅れだったけれど、明石寺までは調子を取り戻して同タイムで到着。お参りに15分、休みはとらず大洲へ向かって出立する。今日仏木寺の近くのとうべやさんから出発したであろう歩きの人が何人かいる。現在10時40分、大洲まであと20km、休憩の時間を考えれば5時は過ぎるだろう。ぼくは、3時に着こうとすれば1時間の休みがとれる。次の休憩地は鳥坂トンネルのすぐ手前のバス停、10kmもあるけれど、それまでに適当な休憩場所はない。休みは入れないで歩くつもりだったけれど、中間地点にあるコンビニに吸い込まれるように入ってしまう。夕食を仕入れる必要もあった。昨年までは大洲の市街を抜けたところにある宿に泊まっていたので、宿の手前にいくらでもコンビニがあったけれど、今年の宿は市街に入ったすぐの所にあるので、コンビニの前を通らない。例によって野菜ジュースで一息入れる。ベンチはないので地べたに体育座りだ。17分の休憩、宇和の町を抜けたところで追い抜いた男の人が近づいてきたので抜かれない内に出ていく。2回抜くのもちょっと面倒。休憩が効いたのかバス停には2分早く着いた、時速6.19km。
 20分の休憩、12時55分に発つ、あと10.8km、休憩は1回だけだからまた20分休むと3時ジャストに着ける計算だ。