来年だって歩けるかどうか分からないのに、再来年のことなどほとんどあてにならないと、ぼくも思うのですが、この計画を考えているだけで楽しい、お遍路の楽しみは３段階、計画を考えているとき、実際に歩いているとき、帰ってからふり返るとき。一番楽しいのはやっぱり歩く前の計画を考えているときです。
「これからもずっと巡られるのですか？」と、ときわ旅館のご主人に訊かれたとき「来年は納経帳を持って全部歩きますが再来年以降はどうなるかまだわかりません」と答えました。正直、再来年以降歩くことに意味があるのだろうか、歩きたいと思うのだろうか、疑問を感じることもありました。その思いは讃岐の国に下りてきたときも変わりませんでした。でも最後の宿で一緒になった佐藤さんのお話を聞いて、そういう歩き方もあるのかとひざを打つ思いでした。佐藤さんは今年８巡目のベテランお遍路さんですが、いろんな宿に実際に泊まってみたくて距離を合わせるために電車を使うこともある、全歩きにこだわらないということでした。そして、ぼくの知らない遍路宿のことをたくさん教えてくれました。
ぼくは歩く距離が長いので、多くのお遍路さんが泊まる有名な宿にも泊まれないということがいくつもあります。自分が二重丸をつけている宿にも泊まれないことが多く、内心忸怩たるものがあったのですが、電車バスに乗れば全部制覇できるのではないかと、５月からずっと再来年の計画を何度も書き直していました。電車バスの時刻や運賃も調べたりするので楽しみは倍増、選択肢もいっぱいで、写真の表も４～５回書き直しました。そして半年かけてようやく納得のいくものができました。全歩きでは泊まることのできない、おんやど松本屋、山茶花、なずな、まなべ旅館（宿毛）、民宿兵藤、たちばな旅館、桃李庵、ビジネスホテルつよし、松屋旅館（四国中央）、青空屋、善通寺宿坊、を見事組み込むことができました。歩き遍路宿びざん、大岐マリン、三好旅館、八丁坂、民宿岡田（雲辺寺手前）などは３年後にならざるを得ませんでした。
歩く距離は９６８ｋｍ、電車バスの距離は２１７ｋｍ、１日平均３８．７ｋｍ、費用は全部食事付きで泊まるので全歩きとあまり変わりません。旅館名の下の数字は交通費です。２５日のうち１２日電車かバスに乗ることになります。竜串の見残し海岸、大洲の冨士山、内子の畑峠、金刀比羅宮、満濃池神野寺、なども歩く予定に入っています。
歩数計の累計が１５０００ｋｍを突破しました。持ち始めて１４４０日、四国で歩いている分も含まれているので、普段の平均は１日１０ｋｍに少し足りないくらいです。歩数計の中では１３巡目の金剛福寺と延光寺の中間くらいです。
まだ５ヶ月も先のことですが、早々に鬼を笑わせてやりましょう。
今年の四国に出る前にすでに大体決めてはいたのですが、伊予三島のビジネス旅館高雄が廃業になっていたので、変更を余儀なくされました。今年泊まった旅館は悪くはなかったのですが、値段が高かったのでもう一度泊まる気にはなれず、距離は大部長くなるけれど一野屋にしました。その日はきついですが翌日の雲辺寺越えが楽になります。来年は納経するので雲辺寺越えの日に６８番６９番をお参りしなくてはならないのでちょうどいい感じになりました。
もう一つ迷ったのは長珍屋の翌日です。今までは菊間の月の家旅館に３回、浅海のコスタブランカに３回泊まったのですが両方とも廃業になったので、電車に乗るしかありません。最初は大西の駅前のあさひやにしようと思ったのですが、食事があんまりという書き込みを見つけたので、今治の駅前の素泊まり宿三笠旅館に変更です。
１３の宿が初めてで４つの宿が泊まったことはあるけれど食事は初めてです。土佐の喜久屋旅館が廃業になったので、はじめて高知屋に泊まります。
遍路日記のブログを書き終わったら写経を始めるつもりだったのですが、すぐ高校野球が始まってしまい、そのあとは吹奏楽コンクール、会津旅行と続いて、１１月が近づいてやっと写経を始める気になりました。
来年は６年ぶりに納経帳を持って巡るし、区切りの年でもあるので、きっちり写経を納めてより本当のお遍路さんに近づけたらいいなと思っています。
文字を書くことは嫌いではないし、毎年１本や２本はボールペンを使い切るほど手書きはしているのですが、無音で文字を書くことは滅多にないので、その点がちょっとしんどいかもしれません。実際に書いてみると、４０分ほどで１枚仕上げることができました。手は全然疲れないのですが、目が疲れて、１枚書くとしばらくは書く気が起こりません。
冷え込み。というほどでもないのですが、今朝の姫路の最低気温は８．６℃、室温は１７℃で、どちらも今季一番低くなったことはたしかです。でも、この気温というのは４月下旬のころとほとんど変わりません。一番歩きやすい季節です。でも夜明けの時間が遅いので、なかなか秋に四国に行く気にはなれません。
一昨日見つけた新しい遍路宿は食事が全然駄目という指摘をベテラン遍路さんからいただきました。リピーターが多いという宣伝文句も事実ではないようで、２度と泊まらないと言う女性もいたそうです。坂口屋に泊まる人の前日の宿は立江寺の近くの鮒の里か恩山寺近くのちばになる人が多いと思いますが、坂口屋に断られた場合鮒の里のご主人に頼んで坂口屋の前まで送迎してもらうのがいいかもしれません。確か坂口屋まで送迎してもらった人の話を聞いた覚えがあります。
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