札幌市南区にある滝野公園で、監視カメラに親子グマが映っていたそうです。
公園ではすぐに臨時閉園を決めて、園内の利用客を避難させたそうですが、混乱はなかったようでとりあえず良かったです。
北海道新聞の記事によると、園内のクマの出没は2017年9月以来のことだそう。
これまでのクマ騒動は、秋に発生していてほとんどが親から子離れした2歳くらいのオス熊が冒険をして公園にたどりついた、というものだったように思うので、この時期でしかも親子熊というのはちょっと厄介です。
クマがいるというのは、カメラに映るなり糞が見つかるなり、いることの証拠があることでわかるのですが、これがいないことを証明するというのは実に難しいものです。
今の公園のスタッフの皆さんは、クマ出没に対処した経験者が多いので、経験を生かして適切に対処して欲しいものです。
クマの対応で一番ポイントになるのは、そのクマが「問題グマ」になったかどうか、ということです。
私が滝野公園で初めてクマ騒動に遭遇した時に、クマの専門家から言われたことが、「そのクマが『問題グマ』か『非問題グマ』かを見極めるのが大切です」ということでした。
普通のクマならば、人間や人間世界との接触を恐れるものですが、それが何かの拍子に人間世界が自分たちにとって都合が良いことを知ってしまうことがあり、そうなったクマが「問題グマ」です。
人間世界のごみ箱には美味しいエサがあるとか、人間が捨てて行った空き缶は舐めるととても甘いとか、そういう幸せな経験がクマを問題グマ化させて、人間にとって不都合な存在にさせてしまいます。
だからクマがいるとわかったときにはそのクマがどういう行動をしたかを丁寧に探ります。
ゴミ箱をあさっていないかどうか、人の気配を感じて逃げるかどうか、空き缶をなめたりかじったりした痕跡はないか。
逆に言うと、ごみ箱をあさっても蓋をあかないようにして彼らに中身を触らせない、という工夫も必要です。
人間もクマも不幸にしないための方策はあるはずで、それをクマがいないときにこそやっておくべきです。
滝野公園には入り口でクマ鈴を借りられるようにもなっているそうですが、普段から滝野公園の山道を歩く時にはクマ鈴をつけて気配を知らせるような工夫をしておいて、奥深い山へ入るための入門的な練習をしてもらうとよさそうです。
滝野公園のスタッフの安全と、問題の早期の収拾を願います。