今日は放送大学公開講演会に、掛川市役所の先輩職員である中山礼行さんが講師として登場。
「掛川市の生涯学習 まちづくり、ひとづくり」と題して約1時間半に亘り、故榛村純一元市長さんの下で展開された生涯学習運動についてお話をしてくれました。
講演そのものは掛川市の生涯学習センターで開催されたのですが、主催者のご厚意でZoomとYoutubeによるリモートでも聞くことができ、私も札幌の自宅に居ながらにしてこの講演が聞けたのでした。
榛村さんが新幹線新駅の建設や掛川城の復元など、7期27年に亘る掛川市政で果たした功績はあまりにも大きいものがありますが、そうした目に見えるものづくりだけではなく、市民一人一人に「お互いに何をなすべきかと、いつも問いかけ合いながら 一生涯学び続けて行こう」とあるべき姿を示したことが非常に特徴的だったと思います。
【生涯学習都市宣言 1979年4月1日】【抜粋】
掛川市民は
少しでも多く幸せを実感するために
健康で生き甲斐をもって生きていくために
一人でも多く素直になり、悟りを開けるようになるために。
私たちは、いろいろな職業や趣味道楽やコミュニティ活動を通じて、
自分はなんだ、お互いは何をなすべきかと、いつも問いかけ合いながら、
一生涯学び続けて行こう。
普通なら行政の長は、人々の心の中の考え方に亘る部分には軽々しく触れないものです。
しかし「人間としてのお手本」を示して「それに向かって学び続けて行こうよ」という高邁な理想を語ったこと。
そしてそれを「あなた、僕の言ったようにやりなさいよ」と上から目線で命令するのではなく、自らがそのお手本であろうとしました。
会合の度に自ら一枚一枚異なるレジメを作成して、自分の考えを紙で配布するなどということは現代の政治家でもそうそうできることではありません。
しかし榛村さんは、これが榛村さんなりの生涯学習だ、ということを自らやってみせてその背中で伝えようとしたこと、それがリーダーとしての凄みのように思えます。
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私自身も榛村市政最後の3年間を真横でつぶさに見せてもらえたことの幸せをかみしめています。
榛村さんは会議でよく居眠りをしている(ようにみえる)ことがあって、周りのひんしゅくを買っていましたが、毎日上がってくるレポートを読んで方向性を指示するのに夜の2時~3時までかかっていたらそうなりますわな。
そんな背中を24歳も年上の人生の先輩に見せつけられたら感化される人も出てくるはずです。
僕が拙いブログを続けていられるのも榛村さんへの私淑の姿で、今日知ったことを書き留めておく自分なりの生涯学習のつもりです。
今日は中山さんの講演を聴いていて、16年も前のことを昨日のことのように思い出しました。
おりしも今日は私の62歳の誕生日。
良い誕生日プレゼントをいただきました。中山さん、ありがとうございました。