北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【おまけ】売れ筋のお土産

2011-09-20 23:48:29 | Weblog
 札幌から友達が来て、地方都市での雇用を生み出すには付加価値をつける工夫と努力が必要だ、ということで意見が一致しました。

 彼はしばらく空港関係の仕事をしていて、お土産の売れ筋については一家言ある論客。釧路だったらポテンシャルは十分にあるだろうけれど、あとは商品開発力が問題だなあ、とエール半分、苦言半分。

 彼によると、お土産の売れ筋のキーワードは『個食化』故の『小型化』なのだそう。

「海外の空港でもそうだけど、大きくてかさばるようなものはお土産には不向きなんですよ。僕が面白いと思ったのは、アンチョビの缶詰のこんなやつ。→ http://bit.ly/pMXpih


   【コンパクトで使いきり、安いのも良いのだ】


「一個百円くらいで、パスタだったら二人分くらいで使い切れる大きさ。これがお得だというので大きくなったらお土産としてはもう売れない。重たくなるもんね」

「新千歳空港だって売れ筋は数百円くらいの価格で、コンパクトで、北海道らしい、ということ。これがうまくはまれば、原価なんてどうでもよくて皆喜んで買ってくれるんです。『白い恋人』や『じゃがポックル』なんてそのあたりの戦略が実に上手ですよね」


 さて、そうなると釧路では何ができるでしょう?

 素材提供では定評のある北海道の食材です。工夫ひとつで他に先んじることができそうですが、そこへの人材や投資などの投入が鍵になりそうです。

 様々な支援制度を駆使して、早く良いものを!

 気持ちは焦るのですが、とりあえずはわが友人の知恵を借りましょう。

 ただし昨夜は飲みすぎました。知恵を借りるのもつらい(笑)

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雇用を生むビジネス

2011-09-20 23:45:22 | Weblog
 地元の林業経営者の知人から雇用の現状を聞かせていただきました。

 経営者から見ると、業界全体の経済が拡大しない中で入札の自由化が当たり前になると価格を下げてゆかないと仕事が取れなくなっていると言います。

「その結果、働いている人たちの給料を上げてやれないんです。今は職場の七割が季節労働者として雇用していますが、可哀想なんですが、働き盛りの人でさえ、失業保険を入れても年間300万円も行かない位の収入にしかなりません。結局、来年の仕事が増えてそのためには労働者を安定的に雇用して事業を拡大させよう、というマインドにはなれないので雇用が安定しないんです」

「それでは消費だとか結婚だとか、社会的な活動にも影響してきますね」

「そのとおりです。自分たちが若かったときは、まずステレオが欲しいとか、車が欲しい、などという欲があって、働けばそれを手に入れるだけの収入が期待できましたよね。今働いている人たちを見ると、そうした良い意味の物欲や消費欲をもちがたくて、もう諦めてしまっている風にも見えてしまいます。下手をすると女性とセックスしたいという欲望さえ衰えているようで、悲しくなりますよ」

「頑張って働いて事業の付加価値を高めるという上昇志向のようなものもありませんか?」

「それがまた難しい。働いている人たちは実に真面目に労働をこなしてくれています。限られた時間の中で、A、B、Cという工程があるとして、できそうな『AとBをやってくれ』と言えば確実にできます。ちょっと時間的に無理かな、と思っても『AとBとできたらCもやってくれ』と伝えておくと、それも無理してやり遂げてくれることがあります。しかし、その先に伝えていない『Dの行程もありますよね』と言ってくることはありませんし、『こうしたらもっと良くなりませんか』というような提案が出てくることもありません。やはり言われたことの範囲なんですね」

「それは教育の問題ということになりましょうか」

「広い意味ではそうかもしれないですが、そのレベルの労働者は残念ながらうちのような中小の企業には来てくれないのだと思います。そのくらいになればもっと大手や地元を離れて都会へ行ってなんとかしてしまうのだと思います」

「地元に残って働きたいという人は多いのでしょうね」

「もちろんです。しかし、事業が拡大するという見通しがなければ企業は今の雇用を守るのが精一杯で、雇用を拡大しようとしてもできません。結局安定的に雇用されているものと不安定な雇用におかれているものの二極化が進んでゆくのではないでしょうか」


   【働くのは苦か楽か】



    ※     ※     ※     ※     ※

 
 企業は社会環境の変化に対して自らも変化しながら雇用を守り成長させていかなくてはなりません。

 今の日本では、人口減少、少子高齢化という変化が大きく取り上げられていますが、一方でこれまでの国民の頑張りの中で社会的なインフラの大物はかなり整備されてきたとも言えそうで、社会が投資をして新しい価値を生み出そうというエネルギーも減少しているような印象があります。

 投資や消費の形も物質的な旧来の公共事業にあっては、新しい価値を生み出すというよりはこれまで築き上げたものを維持するだけで手いっぱい。

 情報化や高付加価値を感じ取るようなこれからの価値観を実現するようなものへの期待が高まっていても、そちらへの移行の動きはまだ鈍い。

 つまり企業としても、新しい消費を生み出し、それが拡大するような投資の種がなかなか見つからず、それゆえに消費されないお金が企業においては内部留保として、国民にとっても国民資産として貯まってしまっているのです。

 浪費ではなく、適切なお金を使うことはうしろめたく思わずに、よりよい生活に向けた欲を適正に発揮させる。そんな仕掛けがあれば、そこにこそビジネスの種がありそうなのですが、それを地方都市でどう果たせるのでしょうか。  


    ※     ※     ※     ※     ※


 そんなことをつらつら考えると、地方都市で雇用を改善させようと思うと、流入してくる経済、あるいは域内循環という経済を拡大させるという社会環境改善の方向が一つあって、一方でそれを支える個人の教育の改善というミクロな視点もあると言えるでしょう。

 どちらが先でどちらが後になるのか、というのは鶏と卵のような関係ですが、どちらに注目するかで、解決方法は異なりそう。しかし、自分も企業も新しい付加価値をつけないと生きてゆけない、という点では同じように思われます。


 釧路でできることは全部やってみましょうよ。
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